太陽系で海王星の外側を回る準惑星。太陽からの平均距離59億1510万キロ、すなわち39.5402天文単位、公転周期247.796年。
1930年、米国ローウェル天文台のC=W=トンボーが発見し、長らく「第9惑星」とされていたが、2006年国際天文学連合により新たに準惑星に分類された。
軌道は離心率が大きく、海王星の内側になることもあり、公転面も大きく傾いている。最大光度13.6等。赤道半径は2390キロ、質量は地球の0.0022倍。カロン、ニクス、ヒドラの3衛星をもつ。
が、2011年、2012年の二年の間でそれぞれ新たに衛星が1つずつ発見され、2013年7月3日付けで2011年に発見された衛星にケルベロス、2012年に発見された衛星のステュクスの名を付けられる事と成った。
当初は地球より大きい星であるとも予想されたが、月よりも小さいらしい事がわかって来た(径:約69%、質量:約0.177倍)。更に、冥王星より大きいと見られるエリスが発見された。
衛星カロン(冥王星の約半分の径を持つ)との二重準惑星的な関係が注目される
発見国での呼び名はプルート(Pluto)といい、ローマ神話の冥界神(ギリシャ神話では冥王ハデスに対応)から名づけられた。この名を発案したのはヴェネチア・バーニー・フェアという英国の少女である。研究者たちの賛同を得て、命名権者のローウェル天文台所長ヴェスト・スライファーによって採用された。その和訳に「冥王星」を提案したのは天文研究家の野尻抱影である。
準惑星に"降格"されたことに対する反応
冥王星が第9惑星から「準惑星」に分類された事実は、「準惑星に分類された=惑星から降格された」という強い負のイメージとして(アメリカを中心に?)伝わっている。これは事実である。特に冥王星を題材にしたストーリーやキャラクターに対して愛着を持つ人たちにとっても、今回の準惑星への分類は「暴挙」と見ており、あえて「冥王星は惑星だ」と主張している人もいる。
詳しくはウィキペディアで「冥王星」の記事を調べれば出てくるだろう。
過去において、同じく惑星から"降格"された天体として、小惑星帯の幾つかの天体が存在する。この内ケレス(セレス)は冥王星降格とともに昇格された。また古くにおいては、太陽と月も惑星の一種と捉え、五惑星と合わせて七曜とする考えも有った。更に、惑星"に"降格した例としては地球が存在する。