ふたりと5人
ふたりとごにん
『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)誌上で1972年43号から1976年37号まで連載された。全194話。
学友の少女に告白し、あっさり振られるもてない中学生“平竹おさむ”。隣に引っ越してきた美少女が窓の外に見えた。おさむは美少女に一目惚れした。だが、その美少女は奇妙にも5人も居て、しかも全員、容姿がまったく同じなのであった……。
平竹おさむ
第1話から登場。本作の主人公。チビの中学生でギョロ目で煩悩の持ち主。行動もスケベで短絡的。ユキ子を何とかモノにしようとするも、ユキ子の家族に邪魔されてしまう。アパートに先輩と下宿している。
哲学的先輩
第1話から登場。哲学科の大学生だが、7年以上も在籍しながら何の研究成果も出していなかったため、退学処分にされかかったことがある。本名は不明で、在籍する大学の教授会でも「通称・哲学的先輩」と呼ばれており、自分でも「通称・先輩」と名乗っている。
菊池ユキ子
第1話から登場。菊池家の長女で唯一まともな性格の持ち主で、本作のヒロイン。第5話でおさむの通う学校に編入。
菊池友紀子
パパ。ユキ子のふりをして主人公をだましたり、からかうのが好き。普段も女言葉で話し、とても40代の男性とは思えない。
菊池雪子
ママ。32歳。夫である友紀子と見た目はそっくりだが、結婚可能な血縁関係だったのかは不明。裸になると胸が大きくユキ子と識別可能。
菊池ゆきこ
おばあちゃん。実年齢は72歳。見た目は美少女だが、しかし、乳房の衰えまでは隠せない。
菊池由希子
菊池家の長男。趣味・嗜好は女そのものだが、恋愛対象は女で、女の恰好でガールフレンドとデートする。男なので当然胸は真っ平ら。
吾妻にとって不本意な作品であったという。吾妻によれば、キャラクターや設定、タイトルなどはすべて編集者主導で決められたもので、ハードな週刊連載と秋田書店の無茶な編集の注文などで、当時「出力20%くらい」しかやる気を出していなかったという。
次作の『チョッキン』終了で秋田書店と縁が切れ、活躍の場をマイナー誌に移していき、本来のSFやギャグを描きたいように描けるようになると、80年代に“吾妻ブーム”を巻き起こし、本人も「夢のようだった」と回想する。
との理由で本作は電子書籍化もされず絶版となっている。