カリスマ
かりすま
超自然的、超人間的な力をもつ資質。預言者・呪術者・軍事的英雄などにみられる、天与の非日常的な力(『大辞泉』)。
概要
最も純粋なカリスマ的指導者は予言者、軍事的英雄、偉大なデマゴーグであると社会学者マックス・ウェーバーは述べている。
(デマゴーグとは、古代ギリシャの民主政治における声望および弁舌によって政治を左右する者に由来する。現代では虚偽の情報、すなわちデマゴギー(略してデマ)によって大衆を動因する扇動政治家を言うことが多い。)
カリスマ(charisma)の語源はギリシャ語のkharismaで、「非凡な精神力」や「奇跡を行い予言をする神賦の能力」を意味する。これをウェーバーが科学的概念として普遍化した。
(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目電子辞書版』)
カリスマ的指導者の犯した失敗はカリスマ信仰に対する裏切りであり、しばしば追随集団の急速な解体をもたらす。(『百科事典マイペディア 電子辞書版』)
支配の類型の一つ「カリスマ的支配」
ウェーバーが支配を三つに類型化した内の一つを、カリスマ的支配と言う。カリスマ的支配の例:教祖と信者、政治的・軍事的英雄とその追随者など。(『百科事典マイペディア 電子辞書版』)
カリスマ的支配における情動的帰依とは、支配者である人と、この人の持つ天与の資質(呪術的能力・啓示や英雄性・精神や弁舌の力)とに対する情動的帰依である。
(帰依は「すぐれた者(特に人格者)に対して、全身全霊をもって依存すること」の意。)
ウェーバーは『経済と社会』(1921-1922)において、支配は「権利根拠」によって支えられるとした。すなわち、支配は「支配者」と「被支配者」とにおいて、「支配の正統性の根拠」(=権利根拠)によって内面的に支えられるとした。
カリスマ的支配における権利根拠は、ここでいう情動的帰依とされている。
(『ブリタニカ国際大百科事典 小項目電子辞書版』)