概要
群馬県警の警部。通称・ヘッポコ刑事。
元女優・工藤有希子の大ファンで、彼女が主演した刑事ドラマを見て刑事になった。
諸伏高明の弟である諸伏景光とは幼少時代の友人関係にありお互いに「ヒロちゃん」「ミッちゃん」と呼び合うほど親しい関係だった。そのため、高明の横顔を見ただけで景光とは親戚関係なのかと疑い、本人に質問していた。
年齢不詳だが、恐らく景光と同年齢程度で、本編では29歳前後と思われる。
ヘッポコの名が物語るように、ドジな性格でどうして刑事になれたのか不思議なレベル。知ったかぶり的な態度や口調が目立ち、本当に刑事なのか疑わしい発言・行動をすることも目立つ。
「〜しちゃったりしちゃう」、「〜しちゃってくれる」というように、今は亡き広川太一郎氏を思わせる口調が口癖。
見当外れな推理で小五郎や園子、有希子や京極といったレギュラーキャラを犯人扱いすることもしばしばある上に刑事という職業柄しつこく疑うことすらある。更には光彦を探しにきたコナン達の事情もロクに聞かずに追い返そうとするなど、非常に面倒くさく性質の悪い一面も多い。
時には警察仲間等の足を引っ張るようなミスもしでかしており、劇場版第13作『漆黒の追跡者』では、コナンの不安が的中して、被疑者の前で転倒して手帳を落としてしまったことで、警察が見張っていることに気付かせてしまうという大ポカをやらかし、最終的に目暮警部が容疑者の恋人に刺されてしまう事態にまで発展してしまった。
他にも、『迷いの森の光彦』にて連行中の殺人犯、沼淵己一郎を彼との話に夢中になった隙を突かれて取り逃がす、『探偵事務所籠城事件』では、ある事件を担当したが、現場をきちんと調査せずに自殺と決めつけたことから、被害者遺族による新たな事件が起こった遠因を作ってしまっている。
横顔だけで幼い頃に会ったきりの景光と高明の親戚(兄弟)関係に思い至ったのに反して興味のない人物の物覚えも悪く、『漆黒の追跡者』で共同捜査したはずの大和敢助と上原由衣の事を『群馬と長野 県境(ボーダー)の遺体』で再会した時にはすっかり忘却していた。
上原はともかく、大和は「右目に大きな傷がついた隻眼で杖を付いている」という一度会ったら忘れ難い容姿であり、一度成り行きで大和達と同行した事のある阿笠博士や灰原哀ですら「コナンに言われるまで『警察官』とは思わず、車中の会話から毛利小五郎になんらかの悪意を抱く犯罪者と勘違いしていた」くらいなので、俗にいう「劇場版補正」を差し引いても「物忘れの酷さを『無頓着』と言い切るのも軽過ぎる」くらいの記憶力の悪さである。
本人たちの指摘でやっとぼんやり思い出していた。(これにはさすがに大和からも「ぼんやりかよ…!」と呆れられていた)
『追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件』における初登場時は巡査部長だったが、劇場版第13作『漆黒の追跡者』で何故か警部に昇格しており周囲を愕然とさせる。コナンから「群馬県警大丈夫か」と呆れられていた…というか、ほぼ「コナンの『(良い意味での)暗躍』で出世したも同然」なので、自分の所業を棚に上げて危惧した(≒出世の要因が「十中八九自身にある」と自覚していないであろう)コナンの指摘はお門違いもいい所なのだが。
現実に、ノンキャリア警察官が警部に昇進するには警部補昇進から4年程度務める必要があり、組織上はあり得ないと言われる。しかしながらキャリア組の場合警部補から階級をスタートするため、初任が巡査部長以前では矛盾が発生する。もっとも、警察官には国家公務員試験2種合格者を採用する「準キャリア」というシステムが存在し、巡査部長からスタートするため、山村は準キャリア組の可能性がある。そうでなきゃ群馬県警の扱いあんまりだ……。
ただ、『容疑者か京極真』では、状況証拠から京極を容疑者として疑う一方で、被害者が「あくまでも居酒屋で酔った勢いで喧嘩した結果殺された」と的外れな推理を出した小五郎に対し、「状況の辻褄が合っていない」部分や「喧嘩で殺したに過ぎないはずの犯人がスタンガンを持っていたのか」、「どこでどういう形で殺したか」、「そもそも何故死体をわざわざ仮設トイレに放置したか」等を指摘している等、他の刑事達と同様に真っ当な刑事らしさを見せた事もあるが、いつもの如く癇癪を起こした小五郎に「んなもん知るかぁ!」と怒鳴り返されてしまっている。
小五郎を慕っており、自称「名コンビ」で、小五郎と組んで解決した事件の犯人検挙率が100%であることを誇っている(因みに小五郎は家族や昔の旧友が巻き込まれた事件ではコナンを凌駕する推理力を発揮することもあるが、山村は現在そのような描写が一つもない)。
コナンが推理ショーを行う際、他に適当な人物がいないと仕方なく眠らされる役割となる(コナンシリーズの中で警察関係者で探偵役をさせられたのは現在のところ彼が唯一である)。推理中はそれまでの軽い口調から真剣味を帯びた声色に変わり、口癖もない。なお、『割れない雪だるま』では最初は阿笠博士に推理ショーをしてもらっていたが、あんまりにも煩く口を挟んでくるため、黙らせる意味でも眠らされている。
なお、この流れは元々コナンは有希子の声を変声機で出そうとするも、彼女には断られてしまった事に端を発する。
自称のあだ名は「山さん」(『太陽にほえろ!』の山村精一刑事に因んでいる)。
「山村警部」と呼ばれると気を良くする。少年時代の容姿は、髪型以外は骨川スネ夫によく似ていた。鳥取県八頭町在住の祖母・ミサエの話を頻繁に話題にしている。
意外な繋がり
実は幼少時に諸伏景光とは短い期間ながらの幼馴染で彼が親戚に引き取られるまで秘密基地を作るなど仲がとても良かった。
お互いに正義の味方になろうと誓ってから暫くして、その兄諸伏高明から(殉職したのを隠して)秘密裡に公安として幼い頃の誓いを果たしていると言うのを教えられる。
余談
名前の由来は、推理小説家で2時間ドラマなどでも有名な山村美紗。この人一回身内に謝った方が良いのでは?
担当声優の古川氏もキャスティングの例に漏れず『機動戦士ガンダム』におけるカイ・シデン役であり、若狭留美役の平野文氏とも『うる星やつら』にて諸星あたる役で共演している。
準レギュラー化したのも青山氏が古川氏の演技を気に入ったからだとか。
『山菜狩りとクローバー』で両者は対面しており、「鬼嫁が旦那を感電死させる」というセリフがある。
『霧にむせぶ魔女』では回想中に祖母が登場しているが、青い日産スカイラインGT-Rで峠を爆走するというアグレッシブな活躍をしている。
『追いつめられた〜』における初登場時がTVアニメではスペシャル回(の後半部分)でありこの時はデジタル作画であった(なお、試験的とはいえTVシリーズでは初めて導入され、その後通常回である「中華街 雨のデジャビュ」からは通常回でもデジタル作画に切り替えられた)が、通常回における初登場回である『容疑者・毛利小五郎』ではセル画になっちゃったりしちゃってるというおかしな事になっていた。
ちなみにこの時蘭達とも邂逅したのだが、有希子が「コナンはロスで産まれた息子」と説明していた為、「ムスコさん」と口を滑らせかけた所をコナンが「ムスーッとしたおじいさんが犯人(※)だったんだよね?!」と半ばメタ口調で遮るというハプニングがあった。
とはいえ、有希子は蘭に「コナンを2〜3日預からせてくれない?」と前置きした上で同行させたため、それこそ「新ちゃんと同じくらい頭が切れる第2号」ではなく「遠い親戚」などと事前に説明していれば、山村が口を滑らせる事も蘭達周辺人物との間で認識の齟齬が産まれる事も無かったので、こればかりは本人を責めたてる事は出来ない、というかマジでなんの責任もない。
※厳密には状況的に『正当防衛』が成立するので少々語弊はあるのだが、“小学一年生の認識”とすれば、山村でなくとも疑問は抱かないだろう。