よゐこ
よいこ
メンバー
↑基本の立ち位置は有野が左、濱口が右。詳細についてはそれぞれの個別項目を参照。
共に大阪府大阪市此花区出身で、大阪市立汎愛高等学校を卒業している。また、かつての同級生(中退)にテンダラーの白川悟実がいる。
コンビ仲の良さで有名。初期は不仲を演出していたが、バラエティ番組の出演が増えてからは仲の良さを隠すことはなくなっている。
概要
中学生の頃、同じ学習塾に通っていたのがきっかけで仲良くなる。高校卒業後、濱口が既に就職していた有野を誘いコンビ結成。「吉本はライバルとなる若手芸人が多いが、松竹なら簡単に売れる」という理由から、松竹芸能の養成所を選んだ。
結成当時からコントを主体としており、他とは違うゆったりとしてシュールな芸風が注目されていた。ボケに対する「ツッコミ」ではなく「とまどい」というスタイルも独自のものである。
デビュー後は(関西圏の演芸番組のスタイルにあまり馴染めなかったこともあり)早い段階で東京に進出。コントが盛んであったフジテレビ系列のバラエティ番組に多く出演し、1990年代中盤から全国ネットの番組で活躍するようになる。
初期は「ネタがシュールすぎて子供にも年寄りにも分からない」と言われていたが、濱口の黄金伝説や有野のゲームセンターCXでの活躍により、2人の人柄もよく知られるようになり、今では幅広い層から支持を得ている。
爆発的にブレイクはしないがテレビから消えることもなく、トーク番組で自ら「苦労したことが無い」と言ってしまうほど彼らのお笑い人生は実に平和でマイペースな歩みとなっている。
両名ともアニメ・ゲーム好きで知られており、それらの原作や『週刊少年ジャンプ』作品を中心に漫画も好むほか、最新の作品・話題にも詳しい。サブカル関連の番組やイベントにも度々出演し、アニメ・ゲームファンからの支持も厚い。
エピソード
今でこそ落ち着いたが若手時代のよゐこは周囲から非難されることが多かったのだ。例えば当時、よゐこがレギュラー出演していたウリナリで、電波少年の企画を途中でリタイアしたことから、南原清隆や勝俣州和と言った先輩から厳しく叱責され、テレビ側のスタッフからも「もうよゐこは使わない」と激怒されている。また同期であるキャイ~ンからも「若手時代のよゐこは本当にひどかった」「大抜擢された仕事で全然発言しないし、ボケることもなく、ただ気取っていてさ。世の中をナナメに見た若者」と態度面を酷評されている。同じく雨上がり決死隊も賞レースで審査員特別賞を受賞したのにもかかわらず、挨拶もせずに生意気な態度で「はい、どうも」の一言だけで退場した姿に苛立ちを隠せず「あんな奴が賞を取るなんておかしいやん。あれのなにがええの?」と酷評していた。更に受賞当日の生放送番組にゲスト出演した際に番組終わりの最後の一言で濱口が先輩も多くいた中、「劇場に出ているような芸人にはなりたくない」と発言したことから周りをドン引きさせ、他の芸人から更に反感を読んでしまう。
さらに入所したての頃は事務所の大先輩でもある笑福亭鶴瓶や笑瓶に対してもタメ口で接していたり、自分達のカバンを持たせるなど平然と後輩扱い(というか実質使用人扱い)しており、芸人はおろか社会人としてあるまじき行為をしたほか、先輩芸人の仕事の手伝いをサボって漫画を読んでいたり、舞台進行もなど投げやりで行うなどいい加減な態度をとっており、事務所のネタ見せでも講師たちからダメ出しをされれば「お前らがやってみろや!」と逆上する始末で、この素行不良に見兼ねた上記の二人からは「お前ら一応後輩なんやから調子に乗るのも大概にせえよ!」と頻繁に叱責され、浪曲漫才師のミスハワイからは「死ね!」と罵倒までされている。その上、先輩であるおぼん・こぼんに対しても横柄な態度を繰り返したり、教えて貰った寄席のルールをすぐに破る暴挙を行うなど若手芸人としてあるまじき悪行を働いていた。
挙げ句の果てには月給が3万にも満たない無名時代の頃は先輩の北野誠の家に居候していたのにもかかわらず、彼の部屋を多数の芸人仲間とどんちゃん騒ぎで使用し、無断で彼の冷蔵庫から盗み食いしたり、風呂にまで勝手に入る傍若無人ぶりを発揮しており、そんな態度に我慢出来なくなった北野は何かしらの理由をつけて荷物まとめて二人を放り出すという三行半までつけた。その為、当時のよゐこは事務所全体や所属芸人からも「あの二人は正直に言って(事務所的に)いらんな」と問題視扱いされ、解雇寸前まで追い詰められていた。
そもそも濱口も芸人を志した動機の一つに「普通の仕事をしたくなかった」を挙げており、既に就職が決まっていた有野を「芸能界に入れば酒井法子と結婚出来る」と説得し半ば強引に誘ったうえでよゐこの前身「なめくぢ」を結成している。しかし、このコンビ名は北野誠からは快く思っておらず、「それじゃ売れない」と批判され、その場に置いてあった幼児雑誌のよいこからコンビ名を命名された。だが、当の二人は不満の色を隠せず、それから間も無くに北野のアドバイスを無碍にし、「よゐこ」へと無断に改名したのが今のコンビ名の由来になっている。その為、当時の二人は師匠や先輩の言う事を聞かない方が絶対に売れると考えており、実際に改名直後にはとぶくすりのレギュラーに抜擢され、上記の賞レースでも好成績を残せるくらいまでに飛躍して行った。
しかし、そんな実績とは裏腹にいざゴールデン番組出演の際には世間からの批評が相次ぎ、一部の視聴者からは「番組から降ろせ」と痛烈な言葉まで挙がっていたという。やがて、内村光良や出川哲郎からも「いい加減に態度を改めないと仕事を干されるぞ」と警鐘を鳴らすが、そうとは知らずよゐこは自らのお笑いを独走し続け、それから間も無くしてウリナリが終了し、彼らの言うとおりにその後は仕事が激減。更には自身がレギュラー出演していたとぶくすりの後継番組でもあるめちゃめちゃモテたい!(めちゃイケの前番組)にも出演NGを下されてしまう。理由はナイナイや極楽とんぼ曰く「あいつらのお笑いは冒涜そのものやん。そんな奴と一緒に番組になんか出たくないもん」と指摘しており、かつてのとぶくすり時代の仲間からも毛嫌いされていた事が明らかとなった。
その後、しばらくは事務所の先輩芸人の伝手でゲストやチョイ役などで出演していたが、世間からの印象は変わらず、それから間も無くめちゃイケのレギュラーに抜擢されるも結果は変わらず、特に有野にいたっては世間からの印象は全くの皆無だった。
同期のナイナイらが大活躍していく中、自分達だけがこのまま取り残されていく事に不安を抱いた二人はめちゃイケ以降は思考を180度変換。めちゃイケにおいては様々な企画に身体を張り、とぶくすり時代のような前向きな姿勢を取り戻し、濱口はバカキャラクターや有野は地味キャラクターを定着する事が出来た。
また、めちゃイケ以外にも濱口は黄金伝説、有野はゲームセンターCXなどにも出演し、これ以降は自らの趣味や特技を番組で活かせることも出来るようになった。この活躍から世間からの印象も変わり、時代によゐこからの人気も上昇していくようになった。これを機に以前は疎遠だったキャイ〜ンとも中を取り持つようになり、親交も深くなった。
芸風
コント
初期
一言で言うと「意味不明」なものが多い。
台詞はシュールさを演出するため棒読みで、淡々と進んでいく。シチュエーションも現実から大きくかけ離れており、それについての説明が何もない。
言葉の切れ味はもちろん、クールなボケととまどいによる「間」や「空気」の不思議な揺らぎを活かした笑いが特徴的。当時からそのセンスは業界人を中心に高く評価されていたが、一般客にはなかなか受け入れられなかった。
現在
テレビ番組などで彼らを知ったファンを意識してか、いわゆる「ベタ」なものに移行しつつある。台詞は(演技力の向上もあって)感情のこもったものになっており、初期の不条理さは減り、シチュエーションやキャラクターも分かりやすくなっている。
一方で、独特の間の取り方は変わっておらず、さらにネタに応じて「ボケ」「とまどい」を入れ替えるようなことも増えている。
現在コントライヴDVDは複数発売されているが、「ベタ」なコントが好きな人は発売が新しいものを、テレビでは見られないよゐこを見たい人、彼らの世界観にどっぷりつかりたい人は蔵出しシリーズをお勧めする。
トーク
かなり長い間ラジオのレギュラーを持ち続けており、『すべらない話』に二人とも数回呼ばれているにもかかわらず、それぞれのキャラのせいかトーク力は普段評価されない(特に濱口)。これには2人の控えめな性格も関係しており、トークコーナーなどでは、一度スポットライトが当たれば饒舌に語り出すが、それ以外ではあまり前に出ず「聞き手」に回ることが多い。
コントでの役割とは異なり、濱口が強烈な天然ボケのため、番組などでの進行は基本的に有野が担当している。2人とも飾り気のないソフトな語り口であるが、時折(有野が)毒づいたり、(濱口が)大ボケをかましたりと、鋭いセンスを見せることがある。
よゐこのファンについて
『めちゃイケ』の時からやたらと不憫な扱いが長かった為か、昔からのよゐこのファンは基本的に争いを好まず「よゐこの面白さは分かる人が分かればよい」というスタンスである。
ちなみにこれは「よゐこの笑いがハマるかどうかは完全にその人の好みの問題なので、よゐこをつまらないと思ってもしょうがない」という意味である。よゐこもそのファン※ものんびりしていて平和主義なのが最大の特徴である。
※「有野課長ファン(ゲームセンターCXファン)」は微妙にファン層が異なるため、あてはまらない。