概要
ドイツの刑法学者グスタフ・ラートブルフの提唱による法律用語で、「自分の行いは(良心と照らし合わせて)正しい(社会や法律の方が間違っている)」と確信して犯罪を行う者のこと。
いわゆる義賊やテロリストが該当。本人に罪悪感や躊躇が一切無いのが特徴である。
有名な例でいうと、ジョジョ3部の空条承太郎なんかもこの例に当てはまってしまうと言える。なぜなら人間である敵スタンド使いを正当防衛を超えたレベルでボコボコにしており(暴行罪)、しかも「裁くのは おれの『スタンド』だッー!」という名言で語っているようにそれを「スタンドは一般人には見えないから、悪のスタンド使いは同じスタンド使いが裁くしかない」という信念によって正当化しているからである。
上述の承太郎の設定を見てもわかる通り、フィクションで主人公側が担うことも多い設定。フィクションでは法で裁けない異能力による犯罪が横行するのは日常茶飯事であり、それに立ち向かう主人公にこうした精神が要求されるのはやむなしと言えよう。
フィクションだからこそ主人公に許される特権と言ってもよい。
ただし「正義」や「悪」といった概念を問うタイプの作品では、主人公が秩序の側に立ち、敵、特にラスボスが確信犯側に立つという展開もそれなりにある。このようなタイプのラスボスが発生することで主人公側に「悪とはなんだ」という自問自答の楔を打ち込むなどの様々な影響を及ぼす展開となることが多い(稀に主人公側の一部が寝返ったり、戦意喪失したりする)。
一般的には「犯罪やトラブルとなることを知った上でそれを故意に行うこと」という意味で使われているが、これは誤用である。
この意味を持つ法律用語は「故意犯」である。
一方、犯罪を犯す意思自体はない(たとえば人を殺そうとか交通事故を起こそうという意思はない)が、一定の注意義務を怠って、法益を侵害する結果を生じさせた場合は「過失犯」という。
更に、死ぬ"かもしれない"行い、例えば階段の最上段に油を撒き放置する等を偶然を装ってやることは未必の故意という。
故意犯の意が更に転じて、「わざとやっているのをすっとぼけている」パターンの行動全般やそうした行動を起こす人を形容する場合に使われていることもある。
この場合、誤用と本来の意味とどちらにも取れるパターンも存在する(例:恋愛行為などの後押しで、本人は全く悪気が無くくっつけるためにあくどいことをやったりする)が、あくまで第三者が「あ、これ確信犯だ…」などと感想を思う際のニュアンスは誤用の意味の範疇に入ると言えよう。
現代では
pixivにおいては、誤用とされている後者の意味合いで使われていることが多い。
例を挙げると、キャプションやイラスト内の人物が失敗したように振舞っているが、明らかにわざとやっているような場合。
また、やたらとセクシーだったりあざとさを感じたりする場合にもこのタグが付けられる。
近年、こういった使い方は、所謂「通俗言語」として辞書に記される事例も増えている。あくまでも厳密には誤用であるが、意味を重んじる場でなければ、日常的に使用するうえでは問題ない用法になりつつある。
法律用語の誤用が広まっているものとしては法治国家がある。
他に法律用語と一般用語の乖離としてよく挙げられるものに善意/悪意や社員や天然果実などがある。
一般的な意味(上)・法律上の意味(下)
善意
- 相手の幸福を望む感情
- ある事実を知らない事
悪意
- 相手の不幸を望む感情
- ある事実を知っている事
社員
- 会社勤めの人(従業員)
- 持分会社(合同会社・合資会社・合名会社)の出資者。株式会社の「株主」
天然果実
- 被子植物が種子を成熟させるための器官として発達させる部位。いわゆる果物のこと。
- 物の用法に従って収取される産出物(農作物とは限らない)