曖昧さ回避
概要
てんとう虫コミックス22巻及び、藤子・F・不二雄大全集7巻に収録「ジャイ子の恋人=のび太」に登場。
名前通りタコの形をした道具で、この道具から吐き出されるスミをかけると誰からも嫌われてしまう。
その効き目はスミをかけられた直後から発揮するなど強め。
名前の由来は京都弁で「好きではない人」「好きになれない人」を意味する「すかんたこ」から。
スミの効果の持続時間は明かされておらず、不明。
ちなみにアニメ化の際のカラーリングは、1980年版が赤、2005年版が薄紫、2018年版が濃いピンクになっている。
またドラベースでは日本縦断トーナメント2回戦の江戸川ドラーズVS西表マングローブス戦で使用可能な道具のひとつとして登場。
しかし誰かの四次元ポケットから脱走してしまったようでスズえもんがうっかり踏んでスミをかけられたため相手守備陣から嫌われタッチされぬままホームイン。得点にはなったがチームメイトからも嫌われてしまう悲劇のヒーローとなってしまった。
ストーリー
ドラえもんと共に歩いていたのび太は背後に気配を感じ、ここんとこ誰かが自分を付け回していて、しかも女子らしいことをドラえもんに説明。すると「君が女の子に付けまわされるなんて、天地がひっくり返ってもありっこない」と大笑いされたので、待ち伏せして顔を確かめることにしたが、それはジャイ子だったため驚いて逃げ出してしまった。
そして部屋に帰ると、まさかジャイ子が自分を好きになったのではと考えたが、ドラえもん曰くそれは絶対にないとのことだった。するとその時ジャイアンが訪ねてきて、ママに招き入れられた彼はのび太の肩に手を置き「幸せな奴だ」と笑顔で話し始めた。のび太がその理由を聞くと、「とぼけやがって」と突き飛ばし、ジャイ子がのび太に好意を抱いていることを話しだした。
何でもここ数日ジャイ子の様子がおかしく、寂しそうに溜息をついたり、ごはんを5杯しかお替りしなかったそうで、自分の可愛い妹で心配しているが、訳を聞いても打ち明けなかったので引き出しを調べてみたところ、のび太の写真が出て来たと経緯を説明した。これにのび太は、今までそんあ身振りもなかったのにと驚くが、ジャイアン曰くそれが女心で、彼女は自分ににて内気だからということだった。
そこで一人悩んでいる姿がいじらしくてしかたないので自分の方からデートに誘うよう言われ、のび太は強引に連れ出されてしまった。するとそこにスネ夫が通り掛かり、のび太の顔を空気の抜けたみたいと言い出したため、ジャイアンは彼に殴りかかり「のび太は将来、自分の弟になるかもしれないんだぞ」と言い残し先を急いだ。
その後家に到着するとジャイアンは気をきかせて自ら去って行き、のび太は「優しくしてやってくれよ」と言われたが、いざ2人きりになるとジャイ子から忙しいから出て行ってと言われてしまった。これにホッとしたような、バカにされたようなと変な気分のまま帰ることにし、途中で会ったしずかから公園のハトに餌を上げに行くと言われると自分もパンくずを持ってすぐに行くことを約束し、上機嫌で先を急いだ。
だがその途中ジャイアンに見つかり胸倉を掴まれたが、ジャイ子から帰るよう言われたことを説明。すると「女心の分からんやつだ」と言われ、好きな相手にはわざとツンツンするものだ、男の方から打ち明けるべきだと言われてしまった。だが「好きでも何でもないのに」と言うと激怒したジャイアンに掴みかかられ、「妹を泣かせる男がいたら俺が殺してやる」と脅迫され、とっさに「大好き」だと答えたが、今度は空地で告白の練習をすることになってしまった。
そしてジャイアンをジャイ子として始めることになったが、のび太が友達になってくれないか聞いた際に「嫌ならいいけど」と言ったため殴られる羽目となった。これにもっと熱を込めるよう言われ泣きながら好きと言うと答えたが、今度は態度で示すよう言われ隣に座って手を握ったが、この様子を茂みから見ていたスネ夫は目を見開き仰天していた。
その後泣きながら帰宅したのび太は、ドラえもんに自分の将来の妻がしずかのはずで、タイムマシンでも見に行ったのにとと話し始めたが、また運命が変わったのかも、そもそも初めはジャイ子と結婚するはずだったことを言われてしまった。これにのび太が絶望し泣き出すとドラえもんは仕方なく「スカンタコ」を取り出し効き目が強すぎることを注意したが、のび太がすぐにかけるよう言ったのでその通りかけることに。
するとドラえもんも「顔を見ているだけでイライラする」と怒り出し、同じく効果が出たママにもほうきで追い出され、不安ながらもジャイアンの家に向かった。するとジャイアンはジャイ子は漫画家になりたいが、何度投稿しても没ばかりで、それでガッカリしていたためのび太をモデルにしたギャグ漫画
を書こうとし、つけまわしたり写真を見ておかしな顔を考えたりしていたことを明かされ、要はジャイアンの勘違いだった。
だがこれを話し終わるとジャイアンにも効果が現れ、のび太は外に蹴飛ばされてしまい「バカにすんな!!やっぱり僕の相手はしずちゃんなんだ」と怒りながら彼女の待つ公園に向かった。だが彼女にも同じく効果が表れたため逃げ出されてしまい、これを見たドラえもんは「どこまでも運の悪い男なんだろう」とつぶやいていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年6月4日に、水田版は2005年9月9日及び、2018年8月3日にそれぞれ放送している。
1980年版
- サブタイトルが「スカンタコ」に変更。
- ママがジャイアンを招き入れるシーンはカットされている。
- 空地で告白の練習をした際、ジャイアンは丸太でのび太の頭を叩いている。
- ママがほうきでのび太を追い出すシーンはカットされている。
- のび太はジャイアンと道中で会っていていたため、玄関から蹴り出される描写は描かれていない。
- 本編終了後のショートアニメは、スカンタコを持ったドラえもんとのび太が互いの顔に墨を吹き付け、互いに険しい顔になりそっぽを向くというものだった。
2005年版
- 待ち伏せしてジャイ子を見た際のドラえもんの台詞は「ジャイ子ちゃん!」に変更されている。
- ジャイアンはのび太をジャイ子の部屋まで案内している。
- 帰ろうとするのび太を捕まえた時、ジャイアンは背中を掴んでいて怒ってはいなかった。またこの後のジャイアンの台詞のうち、「殺してやる」は「メッタメッタにしてやる」に変更され、告白のコーチを買って出た際は道端の花を摘んで嗅ぎ、練習の際中殴ってはいなかった。
- 告白の練習を見て勘違いし、慌てた拍子に木にぶつかっている。
- スカンタコの効果でドラえもんは原作以上に怒っていて、逃げ出したのび太は階段から転げ落ちている。またママはのび太に座布団を投げていた。
- のび太がやって来た時ジャイアンはまだ勘違いに気付いておらず、ジャイ子から書いた漫画を見せられてようやく気付いた。
- ラストではしずかだけでなくハトも逃げ出していて、ドラえもんはタケコプターで上空から様子を見に来ていた。
2018年版
- 冒頭ドラえもんは新しいどら焼きが出たことをのび太に話していた。
- ママは玄関先でジャイアンを招き入れている。
- ジャイアンが話したジャイ子の奇妙な動向は回想シーン付きで描かれている。
- ジャイ子は突き放すような言い方でのび太に帰るよう言っている。
- しずかは公園にスケッチに行こうとしていたため、のび太はスケッチブックを取りに帰っている
- 2005年版と同じくジャイアンはのび太を見つけた際、掴みかかってはいない。
- スネ夫は空地に通りかかった直後に告白の様子を目撃していて、木陰には隠れていなかった。
- スカンタコの効果でのび太は犬にも吠えられている。
- しずかは公園の噴水に座りスケッチをしていた。
関連タグ
ムシスカン…似たような効果の道具