概要
地面の表層の土壌や水分が不足しているために樹木が生えておらず、作物の耕作に適さない場所。ただし、背の低い草や地衣類は生えていることもある。
同様に木が生えておらず、耕地に適さない土地として湿地も昔は荒地扱いされることがあり、地図でも湿地が荒地の地図記号で表されることがあった。
植物がほとんど無いため、小石や岩、または乾燥した土などの地肌がむき出しになっていることが多いが、氷床に覆われた場所も荒れ地に含まれる。
年間降水量が250ミリメートルを下回る場合は「砂漠」と呼ばれうる。なお、日本のように降水が豊富な土地であっても、砂が吹き寄せられた砂丘や、火山噴出物が溜まった土地は、鳥取砂丘や伊豆大島にある「裏砂漠」のように、まるで砂漠のような外見を呈する場合がある。
荒地の成因と分布
- 砂漠のように、著しく乾燥していて植物が育ちにくい地域
- 塩害を受けた場所
- 北極や南極のように、非常に寒冷なため植物が育ちにくい場所。氷床やツンドラなど。
- サンゴ礁が隆起してできた島など。特に、その島の表土を取り除いたりすると、容易に荒地になる(リン鉱石をほぼ採り尽くしたナウルが有名な例)。
- 森林が失われることで、表土が雨によって流失した場所。日本では足尾銅山周辺で見られた。
- もともと海底だったところが隆起したり、海岸線だったために砂丘が形成されたりした場所は、地面に有機質の土壌が少ないので荒地になりやすい。
- 氷河期に氷河で覆われていた部分は、氷の下で植物が育たなかったことと氷河が石や砂を押し流してきたために、土壌ができず荒地になりやすかった。
- 高山地域は雨量が少ない、風が強いために土が飛ばされやすいといった理由により、荒地になりやすい。
関連タグ
荒れ地:表記揺れ。