概要
その名の通り、従来の物理法則を無視して物を宙に浮かせるいわゆる反重力を生み出すことのできる宝石。
元々飛行石の原石に当たる物質は劇中の地中の石などに大量に含まれているが、掘り起こされて空気に触れると反応を起こしてただの石となってしまう。
しかし、ラピュタ人のみが知っていた製法を用いることで空気に触れても反応を起こさない飛行石の結晶を作り出すことができたとされ(結晶化したものは透明な深い青色)、しかも結晶化された飛行石は数多くの特殊な力を秘めており、それを手にしたラピュタ人はラピュタ王国を作り、全世界を支配したという。
劇中ではシータの飛行石に反応して活性化した石中の飛行石が、ランプの光を消した坑道内の暗闇の中に光り輝き、まるで星空のような幻想的な情景を見せていた(飛行石の活性化を「石が騒ぐ」と例えるポム爺さんが祖父から聞いた昔の言い伝えによると、上空にラピュタがある時も同じような現象が現れるのだという)。
ほんの数㎝の結晶体一つだけでも強力な重力低減効果を有しており、一定以上の高度からの落下の際にその速度を抑えることができるが、(パロ家とはいえラピュタの王家の末裔である)ムスカが飛行石を使用しているシーンがない点、また触れようとすると静電気のように指を弾かれる点から、正統なラピュタ王の血縁者(トエル家の飛行石の継承者=シータ)が所持している時にしか効力を発揮しない様子である。
また、単なる浮遊効果以外にも膨大なエネルギーの生成、機械に対しての情報の伝達といった様々な機能を付与することが可能であり、特殊な呪文を唱えることでそれらの機能を発動および制御することができる。
王国が疫病により滅んだ後、ラピュタの民は地上に降り立ち、シータの先祖に当たる王家(トエル家)の人間はペンダントとしてしつらえた飛行石の結晶を一族の末裔の証とし、普段は彼女の家にある暖炉の穴に隠し、先祖代々守ってきた。
なお、飛行石の結晶化製法に関しては、飛行石のペンダントと呪文を受け継ぐトエル家、ラピュタの詳細や伝承を纏めた古文書を受け継ぐパロ家のどちらにも残っていない事から、長い年月の過程で製法が失伝し、技術そのものが失われてしまった模様。
ラピュタの中枢部には巨大な飛行石の結晶があり、これこそがラピュタの力の源である。シータの持つ小さな飛行石は言わば、この巨大結晶の「子機」のようなものである。
最終的に滅びの呪文で小さな飛行石の結晶は膨大な閃光を放ち、呼応した巨大な結晶が猛スピードでラピュタ中枢部を上昇、周囲を崩壊させながら弾け飛んでいった。そのまま巨大な結晶は上層の庭園から延びた巨木の根に絡みつき、巨木や庭園と共に遥か空の彼方に飛び去って行った。
主な呪文
- リテ・ラトバリタ・ウルス・ アリアロス・バル・ネトリール
意味:「我を助けよ、光よ蘇れ」
ラピュタの封印を解く言葉。
飛行石自体も活性化し、ラピュタ城を指し示す「聖なる光」を発して、地上に降りた王家の者を再び城へと導く。
また、ラピュタロボットも動きを再開させる模様。
幼少期にシータは家で飼っていた子羊が見つからなくて祖母に泣きついた際にこの呪文を「困ったときのおまじない」として祖母から教わっていた。
ムスカをはじめとした軍に捕らえられ途方にくれたシータは上記の出来事を思い出して呪文を呟いたことで飛行石を活性化させ、軍の要塞に保管されていたラピュタロボットを復活させた。
意味:「閉じよ」
滅びの言葉。
ラピュタ城中枢に浮かぶ巨大飛行石により、下部の半球体にある石版のメインコンピュータ回路を破壊させ、城全体を崩壊に導く。
上記の「困ったときのおまじない」と違い、「幸福になるには悪い意味の言葉も覚えていなければいけない」という戒めとして祖母から伝えられていた(それを教わったシータはその晩ずっと眠れなかったらしい)。
発動の際には凄まじい衝撃と青白い閃光が発生し、手に持っていたシータとパズーはその衝撃で弾き飛ばされ、光を直視してしまったムスカに至っては失明同然の状態に陥っている。
また、発動した衝撃で2人が手に持っていた飛行石は砕け散ったようだ。
- レヂアチオ・ルント・リッナ
意味:「ものみな鎮まれ」
劇中では登場していない呪文。
準備稿の中にのみ登場したらしい。
劇中でシータが「物探しや病気を治す呪文を教わった」と語っているためこちらは病気を治す呪文と思われる。
- シス・テアル・ロト・リーフェリン
意味:「失せしもの汝、姿を現わせ」
こちらも準備稿の中にのみ登場したらしい。
ラピュタを包む嵐を鎮め、雲を晴らす言葉らしいのでこちらは物探しの呪文と考えられる。
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