ベイブレードX
べいぶれーどえっくす
「もう、遊びじゃない」「ベイブレードはスポーツへ」
概要
初代『爆転シュートベイブレード』から数えて4世代目となる、タカラトミーが展開するベイブレードの新シリーズ。漫画版は2023年6月より月刊コロコロコミックで連載開始。
2024年3月のAnimeJapanの「ファミリーアニメフェスタ」に参加。
アニメについて
2023年10月よりテレビ東京系列で放送開始。かつて『妖怪ウォッチ』シリーズが放送されていた金曜18:25-18:55枠での放送となる。
前作『ベイブレードバースト』のアニメは2019年よりYoutube上での配信へと移行しベイブレードバースト超王だけが地方局である東京MXで放送された程度に留まり、主要放送局での放映は実に5年振りとなる。
これまでのベイブレードシリーズのアニメは漫画の連載開始から最低でも半年以上期間を置いてから放送されていたが、本作はわずか4ヶ月で放送開始となる。その為、玩具では史上初めて初期から使用ブレーダーが明記されることとなった(これまでは所謂世代内でのシステムチェンジに合わせてアニメ展開がなされていたため、漫画で使用していても初期の商品には表記がなかった)。
制作は『ベイブレードバースト』と同じくOLM。『妖怪ウォッチ』シリーズもOLM制作であり、さらに本番組の後に放送されるのが同社の代表作たるアニポケということで、別の意味でもスーパーOLMタイムとなった。
シリーズ初の製作委員会方式となるが、ADKエモーションズが『ベイブレードバーストGT』から引き続いて参加。
ちなみにスポーツ化という面を前面に出しているためか、コロコロといった小学生メインの少年誌が絡むホビー漫画・アニメにはよくある「ホビーアイテムで世界征服を狙う闇の組織やプレイヤー」が今のところ存在してないという珍しい作品でもある。
人物面ではチーム「ファランクス」の石山のようにヒール枠は何人かいるが、基本的には善人が多い。(とはいえ従来作のような外道な手を使ってくるのも少数存在する)
なお、電子番組表ではカテゴリーが「スポーツ」になっていることがあるため、ジャンルごとで番組を検索する際はご注意願いたい。特に「アニメ・特撮」で検索して、発見できないというケースが非常に多く、場合によってジャンル修正が行われるような作品もある中で、未だに本作は修正されていなかったのだが、8月頃にようやく修正された。
(2024年8月2日の放送はパリオリンピックの中継で休止。まさか、別のスポーツ中継の関係で休止になるとは想定外だろう)
ただし、ジャンルこそ「国内アニメ」とは修正されたが、バックの背景色はスポーツになっていた名残で直っていない。
(国内アニメであれば、このあとに放送されるアニポケと同じ背景色になるからだ)
番組検索する際は放送曜日か(テレビ側で検索機能にあれば)放送局で検索するのが確実かもしれない。
主な登場人物
ホビーとしての特徴
- パーツは上部の「ブレード」、中央部の「ラチェット」、接地部の「ビット」の3構成。
- ブレードは『メタルファイト』同様に外周の接触部に金属素材が採用されている他、前世代となる『ベイブレードバースト』の目玉であったバーストギミックも引き続き搭載されているなど、歴代ベイブレードの要素も詰め込まれている。
- ラチェットはベイブレードの高さや攻撃や防御の補助を担うパーツ。ベイブレードXではラチェットに強い攻撃が直接当たることでバーストギミックが発生する。
- ビット(軸先)の接地部からわずか上はギア状になっており、スタジアム外周のギアと噛み合うことでスタミナと引き換えに超加速し、スタジアム中央に向けて撃ち出される「X(エクストリーム)ダッシュ」が目玉ギミックとして搭載されている。
- このXダッシュの存在によって、このシリーズは「無難に勝つならとにかく耐久」という従来シリーズの定石がそこまで通用しない攻撃型環境となっており(もちろん一定の強さはあるが)、綺麗に決まったXダッシュが重量差やタイプ相性差を覆す事も珍しくない。
- 商品名を見ただけでパーツがどのような構成かすぐわかるようになっている。例えば「ドランソード3-60F」はブレードが「ドランソード」、ラチェットが「3-60(3枚刃で高さ60)」、ビットが「F(フラット/平軸先)」という具合。
- 普通の対戦以外にもスマホと連動した遊び方も可能。ランチャーに「ベイバトルパス」を接続することでシュートのパワーと履歴を記録し、これをスマホアプリに読み込ませて貯めたポイントで店舗非売品のベイブレードが景品となった「レアベイゲットバトル」に挑戦できる。
ベイブレード一覧
一般発売品
※ナンバリング順に記載。
- ベーシックライン(BX)
比較的扱いやすいベイブレード。ランチャーを取りつける「ランチャーフック」は金属製。
ベイブレード | モチーフ | ブレーダー | 備考 |
---|---|---|---|
ドランソード3-60F | ドラゴン+剣 | 仮面X/黒須エクス | 漫画・アニメのビジュアルでは仮面Xが使用、商品パッケージのみエクスモデル表記。 |
ヘルズサイズ4-60T | 死神+鎌 | 風見バード | ナンバリングは2番目だが各種PVはバードがメインのため主人公機的扱い。 |
ウィザードアロー4-80B | 魔法使い+弓矢 | 七色マルチ | ナイトシールド・ナイトランスと兼用、「カワイイボク」のマルチが使用。 |
ナイトシールド3-80N | 騎士+盾 | 七色マルチ | ウィザードアロー・ナイトランスと兼用、「カッコイイボク」のマルチが使用。 |
ナイトランス4-80HN | 騎士+槍 | 七色マルチ | 漫画ではナイトランスの新型扱い。 |
シャークエッジ3-60LF | 鮫+短剣 | 冥殿メイコ | |
レオンクロー5-60P | 獅子+鉤爪 | 万獣キング | |
ヴァイパーテイル5-80O | 毒蛇+尻尾 | 億長トグロ | |
ライノホーン3-80S | 犀+角 | チョー・パン | |
ドランダガー4-60R | ドラゴン+短剣 | 黒須エクス | |
ヘルズチェイン5-60HT | 死神+鎖 | 風見バード | |
フェニックスウイング9-60GF | 不死鳥+翼 | 不死原バーン | メタルコートモデル(赤)。重量級ブレードと軸先までギアが伸びたフラット軸で高速×重攻撃を実現したベイブレード。 |
ワイバーンゲイル5-80GB | 飛竜+風 | カドバー | |
ユニコーンスティング5-60GP | ユニコーン+棘 | 難波ゆに | |
スフィンクスカウル9-80GN | スフィンクス+甲殻 | 猫山ゾナモス | |
ティラノビート4-70Q | ティラノサウルス+鼓動 | 珠羅レックス | |
ヴァイスタイガー3-60U | 白虎、ドライガーシリーズ | 七色シグル | |
コバルトドラグーン2-60C | 青龍、ドラグーンシリーズ | 仮面Y/龍宮クロム | X世代初の左回転ベイ。ラチェットとビットは右回転で打つと性能が変化する設計がされている。 |
ブラックシェル4-60D | 玄武、ドラシエルシリーズ | 仮面Z | |
ホエールウェーブ5−80E | 鯨+波 | 冥殿メイコ | |
ベアスクラッチ5-60F | 熊+爪 | ダブルエクストリームスタジアムセット同梱。ハズブロが初出だがカスタマイズが異なり、ブレードとビットのタイプが一致しない。 |
- ユニークライン(UX)
ランチャーを取りつける「ランチャーフック」が樹脂製になっており、その分の金属部品を外側に自由に配分することでいわゆる「一芸特化型」として設計されているベイブレード。
また、「スポーツ」というコンセプトを活かし、「様々なスタイル/戦略を試す」と言う名目で、同一モチーフでもタイプが異なるベイの展開も行われている。
ベイブレード | モチーフ | ブレーダー | 備考 |
---|---|---|---|
ドランバスター1-60A | ドラゴン+大剣 | 黒須エクス | 「一撃の威力」特化型 |
ヘルズハンマー3-70H | 死神+戦鎚 | 風見バード | 「叩き付け」特化型 |
ウィザードロッド5-70DB | 魔法使い+杖 | 七色マルチ | 「遠心力発生」特化型 |
シノビシャドウ1-80MN | 忍者+影 | 万獣クイン | 「いなし」特化型 |
レオンクレスト7-60GN | 獅子+たてがみ | 万獣キング | 「弾き返し」特化型 |
フェニックスラダー9-70G | 不死鳥+尾羽根 | 不死原バーン | メタルコートモデル(赤)、「削り耐久」特化型 |
シルバーウルフ3-80FB | 銀狼、ウルボーグシリーズ | 銀狼 | 「フリー回転」特化型 |
- X-OVERプロジェクト
過去シリーズベイのXリメイク版。
限定品
ベイブレード | モチーフ | ブレーダー | 備考 |
---|---|---|---|
コバルトドレイク4-60F | 青+ドラゴン | 龍宮クロム | BX。メタルコートモデル(青)。レアベイゲットバトルの最上位景品(~2024/11/29)。 |
フェニックスフェザー | 不死鳥+羽根 | BX。ブレードのみ。コロコロコミック2024年1月号付録。 | |
エアロペガサス3-70A | 空気+ペガサス、ペガシスシリーズ | UX。ダブルメタルコート(青×緑)、レアベイゲットバトルの最上位景品(2024/7/30~)。 | |
シノビナイフ4-60LF | 忍者+ナイフ | BX。メタルコートモデル(青)。Nintendo Switch/Steam「BAYBLADE X XONE(ゾーン)」のパッケージ版付属。ハズブロ初出だがカスタマイズが異なり、ブレードとビットのタイプが一致しない。 |
基本ルール
※細かなルールは人数・環境によって適宜変更されるため基本のみを記載。
- ブレーダーはスタジアムの左右で構えを取り、「3,2,1,Go,Shoot」の掛け声と共にランチャーを引き、スタジアムにベイブレードを打ち出す。
- 決まり手によってポイントを獲得し、どちらかが4ポイントを先取するまで対戦を繰り返す。
- 相手より長く回り続ける「スピンフィニッシュ」→1ポイント
- 強い衝撃で相手のベイをバーストさせる「バーストフィニッシュ」→2ポイント
- オーバーゾーンに相手のベイを叩き込む「オーバーフィニッシュ」→2ポイント
- エクストリームゾーンに相手のベイを叩き込む「エクストリームフィニッシュ」→3ポイント
余談
- とりあえずどんなものか触ってみたい人はドランソードのエントリーパッケージがオススメ。ベイ本体と同じ値段で簡易型のランチャーが付いてくる(ランチャーの性能も安かろう悪かろうではなく、それなりには戦えるとのこと)。
- 回す力が強ければ強い程良いというわけではなく(例:大人のフルパワーでシュートするとXダッシュの暴発等で勢い余って自滅の可能性が高くなる)、レギュレーションに従った道具を使っている限りは子供と大人でもなるべく対等な勝負になるような調整がなされている。
- 2024年からはハズブロと提携し世界的な販売展開を行っている。
- 同社は過去のベイブレードシリーズにおいても海外販売を担当した事があるが、安全性とコストに配慮しすぎるあまり、例えばメタルファイトシリーズでも頑なにプラスチックで作るなど「劣化版メーカー」の悪名をほしいままにしていた。しかし今回は日本版とほぼ同じ仕様での販売であり、海外ファンを安堵させている。
- ハズブロ版ベイは国内版の名前を海外向けに変えたものがほとんどだが、ハズブロ版限定ベイや他アニメとのコラボモデルも存在する。大抵は既存モデルのマイナーチェンジ版だが、デザイン変更によって重量バランス、通じて総合性能に変化が生じているものも少なくない。
- ハズブロ版のスタジアムは横幅が少し狭い。また、「バケツ」の異名を持つ安価な簡易型スタジアムの販売もしているが、各部の作りが甘い典型的な安かろう悪かろうな品であり、触り比べたレビュアーの評価は揃って辛辣。
- 公式レギュレーションでは、組み換え以外のカスタマイズはブレードとラチェットの内周部の塗装のみ許可されている。
- 金属パーツを使っている上に激しく暴れ回るような構造になっているため、これまでのベイブレード以上にパーツの消耗が速い。消耗で性能が変化したパーツは公式戦で使用できないため、お財布と店舗在庫に余裕があるなら予備パーツを確保しておきたい。
- ドランザースパイラルやコバルトドレイクなどのブレードが塗装されたメタルコートモデルは数回回しただけでも塗装が剥がれてスタジアムに付着してしまう。さらにメタルコートモデルはほとんどがレアベイであるため、覚悟して回すか観賞用に取っておくかは慎重に判断しよう。
- 実戦投入を躊躇わないブレーダー曰く「塗装のハゲは戦士の証」。後に漫画版でも「使い手が強いシュートを撃ち、メタルコートを削げば削ぐほど使い手は強くなる」と言及されている。
- 通常モデルでも満遍なく劣化する。特に樹脂製でありながら金属パーツとぶつかりあう可能性が高いラチェットは回数を回すと比喩ではなく削れていくほか、金属製のブレード外周も使い込むと角が丸くなっていき、いずれヒビが入り使い物にならなくなってしまう(リアルバースト)とか。
- ドランザースパイラルやコバルトドレイクなどのブレードが塗装されたメタルコートモデルは数回回しただけでも塗装が剥がれてスタジアムに付着してしまう。さらにメタルコートモデルはほとんどがレアベイであるため、覚悟して回すか観賞用に取っておくかは慎重に判断しよう。
- ビット内部の空洞にはネオジム磁石や夜釣り用のライトが無加工で入る(高さ80のラチェットを使う必要はある)。これを利用し光るベイや磁力誘導型のベイを自作し楽しむ者もいる。当然レギュレーション違反なので個人的な利用にとどめよう。