曖昧さ回避
- モンゴル帝国の初代大ハーンの読み方のひとつ。→チンギス・ハーン/チンギス・ハン
- ドイツの音楽グループ。→DschinghisKhan
- 羊の肉を特殊な鉄板(鍋)で焼く日本生まれの焼肉料理。本稿で解説。
- コーエーの歴史ゲーム『蒼き狼と白き牝鹿』の副題。1作目扱いされることも多いが、実際は2作目の副題である。
ジンギスカン(日本料理)
羊肉と野菜を焼いて食べる日本の肉料理。生肉を焼いてタレをつけて味わうスタイルと、あらかじめタレで味付けをした肉を焼くスタイルがある。味付けタイプのうち、多めのタレで煮込むものは「煮込みジンギスカン」として区別されることがある。
呼び名はモンゴル帝国の皇帝にちなんだものだがモンゴル料理ではなく(※1)、「烤羊肉」という中国料理に由来すると考えられている。
調理には中央が盛り上がった専用の鍋(ジンギスカン鍋)を使うが、家庭などではフライパンを使って調理することもある。遠野では「ジンギスカンバケツ」と呼ばれる専用の焼き台を使う。
ちなみにジンギスカン鍋がこの形になったのは、肉から余計な脂分を落とし、臭みを少なくして食べやすくするための工夫なのだと言う。
※1:
なお、モンゴルには「火の神は殺生や生臭(動物の肉など)を嫌うので肉を、直接、火で炙ってはならない」という俗信が有り、羊肉を食べる際は基本的に鍋で水煮にする事が多い。
北海道では花見や運動会、海水浴、 大学のコンパなど何かにつけてジンギスカンを味わう風習があり、ジンパ(ジンギスカンパーティー)と呼ばれている。
1875年、羊毛の生産のため現在の成田市に内務省下総牧羊場が開場され、その後継施設である下総御料牧場がジンギスカン発祥の地とされる。
大正から昭和初期にかけて軍需用の羊毛生産を目指して羊の飼育が奨励され、副産物の羊肉の消費手段として普及が図られたものが一部地域に定着した。
東京などの大都市圏でも散発的に流行した。
かつては使用する羊肉が羊毛の副産物として生産された経緯から年齢の高いマトン(成体の羊の肉)を使うことが多く、また昭和中ごろからは輸入したマトン肉を使用する率も高かった。マトンは肉の匂いやクセが強く、加えて冷凍技術の十分でない時代の輸入肉ともなればかなり好みの分かれる味で、その癖の強さからジンギスカン、ひいては羊肉そのものへの忌避へと繋がった。
しかし昭和後期ともなれば世界各地の料理の移入もあってラム(生後1年未満の仔羊の肉)の使用が広まるようになり、肉質の向上もあってかつてのような癖の強さは緩和されている。
なお札幌市内では現在でもマトン肉を使う店が多いが、これも近隣で生育された国産の羊肉を新鮮な内に消費するためか、かつてのように癖の強いものでは無くなっている。
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