はじめてのあく
はじめてのあく
週刊少年サンデーに2009年6号から連載されているコメディ漫画。全16巻。
悪の組織・キルゼムオールの幹部である主人公・ジローと、ぼさぼさ頭でメガネっ娘のヒロイン・キョーコ、及びその愉快な仲間たちの奇想天外な日常を描く『悪ノリコメディ』。略称は『はじあく』。
サンデー伝統の『不思議少女が平凡な少年の家にやってくる』というラブコメの黄金図式を真逆にした、『厄介な男が平凡な少女の家に転がり込んでくる』という一風変わったフォーマットが特徴。数々の発明品を操る悪の少年が登場するということで、いつでもバトル展開に持っていけそうな図式ではあるが、基本的にいつまでもドタバタとした日常が続いているまったりとした作品である。
現代社会の裏で人知れず(?)悪の組織と正義の味方が対立している世界観の作品ではあるが、悪といっても弱小組織が無害な反社会的活動に精を出す程度のほのぼのした内容であり、善悪の対立や社会の危機といったシリアス展開はほとんどない(民間人に手を出すのはタブーとされている)。正義の方も同様のゆるい空気で、タイトルに反して作中に悪意や敵意といった負の感情がほとんど見当たらないため、平和なドタバタコメディとして安心して読むことができる。
バトル展開やラブコメパート、ギャグエピソードも時折かじりつつ、本質は気の合う友達と仲良く騒ぎ、勉強に遊びに恋にと慌ただしくも楽しい日常を過ごす青春ものとして、独特の空気の良さを感じさせる作品である。また、登場する女の子の可愛さには定評があり、様々な性格・立場の女の子が登場するが、アベレージは非常に高い。
渡家と居候の面々
阿久野ジロー(ジロー)
主人公。九州は熊本にある悪の組織キルゼムオールの少年幹部(コードネームは「ドクトルJ」)。正義によって組織が壊滅したため、組織復興を目指して親戚の渡家に社会勉強にやってきた。学校にも行かずド田舎の悪の組織でずっと生活してきたせいか、一般的な社会常識が壊滅的に欠落している。赤髪のツンツン頭、ギザギザの歯が特徴。
多少尊大な態度で空気を読めない性格だが、根は真っ直ぐで筋を通す熱血漢かつお人好しの純情者。アイテム開発が趣味で、トラップから謎の薬、アンドロイドまで様々なものを製作できる。装備した者の意志で自在に形状を変化させる「オートマント」を常に身に付け、武器兼防具兼生活道具として活用している。
詳細は個別記事を参照。
渡恭子(キョーコ)
メインヒロイン。若干発育不良気味な、ぼさぼさ髪に眼鏡の平凡な女の子。突然家に押しかけてきた従弟のジローに身体能力の高さを気に入られ、改造人間の素材として狙われる羽目に陥る。最初は迷惑三昧なジローに辟易していたが、彼の起こす騒動に巻き込まれるうちに人間関係もどんどん広がり、今では騒がしい暮らしにもすっかり慣れたようだ。
かなりぶっきらぼうかつ意地っ張りな性格な上、相当なやきもち焼き。若干オタク気質でお洒落にあまり興味がない。中学時代は母親の死が原因でひどく暗かったらしいが、今は立ち直って明るさを取り戻している。得意技は家事全般と、ジローを一撃で沈め、心ごと折り砕く強烈な蹴り。
詳細は個別記事を参照。
阿久野エーコ
ジローの姉。ジローと一緒に渡家にやってきた。23歳。スタイルの良い黒髪ロングの美女だが、実態は定職にも就かず、いつも家でだらだらと暇を持て余している怠惰なニート女。一癖も二癖もある悪戯者で自由気ままに暴れ回るため、業界では「歩く悪ふざけ(ザ・フリーダム)」の二つ名で恐れられている。本気を出すと異常な身体能力を発揮する。組織では作戦参謀を担当していた。
ポチ
渡家の飼い犬。普通の犬だが、ジローのアイテム「ジハクシール」により喋れるようになった。常識に疎いジローの師匠として社会生活を厳しくも優しく見守りながら、だらしないエーコに喝とツッコミを入れる役割。
キョーコの父
母親の死後、父子家庭でキョーコを育ててきた大柄な男性。本名不明。ジローやエーコの同居をはじめ、大抵のことは笑顔で受け入れる穏やかで心の広い人物。自身はごく普通の一般人だが、妻(キョーコの母親)が元・悪の人だったため、業界の存在は知っている。ジローのことは息子のように思っている。
キョーコ乙型(乙型)
一人で家事に忙殺されるキョーコを見かねてジローが作った家政婦ロボット。顔はキョーコとそっくりだが、額にマークがあり、胸が大幅に増量されている。素直で従順な性格のAIのためジローや渡家の面々によく懐いている。邪悪な電波の発信源であるシズカとは犬猿の仲。全身にミサイルやハンマー等の100の内蔵兵器を搭載し、アトムのようにジェット噴射で空を飛べる。
詳細は個別記事を参照。
三葉ヶ岡高校の愉快な仲間たち
中津川秋穂(アキ)
キョーコの親友1。陸上部に所属するスポーツウーマンで、男勝りの性格と口調の快活な少女。真っ直ぐな黒髪をポニーテールにしており、スタイルは良い。少しがさつできっぷのいい性格だが、胸の大きさをからかわれたり、少し踏み込んだ恋話になると顔を真っ赤にして焦る純情な一面もある。実家はお好み焼き屋を経営。頭は悪い。いろいろあって、赤城のことがかなり気になっている模様。
東雲雪路(ユキ)
キョーコの親友2。演劇部に所属。薄い色の髪を二房のおさげにしている。大人しそうな外見の割に社交的な性格で、面白い人やイベントが大好きな純然たる愉快犯少女。キョーコやアキの恋路を無責任に煽り、横からニヤニヤ眺めて楽しむのが得意だが、一方で自身の恋愛経験はなく、矛先が自分に及ぶと驚くほど脆い。大金持ちの一人娘で、コスプレ趣味あり。
赤城リュウジ
キョーコを秘密裏にアイドル視する変態集団「渡ファンクラブ」の会長。キョーコの発育不良気味の体をこよなく愛する。ひょろりと痩せた体型にぼさぼさ髪の丸眼鏡という怪しい外見の変態だが、行動力と男気があるためメンバーには慕われている。ジロー達より一学年上で生徒会長も務めており、普通に仕事をしていれば超有能。眼鏡を外すと美形なのはお約束である。
青木シンペイ
渡ファンクラブ会員。常に頭にバンダナを巻いた、大柄な筋肉マッチョの眼鏡男。赤城と同学年だが高校生には見えない風貌。趣味は盗s…写真撮影で、常にカメラを持ち歩いている。画面の賑やかしとして背景で騒いでいることが多く、ストーリー上での影は薄い。
黄村ヨシヒト
渡ファンクラブ会員。小太り糸目のクラスメイト。ファンクラブでも屈指の真性の変態。何かにつけ「ふまれたい」と豪語する筋金入りのMで、常に色ボケに満ちた言動を繰り返すブレない男。目的のためには手段は選ばない等、割とゲスなところがあるが、友情には厚い。
緑谷ヤスヒコ
渡ファンクラブ会員。どこにでもいる冴えない少年といった風貌のクラスメイト。中身も気弱で頼りないが、重度のシスコンで、妹のピンチには豹変する。ユキに好意を寄せつつも、ヘタレなので口には出せないでいる状況。美術部に所属しており絵が上手い。何気にジローとは一番親しい男友達でもある。
草壁シズカ
正義見習い一家の長女。生粋のジャージ娘で、妄想癖が激しい。弟たちを助けてもらったことを機にジローに惚れ、悪であるジローとの禁断の恋を妄想しては邪悪な電波をまき散らかす少し危ない子。衣食住にも困るような極貧家族で暮らしているため、ジローとは違う意味で社会的常識に欠ける。正義の味方を志す兄と、無邪気な二人の弟がいる。得意技はシズカカッター。
阿久野サブロー
ジローの血の繋がらない弟。悪見習い。元々外国の孤児だったが、ジローの父親に拾われて日本にやってきた。登場当初はジローを次期首領と認めていなかったが、やがて兄の器を認めて仲間の輪に加わった。分身・隠密等の忍者的な能力を体得している。熊本弁。渡家より豪華なマンションに一人暮らし中。
枕崎ルナ
キルゼムオールのご近所さんの悪の組織「ドラキュリア」の若き首領を務める吸血鬼っ娘。天才科学者ジローのことがいろんな意味で気になっており、自分の組織にスカウトしようとしている。現在はドラキュリアが資金難で休止状態に陥ったため、ジローのいる高校へやってきて社会勉強中。九州にいた頃は年齢の割にちびっ子だったが、たった一年で急成長、再登場時には誰もが振り返る美少女になった。
黒澤アキラ
潜伏中のジローの動向を探るために派遣されてきた正義の戦隊「ギガレンジャー」の一員(ギガブラック)。当初は秘密裏に諜報活動を続けていたが、学校の危機を前に正体を明かして共闘関係を結び、以後なし崩し的に「いつものメンバー」に加わってしまった。なんでもこなす優秀な完璧主義者だが、いろんなことに振り回される苦労人で幸が薄い。胸もキョーコ以上に薄い。
大神姫乃
正義・悪を共に潰すことを目的とした第三勢力「真世界」の構成員。「真世界」日本支部長・来栖と共に高校全体を巻き込んでジロー達を襲撃するが、黒澤との一騎打ちに敗北。「真世界」壊滅後、ジロー達の友達の輪に加わった。重力球を操る異能をもち、どこにでも足場を作ることができるバトルマニアの格闘少女。いつも暗く無表情だが、いわゆる素直クールな性格で、食べ物に簡単に釣られる。巨乳。
キルゼムオール関係者
阿久野エミ
ジローとエーコの母親。キルゼムオール大幹部。エーコを上回る悪戯癖に抜け目のなさと統率力と母性を追加したような性格で、誰も逆らうことができない存在。見た目はさっぱりした爽やかな印象のおばさま。
阿久野アヤ
ジローとエーコの姉。九州の実家在住。キルゼムオールの幹部を兼任しつつ、デキるOLをやっている。超がつく真面目人間で、だらしないエーコにお仕置きできる数少ない存在でもある。いわゆるアラサーであり婚活に焦っているが、すぐ隣にいる戦部の好意には全く気付いていない模様。眼鏡の素敵なお姉さん。単行本おまけ4コマでの登場率が高い。
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サンデー連載時からずっと読んでいた「はじめてのあく」。明日発売のコミックで最終巻を迎えます。今でははじあくがサンデーになくて寂しく思っています。藤木先生、本当にお疲れ様でした!!■最終話のネタバレを少々含んでおります。ご注意ください。■閲覧&評価&ブクマありがとうございます!!1,267文字pixiv小説作品