あらすじ
病弱な小説家・小山笹舟(こやまささふね)は同郷の憧れの文士・雪村千鳥(ゆきむらちどり)の未完の遺作『架空亭』を発見して、小説の中に招き入れられてしまう。『架空亭」は客の生気を吸収して存続していることが分かり、女主人の甘喃(あまなん)、料理人の緑青(ろくしょう)、客部屋の世話係の九庫(くくら)、その他、幽霊や妖怪たちのおもてなしが始まる。やがて、笹舟の祖父の影響で、笹舟の友人・柄井真向(からいまこう)まで巻き込まれて、雪村の姪・カノコが現れて…。
単行本は全一巻。小説家の笹舟と作中作『架空亭』の女主人(女主人公)甘喃のラブストーリー。
『架空亭』は雪村と縞(こう)の悲恋がモデルになっていた為、笹舟と甘喃は『架空亭』の結末のメモ帳と同様に心中しそうになってしまうが…?
単行本同時収録の読切「999番目のハナ」も名作。こちらも悲恋、悲恋からの立ち直り、和風の精霊を扱っている。