概要
D-16とは、かの有名なディセプティコン(デストロン)の破壊大帝メガトロンに一部の作品でかつて付けられていた名前である。
この「D-16」というのは名前というよりもコードネーム(識別番号)。
そのコードネームは『IDWコミック』などの一部作品にて奴隷階級のTFに付けられるものとして用いられている。
元ネタは初代メガトロンの日本版玩具に付けられていた商品番号である「16」からで玩具に小ネタとして描かれたこともある
ちなみに、日本版玩具に軍団ごとのイニシャルであるサイバトロンの「C」とデストロンの「D」が付くのはメガトロンの初版の販売から暫く経ってからで実は初代メガトロン自体が「D-16」のナンバーで発売されたことはないのだが
『ビーストウォーズ』シリーズのメガリゲーターとガルバトロンの商品番号が「D-6」と「D-16」だったりと、意外と他の破壊大帝との関わりも深い番号だったりする。
初出
公式から(矛盾は多かれど)同じ世界観と説明されているゲーム『War for Cybertron』シリーズやアニメ『プライム』(及び、その続編のトランスフォーマーアドベンチャー)と同一世界の物語として海外発売された小説『Transformers Exodus』にて「D-16」の名称が初登場を果たした。
クインテッサン星人がサイバトロン星を支配していた時代に名前も人格も持たない鉱山労働者として産まれ、配属されたエリアを元に「D-16」と名付けられたのだが、同じ境遇の仲間と過ごす内に固有名詞の重要性に気付き、D-16は奴隷ではない新たな生活を渇望するようになる。
その後、当時のTF達のリーダーであったゼータプライムの呼び掛けに応じ、クインテッサン星人を追い出すための戦いに参加。戦いにTF達は勝利し、新たな時代が到来したのだが、元々あったカースト制度は無くならなかったため、D-16はいつしか労働から逃れるために剣闘士の試合に参加し始める。
D-16はその試合で勝利を重ねる中で命の重さを理解し始め、他の鉱山労働者と共にカーストについて議論を重ねるように。更に剣闘士としての頭角も現し始め、彼を支援する観戦者も多く表れるようになった。
その内にD-16は神話に登場していた人物から名前を取って自らをメガトロナス(Megatronus)と名乗り、観戦者も彼の新しい名を略してメガトロン(Megatron)と呼ぶように。
力と知名度を得たメガトロンはカースト制度及びサイバトロン星の腐敗しきった政治界を変えるべく「ディセプティコン」を立ち上げる。
そして考えが一致したオライオンパックスとは議論が白熱、良き友人となった。
しかしメガトロンの意見には「暴力」を伴うものが多くなりがちであり……
ちなみにアニメには一切「D-16」の名称は登場しなかったがメガトロナスの方はメガトロン退場後の物語である『アドベンチャー』にて、そちらの名前の元になった張本人が復活した際に登場人物がそのことに触れる場面がある。
トランスフォーマーONE
CV:ブライアン・タイリー・ヘンリー/吹:木村昴
2024年公開のフルCGアニメ映画『トランスフォーマーONE』では、「D-16」の名はコードネームではなく紛れもない本名で生まれつきトランスフォーム能力を持たない労働ロボット(=奴隷)として地下で働かされている。
また、本作ではこれまで初期の実写シリーズで裏設定くらいにフワッと触れられる事があったオライオンパックスと元々親友同士だった設定が初めて採用されており新たな過去像が描かれる事になる(世界観はこれまでのどの作品にも繋がらない本作独自のものである)。全体的なデザインは初期パイロット版のG1メガトロンに近い外見をしている。
サイバトロン星の地下都市アイアコンシティでエネルゴン採掘に従事する労働者で、同じ労働者のオライオン・パックスとは悪友の間柄。
問題行動ばかり起こすオライオンとは対象的に、慎重で規律を重んじる生真面目な性格で、後先を考えない破天荒な性格のオライオンには何かと振り回されている。またかなりのヒーローマニアでもあり、プライム関連のコレクションを集めることが趣味。
サイバトロンではクインテッサとの戦いによって地上が荒廃した上、リーダーのマトリクスが失われた事でエネルゴンの循環が止まり、変形能力を持たない労働者階級が市民階級のためエネルゴン採掘に従事するという格差社会が生じており、D-16自身も不満を抱きつつそれに甘んじる日々を送っていた。
しかしオライオンの起こしたある騒動をきっかけに訪れた最下層の廃棄物処理施設で、マトリクスの在りかを示すビーコンを発見し地上世界への冒険に出る事になる。
以下、トランスフォーマーONEのネタバレ注意
「もうお前を守らない」
ビーコンの示した座標に辿り着き、サイバトロン衰退の真相を知った後、オライオンと共にトランスフォーム能力を得て圧政打倒のために立ち上がるものの、自分を含む労働者たちからコグを奪った黒幕(※リンク先ネタバレ注意)への復讐心を募らせ、仲間たちの解放を第一に考えるオライオンとの関係に少しずつ溝が生じていく事になる。
「我が…名は…メガトロン!!」
最終的には黒幕を大衆の面前で殺害し、新たにメガトロンと名乗り体制の打倒を宣言するが、プライマスからマトリクスを授けられ新たなプライムとなったオライオン改めオプティマスプライムとの一騎討ちに敗れ、かつての友と完全に決別。アイアコンからの追放を言い渡され、スタースクリーム達親衛隊を初めとした自分を支持する者たちを引き連れて地上へと去った。
「ディセプティコン!今こそ立て!」
エンドロールの後、ディセプティコンの設立の宣言するシーンで映画は幕を閉じる。
余談
トランスフォーマーONEで日本語吹き替えを担当した木村昴は大河ドラマ『どうする家康』で渡辺守綱を演じていたが、それ以前に製作された大河ドラマ『徳川家康』で守綱を演じたのは初代メガトロン役の加藤精三である。