すばる望遠鏡はハワイのマウナケア山の標高4205mの地点にある口径8.2mの天体望遠鏡である。日本の国立天文台(組織名)が運用している。日本の研究機関が運用する天体望遠鏡として最大のものである。1991年に建設を開始し1999年に観測運用を開始した。観測波長は可視光~近赤外線の範囲である。
概要
能動光学などの当時の最新技術が投じられており、単一鏡からなる望遠鏡としては完成当時世界最大の口径を有していた。2005年にはアリゾナ州で8.4mの口径を持つ単一鏡望遠鏡を二台並べた「大双眼望遠鏡」が竣工し、(単一鏡望遠鏡としての)すばるの口径はこれに次ぐものになっている。
分割鏡方式のものを含めるとカナリア諸島にある大カナリア望遠鏡(口径10.2m)が2022年現在で世界最大である。
この他20~30メートル級の分割鏡式巨大望遠鏡の建設計画もいくつか進んでいる。
すばる以降の時代では大型望遠鏡の大半は分割鏡方式で作られるようになっており、大口径の分割鏡望遠鏡が多数計画されている近未来においても世界最大級の単一鏡望遠鏡としての地位は(単一鏡という条件付けにどれほどの意味があるのかはさておき)比較的安泰であると思われる。
なお日本の国土にある望遠鏡としては岡山県にあるせいめい望遠鏡(口径3.8m)が最大である。
すばるのすぐ近くにはアメリカの口径10mの分割鏡望遠鏡であるケック望遠鏡(ケックIとケックIIの二台)が立地しており、丘の上にすばるのドームととケックの2つのドームの計3つが仲良く?並んでいる姿を見ることができる。
すばるのドームは円筒形で、横から見ると四角い建物のように見える。熱を防ぐためにアルミ板で覆われており、外見は銀色をしている。隣にあるケック天文台の伝統的な白い半球型のドームとはいろいろな点で対照的である
なお望遠鏡本体は特徴的なシアン色で塗装されている。
ミニすばる
島根県の日原天文台にある75cm反射望遠鏡は、すばるの開発中に本物のすばるのおよそ10分の1のスケールで制作されたすばると同じ構造を持つ実験用望遠鏡の譲渡を受けて設置されたものとされている。この望遠鏡は同天文台の主力観測設備として活躍している。10分の1スケールの試作機でさえ天文台の主役を張れることから、すばるの巨大さがうかがい知れる。