概要
イケズアイテムとしてのぶぶ漬け
京都では他人の家を訪問した時「ぶぶ漬けでもどうどすか」というのは「もう夕食の時間だから帰れ」という意味と言われ、遠回しな言い方で嫌味を言う京都人のイケズを表すテンプレとして落語などでよく語られる。
現代の京都ではさすがにリアルにこの言い回しを使う人はそうそういないとも言われており、落語などの誇張という意見も存在する。
とはいえ、特に中京区近辺の古い街だとこのレベルの嫌味は存在するという証言も少なからずある。
有名なところでは京都精華大学のウスビ・サコ学長(アフリカのマリ出身)が語った「自宅でパーティーを開いていたら近所の人に「お友達といつも楽しそうにしてはって、うらやましおす」と言われた(要は「うるせえ」という意味の嫌味)」エピソードがあり、ニューヨークタイムズの記事にもなり大いに話題となった。
京都(作中では亰都)を舞台とした漫画「わさんぼん」では、
「そうですね」→「そうかもね」
「どうですやろ」→「ダメ」
「ほなまた」→「さようなら(または無い)」
といった言い回しが紹介されている。
ネットスラングではこうしたエピソードを踏まえ、「ぶぶ漬け」を「塩対応」に近いニュアンスでも使うことがある。
またリアルでは「お茶のおかわり」が「ぶぶ漬け」に相当するイケズワードであり、親切心からおかわりを聞く人ももちろんいるが、頻回にお代わりを訊ねられた場合は危険信号と覚えておいて損はないだろう。
なおあくまで「ぶぶ漬けでもどうどすか」という言葉自体が「帰れ」という意味であり、ぶぶ漬け自体は上記のとおりお茶漬けという意味でしかない。フィクション等では目の前にぶぶ漬けを出して追い返すといった表現もあるが、実際に出されたらむしろ食べるのが礼儀であろう。