※本項目では具象化した存在の方を紹介する。斬魄刀としての解説はこちら。
巻頭ポエム
錆びつけば 二度と突き立てられず
掴み損なえば 我が身を裂く
そう 誇りとは
刃に似ている(8巻)
私が 世界には危険が満ちていると信じ
その危険からお前を護りたいと願うのは
私の中にその危険と同質の
衝動があるからに ほかならない(61巻)
概要
漫画『BLEACH』の主人公である黒崎一護の斬魄刀「斬月」が具象化した姿で、自身の住居である「一護の精神世界」内に雨が降る(=一護が悲しむ)ことを嫌う。
死神代行篇のラストで(「ルキアから授かった)死神の力」を失った後、一護が浦原喜助との修行によって「(一護自身の)死神の力」を目覚めさせた際に出会い、上記の理由から一護が壁にぶつかる度に試練を課して成長を導く存在となった。
「斬月のオッサン」というのはあくまで一護からの愛称であり、本人は斬魄刀名と同じ「斬月」としか名乗っていない。
容姿
始解時と卍解時で姿が異なる。
- 始解時
一護の前に現れる時の通常の姿。
渋い男性の姿をしており、黒い外套とオレンジ色のゴーグルが特徴。
- 卍解時
「最後の月牙天衝」の習得を目指す時に一護の精神世界に現れた姿。
若い姿に変化しており、ゴーグルが外れている。
アニブリにおいて
オリジナルエピソードである「斬魄刀異聞篇」でも、他のキャラクターの''斬魄刀の具現化''がオリジナルデザインで登場していた中、斬月の具現化だけはこの「斬月のオッサン」の姿で登場していた。
しかも、他の斬魄刀達の多くが持ち主に対する不満や憎悪から敵対していた中、斬月のオッサンだけは「今の一護の成長度合いを実際に戦って確かめたい」という動機であり、具現化後に一護と戦って彼の実力を確認した後は、すぐに一護のもとに戻ったというイレギュラーになっている。
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ネタバレ注意
※以下、最終章『千年血戦篇』のネタバレを取り扱っているため、原作未読もしくはアニメ未視聴の場合は閲覧注意。
敵ではない
味方でもない
だが言葉にも心にも嘘はない
お前に名乗った名以外は
『千年血戦篇』で一護が''見えざる帝国''との戦いで壊れた斬月を二枚屋王悦に打ち直してもらう際、衝撃の事実が判明する。
なんと、斬月のオッサンの正体は、斬月自体の具象化などではなく''千年前のユーハバッハと同じ姿をした滅却師の力''である。
元々一護の母は滅却師の家系である黒崎家の末裔であり、高校生の時に藍染惣右介の一味が生み出した人造虚の試作品である「ホワイト」に襲われて手傷を負ったことで、彼女は滅却師としての己の魂の中に虚の魂が混ざってしまい、その後生まれた息子の一護もその虚の力を受け継いでしまう。
その結果、父親の黒崎一心から受け継いで生来持っていた''死神の力''とその''虚の力''が溶け合ったものこそが''一護自身の本来の死神の力''…すなわち「本当の斬月」である。
(つまりは、滅却師としての力である斬月のオッサンの方ではなく、虚の力を持つ白一護こそが、本物の斬月だったというのが真相である。)
一方、滅却師の力である斬月のオッサンは逆にその死神の力を押さえ込み、自分自身(滅却師の力)が一護の力の中心に居座ることで彼の完全な成長を妨げていた。
上記のことを斬月のオッサンから聞いた後、一護は「何故自身の死神の力を抑え込んでいたか」という疑問を当然投げかけるが、そのことに斬月のオッサンは「お前を危険から、戦いから遠ざけたいと願うことのどこに疑問がある?」と語っている。
また、「死神となれば一護は否応無しに戦いに巻き込まれて傷つく」ことを心配していたことと、「私自身の手でお前を殺さねばならなくなる」と思っていたことも一緒に述べている。
しかし、一護が''斬月のオッサンが妨げていた力から漏れ出ていた死神の力''を鍛え上げて成長していく様を見ていくうちに斬月のオッサンの中の決意は揺らぎ、そしていつしか「一護を死神から遠ざける」よりも「一護の意志を助けたい」という方向に傾き出す。
その結果、斬月のオッサンは自身が身を引くことを選び、一護に「お前が成長していく姿を見守ることができた。これ以上の幸せがあるものか…満足した。」と伝え、彼に「真の斬月」を託して姿を消した。
今までの経緯から、一護は、「白一護」のことも身を引いて姿を消した「斬月のオッサン」のことも、どちらも「斬月」であると考えている。
因みに、真の斬月の始解の形状はユーハバッハの刀とよく似ていたりする。