概要
小学館のビッグコミックスピリッツ2012年36・37合併号より連載開始した高尾じんぐの漫画作品で、ポルトガル人女性「マルタ」の貧乏ながらも食べて寝て時々仕事してなのんびり生活を東京で漫喫する姿を描いている。ちなみに、ゲストキャラとして男性が登場する事はあるが、レギュラーキャラはマルタを含めて全員女性。
情報番組でグルメ漫画と紹介された通り、お金をかけない安上がりながらも一手間かけておいしい料理を作っては、本当に幸せそうに美味しそうに食べるマルタの姿が描かれているが、エピソードによっては料理ネタは一切なく、東京生活におけるちょっとした事や季節の風物詩、マルタの趣味でもある児童文学・日本文学関連のネタも盛り込まれている。本を読んだマルタが実在のお店に行く事もある。
特に、料理ができあがった後の嬉しそうなマルタの表情や食べた際の幸福感あふれるマルタの表情が、食材費のかかっていない料理も手間暇をちょっとかけてつくれば本当に美味しいものになると思える程に素敵に描かれている。
児童文学・日本文学系のネタも、なぜポルトガル人のマルタがそこまで知っているのかレベルに深く、日本文学者関係の料理ネタも登場する。
登場人物
本作の主人公で、日本の大学院に留学の為来日した後、修士論文を提出した後も帰国せずに東京でのんびり貧乏ライフを送るポルトガル人女性。
ポルトガル人の基本的な姓名の法則により、マリアは洗礼名でマルタが名前なので、友人達からマルタと呼ばれる。また母方の姓をもじって「食う寝るマルタ」と言われることも。ちなみに父方の姓のグロソは食いしん坊と言う意味である。
築70年のアパート「笑明館」の家賃3万円の風呂なし部屋に住み(文京区なのでこの家賃でも安い方)、大学院時代の奨学金をやりくりした貯金を使いながら食って寝てたまに日雇いの仕事をしながら、日本での暮らしと貧乏ながらもおいしい料理を作って食べる生活を楽しんでいる。
- 美緒子
笑明館のマルタの隣の部屋に住んでいる女性で、上野の図書館で司書をしている。
日本および世界の児童文学への造詣が深く、実家から送られてくる食べ物をマルタにおすそ分けする際に児童文学関連のネタを仕込む事がある。
(無論、そのネタをあてるマルタもマルタだが)
マルタとは非常に仲が良く、銭湯で100円の缶ビールが買えずにマルタが困っていたところにでくわした後、一緒にお風呂に入りなおしてから、220年の缶ビールを買って二人で半分ずつ飲んだりしている。
- 由利絵
笑明館に住む眼鏡をかけた女性。
北海道出身の為、実家から送られてきた食料をマルタにおすそ分けする事が多い。また石狩鍋を作って皆に御馳走した事もある。
- 神永
マルタの友人のレギュラーキャラでは唯一、名前ではなく姓で呼ばれる女性。
本業は医師で町田市の病院に勤務しているが、美術に造詣があって現在は美大を目指しており、笑明館の1階にある風呂付きの部屋をアトリエとして借りている。実家は笑明館の近くにあるらしい。
酒を飲んでよっぱらっては、1階の自分の部屋ではなく、2階のマルタの部屋に乱入する。
風呂付きの部屋を借りている為、銭湯に行く予算が無い時のマルタは神永の部屋のシャワーを使わせてもらっている。かわりに神永はマルタに金をかけないちょっとした御馳走を食べさせてもらっている。
美大への受験結果は不合格となった為、受験生と医師の生活をさらに1年続ける事に。