解説
大元は1965年から1969年にかけて永六輔作詞、いずみたく作曲、デューク・エイセス歌唱によるご当地ソングシリーズ「『にほんのうた』シリーズ」の1作。
このシリーズは47都道府県をそれぞれ題材にしており、この楽曲は温泉地群馬県を題材にしていた。楽曲を作るために永六輔といずみたくは実際に各都道府県を旅している。
そのため原曲の歌詞ではそれぞれ題材にした温泉の特徴も歌われている(2番:伊香保温泉は八木節発祥の地に近く歌詞に八木節が登場する、3番:混浴を示唆する歌詞があるが当時の万座温泉には混浴風呂もあった)。
カップリングは大阪府のご当地ソング「銀杏並木」。
1968年にザ・ドリフターズがデビューシングル「ズッコケちゃん」のカップリングとしてカバーバージョンを発売。こちらは舞台を日本各地の温泉地に広げており、「ビバノンロック」という副題が付けられている。
現在よく知られているのはこちらのドリフバージョンであり、もっぱら登別温泉が登場する1番が歌われることが多いこともあってもともとが群馬県のご当地ソングだったことは半ば忘れ去られている。
データ
作詞:永六輔
作曲:いずみたく
歌われた温泉地
ドリフのビバノン音頭/さよならするのはつらいけど
ザ・ドリフターズ版の更なるアレンジバージョン。前者は『8時だヨ!全員集合』、後者は『ドリフ大爆笑』のエンディングテーマ。
原作詞:永六輔
替歌:上野玲児、松原雅彦
作曲:いずみたく
「ビバノン音頭」はエンディングということもあって放送時間に合わせて原曲より速いテンポで歌われていた。
最後に加藤茶が視聴者に呼び掛ける「宿題やれよ!」「夜更かしするなよ!」「歯磨けよ!」「また来週!」などの台詞が有名。ちなみに「歯磨けよ!」「お風呂入れよ!」「頭洗えよ!」は番組スポンサーのライオンが歯磨き剤やシャンプーを販売していることにも由来する。
「さよならするのはつらいけど」は当初はコントの衣装でメンバーが歌っていたが、後にバンクとなり、1983年に収録した映像は2003年のいかりや長介最後の新撮映像まで長らく使用されていた。
その他のカバーバージョン
知名度の高さゆえかドリフバージョンが元になっていることが多い。
- ちびっこ盆踊り いい湯だな
小鳩くるみとヤング・フレッシュのカバーバージョン。補作詞は山川啓介。
温泉地の名前が呼ばれる部分は「プクプクワイワイワイ」などに変更されている。
「ドリフメドレー いい湯だな~隣組」として収録。『サンドのお風呂いただきます』や『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』などでお風呂が登場すると使用される。
出演声優全員で歌ったバージョンがエンディングテーマとなった。
関東が舞台となったためか歌詞はデューク・エイセス版を踏襲しているが、途中でドリフ版の合いの手が入り、最後に野原しんのすけが「お風呂入れよ!」という合いの手を入れる。
TVアニメ版にて5人のヒロインを演じた声優が歌ったドリフ版のカバーバージョンが挿入歌として使用された。
余談
- ドリフ版の1番に登場する登別市の防災行政無線の試験放送に使用されている。
- 1998年までJR西日本の特急「くろしお」の紀伊勝浦駅到着時の車内チャイムとして使用されていた。
- 2009年からは都内の温泉施設の先駆けとなった平和島温泉クアハウス(現:天然温泉平和島)の最寄り駅である京急本線平和島駅の接近メロディとして使用されている。編曲は塩塚博。
- 2010年の年末に放送された『にっぽんの歌』でデューク・エイセスが「いい湯だな」を歌った後に加藤茶が登場、ともに「ドリフのビバノン音頭」を歌うコラボが実現した。
- 2021年放送のテレビドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』ではドリフ役のメインキャスト5名(遠藤憲一、勝地涼、加治将樹、松本岳、山田裕貴)が「さよならするのはつらいけど」をカバーしている。