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概要編集

声:杉崎亮(アニメ版)


名画を愛する弁護士(『逆転裁判』)編集

第2話『逆転姉妹』&第4話『逆転、そしてサヨナラ』に登場。年齢64歳。身長166cm。


綾里千尋が過去に所属していた『星影法律事務所』の所長で、彼女にとっては師匠にあたる人物。弟子の千尋からは尊敬されており『逆転姉妹』の事件以前、彼女は妹の真宵に「何か困った事があれば星影を頼ると良い」と助言していた。ベテランなだけあってオフィスも豪華であり、所長室には多数のマホガニー製の高級な調度品が揃えられている。最近は数億円で購入した『夕暮れ時の釣り人の名画』がお気に入りで「誰にも渡さない」と断言する程、愛蔵品として扱っている。この名画の正式タイトルは不明。名画は所長室に飾った上で、訳あって訪問して来た成歩堂に自慢している。


茶色いスーツの上からでも解る程、恰幅が良く、立派な髭を蓄えており、穏やかな雰囲気ながらも貫禄が漂う。「ウォッホン!」という偉そうな咳払い、語尾の「~ぢゃ」、二人称の「チミ」等の言葉遣いが特徴。穏和でマイペースな性格で、とぼけた印象を受ける時もあるが、優秀な弁護士には変わりなく、協力者としては随所で切れ者ぶりを発揮する。


尻の痛みに悩む師匠(『逆転裁判3』)編集

第1話『思い出の逆転』に登場。年齢61歳。


当時、大学生だった成歩堂龍一の弁護を担当する予定だったが、千尋たっての希望で交代し、彼女の助手役を務めた。のんびり屋な性格も、味方になると頼もしいのも、今と変わらない。慢性痔炎を患っているのか、やたらと尻に関する発言が多い。可哀想な事に助手でありながら「成歩堂とその恋人・美柳ちなみの神経を逆撫でする言動の数々」に腹を立てる千尋から、しょっちゅう八つ当たりされては暴力を振るわれる被害を受けた。また酒に弱い様で、第4話『始まりの逆転』では「二日酔いで寝込んでいる事」が、もう1人の弟子・神乃木荘龍の口から語られた。本来はこの時の千尋の助手役は星影が務める筈だったが、二日酔いで寝込んでいる上司の彼の代理として、神乃木が助手役を担う事になった。


当時のスーツは茶色ではなく赤色だった。この変更は「茶色い弁護席でも、彼の姿が見え易い様に」というスタッフの配慮による。当初は時の流れを印象付ける目的で「千尋の独立後に激太りした後付け設定込みで、痩せていた頃の姿」も考案されたが、必要ないからとの理由で服の色だけが変更された。この「没案とされた過去の痩せていた姿」は半端じゃない威厳を放っていて、とても後述の脅迫に屈するとは思えない外見と雰囲気であった。


関連タグ編集

逆転裁判 逆転裁判3

綾里千尋 成歩堂龍一 神乃木荘龍 生倉雪夫














※この先ネタバレがあります!!!










老い、悔い、報い編集

15年前DL6号事件で警察が霊媒師の綾里舞子に協力を依頼し、捜査に失敗した情報を小中大に漏洩してしまった張本人。捜査失敗によって警察に訴訟された、舞子に弁護を依頼された事から極秘捜査の情報を知った様で、小中の提示した一時の金に釣られて情報を売り渡してしまった。


事件の被告人・灰根高太郎の担当弁護士が、当時の自分の事務所の所属者・生倉雪夫だった事も極秘捜査を知る一因となった模様。アニメ版では『倉院の里』の『対面の間』にて行われた「舞子の被害者・御剣信を霊媒して、加害者の名前を聞き出す儀式」に関係者一同と共に立ち会っていて、これが極秘捜査を知る機会に変更された。ちなみに霊媒の儀式には、幼少期の綾里姉妹も立会人に加わっており、2人との初対面も当時に変更されている。


星影が情報を漏洩させてしまった結果、世間から激しく非難された綾里家は衰退の一途を辿り、大勢の人々から誹謗中傷を受けた舞子も耐えかねて、2人の娘を故郷『倉院の里』に残して行方を眩ませた。生倉が心神喪失を悪用して灰根の無罪判決を勝ち取った事で、舞子を協力者に迎えての極秘捜査は失敗に終わった。それを星影は小中に話してしまった訳である。


舞子の長女である千尋は「母を破滅させた事件の真相」を求めて、関係者の霊媒を通じて「情報漏洩の犯人は小中と星影」と突き止めると、弁護士を目指して故郷を去り、星影に弟子入りした。千尋の弟子入りは、彼を探る為でもあったと見られる。星影は綾里姓からも、千尋の素性には気付いており『思い出の逆転』で千尋からの暴行に大して文句も言わずに耐えていたのも、彼女への罪悪感から甘んじて受け入れていたのかもしれない。千尋も千尋で「情報漏洩の犯人なんだから、多少は冷たく当たっても構わない」という考えがあったからこそ「上司の彼を容赦なく殴る蹴る等の暴挙」に出ていたとしても不思議ではない。


情報漏洩を犯して以降、星影は小中に脅迫される様になってしまい、15年間も言われるがままに金品を譲渡して来た。「元から高級嗜好の持ち主で、数多くの高価な調度品を所持している」「幾度も恐喝しても財産が尽きない程、裕福な生活を維持して送れている」「穏和で押しに弱い性格」この3点に付け込まれて、小中にはメインターゲットに据えられていた。身から出た錆とは言え、恐らく星影は「被害総額の面では小中の最大の犠牲者」と呼べる程の被害を受けて来たと思われる。


前述の時価4億円の値打ちがある『夕暮れ時の釣り人の名画』も前述の「誰にも渡さない」との前言を撤回して、小中に脅し取られてしまっている。名画は彼の逮捕によって警察に押収されて以来、星影の元に戻って来る可能性は失われた。この結果を本人は「残念だが、これも報いの1つ」と受け止めている。ちなみに、この名画は後日談の『検事2』では、流れ流れて「様々な事件の関連品を競売にかける闇オークション」に出品されている。


第2話では小中は千尋を殺害した為、弟子の仇ともなったが、それでも彼を恐れる余り、小中の陰謀で「千尋殺害事件の容疑者」として逮捕され、前述した「生前の姉の言葉」を信じて連絡して来た、真宵からの弁護依頼を断ってしまった。また捜査目的で『星影法律事務所』を訪問した、成歩堂にも非協力的な態度を取った。小中の支配下にいたものの、千尋の弟子である成歩堂には良心から僅かながらも、「これもきっと何かの運命」と重要な証拠や証言の提供を行い、彼の身を案じて「真宵の弁護は引き受けない方が良い」と忠告する場面もあった。


綾里家の人々に対する仕打ち、成歩堂への冷たい対応を後悔し、千尋の死を重く受け止めた星影は、第4話では罪滅ぼしの為に一変して、成歩堂達の協力者となった。第4話の事件の関係者の多くと接点を持っていた、彼の積極的な情報提供と捜査協力が無ければ、成歩堂達は事件の真相には辿り着けなかった。事件関係者の1人、狩魔豪と同世代のベテランだからこその、鋭い見解や指摘も多く見せた。「事件解決の影の功労者」となったと言っても過言ではない。


アニメ版編集

字幕放送の表記でも独特の「~ぢゃ」と言う口調は再現されており、『星影法律事務所』は超高層ビルの一室として描写され、視聴者により豪華な印象を与えている。

金に釣られて小中に情報を漏らしたという件は消去されて「彼に事務所を潰すと圧力を掛けられ、仕方なく情報を明け渡した設定」に変更された為、原作に比べて「彼も別の意味での被害者という印象」を抱かせる。更にそれを真宵に話した後、彼女に泣きながら謝罪している。その後、第1期第11話では成歩堂からの要請で「DL6号事件の詳細を知る人間」として証言台に立つ等、出番が増えている。

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