メロピデ要塞のメリュジーヌ看護師長。海底監獄の罪人たちを平等に思いやっている。
概要
名前 | シグウィン(英:Sigewinne/中:希格雯) |
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レアリティ | ☆5(限定) |
所属 | フォンテーヌ/メロピデ要塞 |
種族 | メリュジーヌ |
使用武器 | 弓 |
神の目(元素/アルケー属性) | 水/ウーシア |
誕生日 | 3月30日 |
命ノ星座 | ネレイス座 |
オリジナル料理 | 栄養たっぷりバランス食(バブルスフレ) |
CV | 木野日菜 |
「両親には他にもメリュジーヌの友人がいますが、中でもシグウィン さんは特別です。昔うちに来た時は、歩き方を覚えたばかりの私と 手をつないで、ずっと支えてくれていたと聞きました。あれから何年も経って... 私はすっかり大人になりましたが、彼女は以前と少しも変わらず、丁寧で優しいままです」
——エミリエ
人物
フォンテーヌにおいて罪人が流れ着く先、「水の下」ことメロピデ要塞で看護師長を務める少女。
メロピデ要塞を守るべく日々奔走しており、医務室で彼女の腕前と優しさにお世話になった囚人は数知れない。
メリュジーヌの仲間である事がとあるNPCによって明言されており、ヌヴィレットとも面識がある。過去のある出来事が切っ掛けでメロピデ要塞に根付いた模様。
それを証明するかのように一族特有の触角と翼も持っているが、姿は二足歩行のケモノと言ってよい他のメリュジーヌと比べ、だいぶ人間に近い。
ぱっと見はか弱い少女だが、そこは一般社会から弾き出された者たちが集う場所で「長」と付く肩書きを名乗る者だけあり、外見に見合わぬ強さも持ち合わせている。
能力と戦術
Ver4.7後半の期間限定祈願(ピックアップガチャ)「ロマリタイムハート」から実装。
ラブリーデザインの多機能銃「バブルガン」による継続支援を得意とした、ヒーラー主体のマルチロールサポーター。
元素スキル主体サブアタッカーの支援特化型という非常に尖った能力構成であり、真価を発揮できる状況もメンバーもかなり限定される(詳しくは装備・編成についてで後述)が、逆にそれらが綺麗に刺さった際のサポート効果は強力無比。
天賦
- 通常攻撃「ターゲットセラピー」
最大3段。実際に弓を使うのは最初の1射だけで、以降は巨大な薬剤カプセルをぶん投げる。
狙い撃ち(重撃)は普通の水元素射撃だが、チャージ状態のまま構えておくと、定期的に小さな「思いやりバブル」が眼前の敵へ飛んでゆき、少量の水元素ダメージを与えていく。
到底戦闘には使えない威力だが、思いやりバブルを床に当てると一定時間泡が立ち上るエフェクトが発生し、光景をファンシーに彩る。
- 元素スキル「ぴょんぴょんハイドロセラピー」
「あわあわ~」
バブルガンから、血液循環を刺激し患者を安心させ眠らせる「ヒーリングバブル」を放つ。
近くの敵一体を追尾するバブルは、命中の度に水元素ダメージを与えつつ味方全体のHPを回復し、ゆっくりと放物線をかいて近くの別の敵へバウンドしてゆく。
そうして跳ねるたびに小さくなり、最後に弾けた時シグウィン自身のHPを回復する。
バブルは発射前の長押しチャージで膨らませる程大きくなり、命中時のサイズが大きいほど威力と回復量もアップする。更にある程度大きなサイズが当たった軽い敵はバブルに閉じ込めて拘束できる他、別個のクールタイムごとにウーシアアルケーも帯びる。
またスキル発動時、ヌヴィレットや水旅人と同じ「源水の雫」を2個生成する。シグウィン自身も源水の雫を回収でき、彼女の場合は量に応じた「命の契約」が付与されるが、HP回復でそれをクリアすると比例した量の元素エネルギーを微回復する。
加えて天賦「丁寧な診療」解放後、チーム全員が保有している命の契約の総量に応じて、自身の回復量を更にアップさせる。
バブルが落ちてくる間隔はかなり長い為、回復・元素付着共に即効性は無いのがネックだが、その分個々の回復量はとんでもなく、下記固有天賦+パーティ編成でそのラグを埋める事も可能。
- 元素爆発「過飽和まごころお注射」
「診断結果は…今すぐお注射ね!」
取り出した巨大な注射器から衝撃波を放ち、前方に連続で水元素範囲ダメージを与える。
意外な攻撃型の元素爆発で、放出中はある程度移動出来るので、逃げる敵も狙いやすい。また発動と共に、周囲の源水の雫を自身へと吸収する。
必要エネルギーが70とやや重いものの、元素スキルで10回復できるため実質60と平均的になる。
倍率は高いがヌヴィレット程ではなく、中断耐性こそあるものの完全ではないため、攻撃用ではなく離脱用として使った方が良い。
- 天賦「休息は適度に取るのよ」
自身の元素スキルを発動すると「半強制的静養効果」を発動。「静養カウント」を10個獲得し、それを消費して"控えキャラ"による"元素スキルのダメージ"をアップさせる。
シグウィン自身の最大HPが30000から1000上回る度に+80され、+2800(HP65000)が上限。
特にフリーナやフィッシュルなど置物型のサブアタッカーとは相性抜群で、これらと合わせた二重三重の後方支援体制を作り上げるのが最適解となる。
- 天賦「緊急時の投与量」
水中フィールドで味方のHPが一定量減らされると、一定時間全元素耐性と物理耐性が下がる代わりに継続回復が発動する。
水中戦に適した戦力や装備を揃えていない旅人には有り難く、時に苦戦しやすい水中のユニークボス相手には心強い味方となってくれるだろう。
命ノ星座
第一重「誰よりも楽しい精霊なら不安を解明できるのかしら」 |
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元素スキルのヒーリングバブルのバウンド数+3回(増加した3回分はバブルが縮まない)。さらに「静養カウント」による上昇量が+80→+100に、上限値が+2800→+3500に強化される。 |
第二重「誰よりも優しい精霊なら恨みを消し去れるのかしら」 |
元素スキルおよび元素爆発の発動時に自身のHP上限の30%分のシールドを展開する(持続時間はそれぞれの発動時間と同じ)。また、元素スキルおよび元素爆発が命中してから8秒間、当たった敵の水元素耐性-35%。 |
第三重「誰よりも健やかな精霊なら熱病を治せるのかしら」 |
元素スキルの天賦Lv+3(最大15) |
第四重「誰よりも美しい精霊なら衰えを避けられるのかしら」 |
元素爆発の持続時間+3秒。 |
第五重「誰よりも幸せな精霊なら苦痛を取り除けるのかしら」 |
元素爆発の天賦Lv+3(最大15) |
第六重「誰よりも輝く精霊なら私に祈ってくれるのかしら」 |
自身が治療を行ってから15秒間、元素爆発の会心率と会心ダメージにHP上限に応じたボーナスが付与される(HP上限1000につき会心率+0.4%、会心ダメージ+2.2%。HP上限50000まで参照される) |
サポーターとして見る場合は1凸及び2凸が非常に強力となり、4凸以降は元素爆発アタッカーとしての側面を大きく強化する。
1凸は簡潔に記すと、元素スキルによる回復回数の増加及び回復しない区間の大幅な減少、及びスキルバフの回数が10回→18回となりバフ回数が大きく増加する。ヒーラーとしてもバッファーとしても強烈な強化を齎す。
2凸のシールド効果はあくまで自身しか付与されないおまけであり、水耐性デバフが目玉。1凸効果込みでほぼ延々と敵にバブルが当たっているため半永続的かつ非常に高い効果量の水耐性デバフを与える。これにより自身の爆発火力、水アタッカー/水サブアタッカーの火力上昇が可能。
4凸は元素爆発の継続時間が延長となるシンプル且つ強力な効果、完凸効果は元素爆発中はHPを参照して会心率/ダメージを最大20%/110%引き上げる。モチーフ武器と合わせれば会心率をこれだけで48%(精錬1)〜76%(精錬5)まで引き上げられるため、これにより元素爆発をメインにした運用が可能となる。
装備・編成について
元素爆発を使わない編成が多い他、使う編成ではシグウィン自身にチャージを盛らずとも十分外部の供給で回せるので、爆発を主戦力にしない限りは元素チャージ効率はほとんど不要。
基本的にHPを中心に上げていけばよいだろう。会心率はついでに盛れればよいなと言ったところ。
- 武器
おすすめ武器はモチーフ★5「白雨心弦」。最大強化すればHPが66.2%も上昇するだけでなく、条件を満たせば更にHP上限が一時的にアップする。他には同じくHPを上昇させる「若水」か。
この2つを使う場合は元素爆発の性能にも期待できるようになるため、PT次第ではあるがある程度会心系も盛っておくと良いかもしれない。
パーティ全体の元素熟知をアップさせる「終焉を嘆く詩」もなかなか有用。特にフリーナを主軸とした蒸発パーティではその性能を存分に発揮できるだろう。
★4は元素スキルを2回撃てるようになる「祭礼の弓」か味方全員に元素粒子を配れる「西風猟弓」。設置系スキルを持つ味方が二人以上いる場合は祭礼を使ったほうが良いだろう。
★3の「リカーブボウ」はHP上限を上げてくれるため、下手な★4より効果的。特に1凸している場合に有用。
- 聖遺物
おすすめ聖遺物はサポートと火力を両立するなら「千岩牢固」と「花海甘露の光」のHP上昇2セットずつ。4セットはパッとした物が無く、「千岩」、「在りし日の記憶」、「海染硨磲」、火力に特化したい型なら「絶縁の旗印」。
メインステータスは冠・杯・時計全てHP%にするくらいで良い。サブステータスはHP%(羽根・花のみ)、元素チャージ効率、会心系あたりを狙いたい。
元素爆発を戦力の足しにしたいなら会心率冠にしつつ、水元素がシグウィンのみなら元素チャージ効率を150%前後は確保しておきたい。
- 編成
効果範囲が狭いぶん「設置型の持続攻撃スキル」を持つキャラとの相性は抜群。特にフリーナとはデザイナーズコンボとも言える相性を誇り、水共鳴・チャージ軽減・自傷ケア・スキルバフの4点からフリーナの火力サポートに回ることが可能。
編成の幅は狭いものの、逆に言えばフリーナさえ強化できればよいと考える事もできる。
シグウィンとフリーナの組み合わせを存分に活かすなら水蒸発パーティーがマスト。
この編成は手数が炎元素最高クラスに多いクレーをメインとし、潤沢な炎下地の下でフリーナに蒸発を起こしてもらう編成。
シグウィンのスキルは珊瑚宮心海の元素スキルのように水元素の下地を作ることが苦手な仕様(凍結や開花に向かない)になっており、これは一見デメリットに見えるが、フリーナの蒸発を阻害しない点に着目するとむしろメリットになる。
この水蒸発編成で耐久サポートとして利用されていたベネットと比較すると、ベネットはクレー側の火力上昇に寄与するが、フリーナの火力へは一切関与しない、単体回復、自身への炎付着があらぬ事故を招く危険を孕んでいる点が明確なデメリットとして存在していた。シグウィンの場合、クレーの火力上昇にはスキル以外で関わらないが、フリーナの火力サポート、及び全体回復によるパーティーの耐久性能の上昇が可能になり、編成火力はベネット編成時を上回りつつ耐久性能がより高いパーティーに仕上がっている。
この編成においてはシグウィンを爆発サブアタッカーとして運用することも(HPと会心を十分に確保出来ていれば)視野に入る。炎下地が整っていると蒸発を乗せながら高い殲滅力を発揮するのと、クレーのチャージサポート性能と水共鳴でシグウィンとフリーナの爆発回転力も非常に高くなるためである。
おまけにシグウィンとフリーナの火力はHP上限を参照するため、クレーの2凸効果の恩恵がフリーナ共々高い。
ただし立ち回りが煩雑になるため、シグウィンの爆発は押しの一手や緊急回避用として切る程度で良い。
編成の4枠目は専らクレーとの相性の高さも考慮し楓原万葉が筆頭になるが、蒸発に大きく関わる熟知バフを撒けるスクロースや、集敵不要な対単体ボスには香菱が候補となる。
ただし、香菱のスキルはシグウィンのバフを消費してしまうため運用には注意が必要。
シグウィンが2凸できていれば自ら水耐性でバフを撒けるようになるので、風キャラすら必要なくなりより自由度の高いパーティが組めるだろう。
次点に、岩設置サブアタッカーを利用した岩2&水2パーティーも候補。
こちらはフリーナと共に岩の設置サブアタッカーである千織またはアルベドを採用し、シグウィンのスキルバフを乗せて高い追撃をしながらナヴィアで攻めるパーティー。
水2編成のため結晶生成が容易でナヴィアの下準備もしやすく、ナヴィアは結晶を集めてスキルを叩き込む、岩サブアタッカーはスキルを置く、フリーナは爆発とスキルを撃ち続ける、シグウィンはスキルを撃つ、と立ち回りも非常に分かりやすく扱い易いパーティーとなっている。
デメリットとしては千織を採用する場合は岩創造物がナヴィアでは作れないため、フルスペック発揮に千織の1凸を要求される。無凸の場合は大型敵に壊されやすいデメリットを抱えるものの置き直しがし易いアルベドの方が良い。
少し立ち回りが難しくなるが、荒瀧一斗をメインにするなら設置物を自前で用意できるので無凸からでも千織と組める。一斗の爆発中は交代に縛られるため、自傷管理と被弾に気をつける必要があるが、シグウィンの高い回復力で補えるため問題は無い。
加えてスキルサブアタッカーが2人いるため、シグウィンのバフ消費がその分早まること。この点はシグウィンを1凸すれば気にならなくなるが、無凸の場合はフリーナのバフが最大になる前にシグウィンのバフを切らす可能性があるので発動順に注意(無凸でも祭礼の弓でバフを継続させることは可能)。
難易度の高い編成ではあるが、八重神子とナヒーダを加えた激化編成も選択肢に入る。表に出るドライバー役は元素反応を邪魔せず、バフ回数を無為に消費しないキャラが望ましい。
スキルバフの消費回数が多くなるのでシグウィンは祭礼の弓を持たせるか、1凸が望ましい。
火力も八重神子とナヒーダに大きく依存するのでなるべく凸を進めておきたい。シグウィンの加算式バフはデバフとの親和性が高いので、中でも八重神子の完凸とは非常に相性が良い。
最近ではムアラニを主軸としたモノハイドロ編成で使われることも多い。
ダメージバフが不足気味なムアラニをフリーナでサポートし、自身はフリーナの火力増強と耐久枠を兼ねて戦うという形。
役割がパーティにばちっと噛み合っており、他キャラで代用する場合はどうしてもボトルネックになる部分が出てくるため、ムアラニ主軸のモノハイドロでは最適キャラの一人といっても差し支えない。
残り1枠は万葉かカチーナで好みの方をえらべば良いだろう。シグウィンが2凸している場合はデバフ役も兼任できるため、カチーナが安牌となる。
しかし、ここまで読んで気が付いた方もいるかも知れないが、シグウィンの能力構成は数値上は弱くは無いが使い所を見出しにくい。
ヒーラー・サポーターとして立ち回るにはそれに特化したキャラには強さ・汎用性ともに一歩及ばず、元素爆発は純攻撃型であるためスキルの運用上の弱点の補完はしてくれない、サポーターとしては死に天賦となる。
しかもこれらは天賦の性質に由来するものであるため、今後環境によって補正がかけられたとしても一線級になる可能性は高くない。これらから導き出されるのはディシアの悪夢の再来である。
「ついたあだ名はフォンテーヌ版でひゃ。」あんまりといえばあんまりだが、事実なのもまた悲しい。
一応、幻想シアターや探索中の戦闘など、彼女の性質が生きてくる場所もなくはないが、それらを含めた大抵のシチュエーションにおいて「もっと向いてる奴は居る」となってしまうのは不憫な話である。
シグウィンの実装を楽しみにしていた旅人ほど、この性能にがっかりすることになってしまった。
余談
- 優れた医者であると同時に美容とスキンケアの達人でもあり、その筋では信頼できるレビュアー・インフルエンサーとしても有名。フォンテーヌ廷に来た時は講習会も開いている。
- その感覚は他のメリュジーヌよりも種族特有のセンスが強く、彼女の作る料理は栄養・健康の観点では文句なしの出来だが、視覚的にも味覚的にも人類が受け入れられるものとは到底言い難い。
- フォンテーヌ紹介PVでリオセスリに出そうとしていた鮮やかな青色のドリンクも、実はミルクセーキであるらしい。とはいえ人間が飲めばどのような惨状になるかは容易に想像がつき、実際リオセスリも慣れた様子でスルーしている(本人曰く「不毛の味がする」とのこと)。
- バブルスフレを元にした彼女のオリジナル料理「栄養たっぷりバランス食」にもこのミルクセーキは付いてくる。これに不気味な色彩の肉と(外見だけは)美味しそうなスフレケーキが付いたプレートになっているのだが、アイテム説明に味についての言及は一切ない。否、必要ない、というべきなのだろうか。
- 上述した通り、誕生以来未だに老化する気配のない長命のメリュジーヌ族であり、彼女自身も実年齢及び矯正医官としての任期は数百年と、リオセスリ含むほぼ全ての要塞関係者の大先輩にあたる。
- それ故、公爵の発言の節々からは彼女への敬意がうかがえ、ある種要塞内の聖域・不可侵領域として、腐敗していた旧体制時代でさえ彼女を虐げる事は許されなかったという。
- そんな本人も類を見ない経緯や長年の苦労を経ただけに、メリュジーヌ特有の非力さや単純さとは無縁で、玩具にしか見えないバブルガンには麻酔針を撃ちだす機能も仕込んでいる。
- 解説動画のナレーションは普通ダインスレイヴかアリスが担当するが、彼女の解説動画はなんとヌヴィレットが担当している。養子とはいえ「龍の愛娘」の称号は伊達ではない。
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- ヒトの似姿をしたナニカ
他のメリュジーヌより人に近い姿を持つ彼女だが、内面は下手すれば他のメリュジーヌ以上に人とは程遠く、優れた五感だけでなく思考回路の根本がそもそも人類と違うような描写が散見される。
彼女がメロピデ要塞のために動いており、そこに愛や善意や責任感があることも間違いないのだが、自分の見た目や立ち位置が周囲からどう見えるかや、それが武器になることも熟知した上で好んで猫を被っている老獪な腹黒さの持ち主。
囚人に対する愛も、さながら人類が犬猫に対してそうするような、上位存在の目線のそれであるような描写がストーリー内でも垣間見える。
外見に見合わぬ「強かさ」と、共生は出来ても相互理解はまず不可能と思わせるような「内面的な人外感」という空恐ろしいギャップに落とされた旅人は少なくないようで、ストーリー登場後はSNS上でも「シグウィンさん」「シグウィンちゃん様」などと言われている。
- 伝説任務・ネレイスの章「嘘のぬくもり」
とある化粧水の新作発売会と同時期に起きた、囚人の容姿が入れ替わるという珍事件。
調査を買って出たシグウィンは、その理由である己の過去を、同行した旅人とパイモンに語ってゆく。
まだメリュジーヌに対する差別が酷かった数百年前。「医療」に興味を持っていたシグウィンだが、当時は姿も能力も他のメリュジーヌと何ら変わらない存在で、彼女に医術を教えた医者の老婆・通称「魔女婆さん」こと「先生」と、ある女の子だけが対等に接してくれた。
その女の子が病に伏せた時、医者不足だった状況で彼女を治すために家を訪れるが、少女の両親に追い返されてしまう。
どうしても彼女を助けたかったシグウィンは「魔女婆さん」に相談したところ、「姿を変えられる薬」を貰う。彼女はそれを使って今の人間の姿になり、少女を診察し治すことができた。
しかし、その薬は原始胎海の水でフォンテーヌ人を溶解させた物を原料とする禁断の薬であり、余命僅かだった「先生」は自分の命と引き換えに薬を作成していたのだ。
そして、その姿を変える行いは先代水神が戒めとして定めたフォンテーヌの法「他種族を人類に転化させてはならない」を犯す行為であり、全てを知り覚悟もしていたシグウィンはすぐに自首。ヌヴィレットに「メリュジーヌ初の罪人」として裁かれ、メロピデ要塞に服役する事となった。
ヌヴィレットの温情で医療器具が入った鞄は取り上げられなかった為、己の正体をフードで隠しながら要塞内でも医療行為を施し続けた結果、いつしか「看護師長」としての地位を確立し、刑期を終えた後もメロピデ要塞に留まることを選んだ。
そして、シグウィンが人間の姿になってから約50年後、外の世界から彼女に会いたいと人間の老婦人が便りをよこす。招きに応じたシグウィンに、老婦人は「あの時助けてくれたことを覚えている」と穏やかに声をかけた。
老婦人は、50年前シグウィンが全てと引き換えに助けた人間の友達だった。すっかり姿が変わってしまったシグウィンだったが、友達は彼女の手を取り、「この手のぬくもりは変わっていない」と答える。そしてあの時、彼女が姿を消してしまったことで伝えられなかった感謝の言葉をようやく伝えられたのだった。
「ありがとう メリュジーヌ先生」
関連タグ
人魚姫…シグウィンの経歴と親和性が高い童話。ただしシグウィンの場合は最終的にハッピーエンドを迎えているためリトルマーメイドの方が近いか。