概要
ディズニー製作のCGミュージカルアニメーション番組。
2016年7月22日よりディズニー・チャンネルで放送が開始され、同年11月27日からは地上波での放送が開始された。
ディズニーの『ちいさなプリンセスソフィア』のスピンオフ作品であり、ソフィアの物語とつながる前日譚『エレナとアバローのひみつ』が2017年3月18日にディズニーチャンネルで放送された。
基本的に1話完結型の30分番組だが、『アバローのひみつ』はディズニーチャンネルでは特別番組として1時間半放送され、地上波では3話に分けて放送された。
キャラクターデザインは日本人スタッフの野谷律子。
ストーリー
平和なアバロー王国に、突如魔女シュリキが攻め入ってきた。父と母を殺され、王国を守ろうと一人立ち向かったエレナは魔女の魔法を受けるが、母から15歳の誕生日に貰ったアバローのペンダントに守られ、ペンダントの中へと匿われる。
それから41年後、ソフィアとジャークイン(ジャガーとコンゴウインコの混血動物)の助力もありペンダントから出る事が出来たエレナは、絵画に閉じ込められていた妹のイザベルと祖父母を救出。
アバロー国民の助けを借り、シュリキを撃退したエレナは、成人するまではアバローのプリンセスとして家族や仲間と協力しながら国を治めることになる。
登場人物
アバロー王国王室血縁者
エレナ
(CV:橋爪紋佳)
本作の主人公で、16歳の少女。ディズニー初のラテン系プリンセス。
本名はエレナ・カスティーオ・フローレス。
魔法と音楽に溢れたアバロー王国のプリンセス。
陽気ではつらつとした勇敢な優しい少女だが、猪突猛進気味なのが玉にキズ。
15歳の時に母から『アバローのペンダント』を授けられ、その後魔女シュリキに襲われたところをペンダントの不思議な力でペンダントの中へと匿われ、以後41年間閉じ込められることになる。
その後、エンチャンシア王国のソフィア姫にペンダントが渡り、ソフィアによって解放され、アバローを救う。両親がシュリキ襲撃により他界しているため、エレナが王国を治める事になっているが、女王としてはまだ未熟な部分がある。
しかし、家族や友人、出会った人々からさまざまな事を学び、時には機転を利かせ、困難を乗り切り成長していく。
上記の経験により、自身はペンダントに、妹や祖父母が絵画に閉じ込められたこともあってか、妹のイザベルを溺愛している。
ペンダントに長く入っていたために魔法の力がうつったのか、王位継承者が持つ魔法の笏『光の杖』により魔法が使え、守護霊ズーゾや幽霊を見る事ができるが、幽霊を見れるのはディア・デ・ロス・ムエルトス(死者の日の事。先祖のお祝いの祭り。)の時だけの一時的な物である。
しかし光の杖を完全に使える訳ではなく、無理に使うと体力を著しく消耗するため、現在は使いこなせるように日々練習を重ねている。
尚、本来なら57歳のところだが、祖母のルイーサ曰く「魔法の中にいた時間は換算されない」との為、16歳である。
『ジャークインの王国』では、ペンダントから解放されて1年が経ち、3年後に女王として即位する事が決まっている事を語っている為、17歳になったと思われる。
普段は赤色がベースの暖色系のドレスを着る事が多い。
朝早く起きるのが苦手。愛馬の名前はカネラ。
フロリダのディズニーワールドで2016年8月からグリーティングデビューした。
イザベル
(CV空見ゆき)
エレナの妹。10歳。
絵を描くことや発明が得意な天才少女。
姉とは違い慎重に物事を考える性格で、そのひらめきが家族や友人の危機を救うことも。
シュリキがアバローを襲撃した際、シュリキの手が及びそうになった所を、当時の宮廷魔法使いだったアラカザールによって祖父母のフランシスコとルイーサと共に魔法で絵画の中に匿われた。
甘えたい盛りに両親が他界したため、両親を思い出して悲しくなることを理由にディア・デ・ロス・ムエルトスに参加する事をためらっていた。
現在は国の小学校に通っている。
姉とは反対に、普段は青や寒色系のドレスを良く着る。
スポーツが苦手。エレナから貰った日記帳を大切にしている。
エステバン
(CV及川ナオキ)
エレナの従兄弟。アバロー国の大臣。
幼少の頃に両親が他界し、エレナの祖父母に我が子のように育てられた。
10代の頃から強力な権力を求めるようになり、権力を手に入れる事を条件に魔女シュリキと契約、シュリキによるアバロー支配の協力をする。エレナの親族で唯一彼だけが年をとっているのもこのためである。
しかし育ての親であるフランシスコとルイサに手を出さないという約束を破られた事を知ると、エレナに味方し、アバロー奪還の手助けをした。(小説版では、絵画に閉じ込められている家族を救う為にシュリキに従っているとされている)
シュリキ撃退後、国が平和になった後も、エレナの行儀の悪さや天然な性格に頭を悩ませることもあり、エレナが女王になる事を快く思っておらず、度々独断で物事を進めようとする時もある。
国を裏切ったきっかけについては語られていないが、上から命令される事が嫌いな事が要因の一つと思われる。
その一方、シュリキに加担し、家族を不幸にさせた事を悔いており、その過去を知るかつての仲間・ヴィクトルに利用され、宝石泥棒をさせられそうになった。
髭を蓄え、長身の渋い壮年の男性だが、自分の誕生日を誰も覚えてくれていないと嘆いたりと子供っぽいところもある。若い頃は筋肉質な青年で、幼少期は好き嫌いの多い子供だった。
普段はワインレッドの礼装を着ているが、シュリキの配下の時は黒い礼装を着ている。
好物はトレスレチェケーキ
フランシスコ※画像右
(CV根本泰彦)
エレナとイザベルの祖父。評議会の一人。細身の老紳士。
規律や伝統を重んじる性格の賢人。エレナが立派な女王になれるように適格なアドバイスを送る。
しかしそれ故に心配性なところもある。
音楽が好きで楽器を自ら弾くこともある。
シュリキ襲撃時にイザベルとルイーサと共に絵に閉じ込められた。
ルイーサ※画像左
(CV品田美穂)
エレナとイザベルの祖母。評議会の一人。ふくよかな体型の老婦人。
夫のフランシスコとは対照的に、新しい物事に目を向けるタイプ。
楽天的で明るい性格をしており、物事を前向きに捉えるようにと教える一方、競技などでは熱中し、体育会系で強気な一面を見せる事もある。
又、身内の変化にも敏感で、エレナやナオミの悩みや困りごとにはいち早く気づき、さりげなく助言をすることも多い。
シュリキ襲撃時、イザベルとフランシスコと共に絵に閉じ込められた。
フランシスコ同様にエステバンを引き取り育て、絵画から解放された後も、大人になったエステバンの事を我が子のように愛し、時には子供に対するように心配する事もある。
苦手なものは暗い場所、特技は料理(特にタマーレが得意)
アバロー王国王妃(ルシア王妃)
前アバロー王国王妃であり、エレナとイザベルの母。故人
エレナが15歳の誕生日の時に魔法のペンダントを託し、それがエレナとアバローを救うきっかけとなる。
シュリキがアバローに攻め入った際、馬車で城に入城したところを襲われ殺される。
生前は活動的な性格だったようで、フェンシングの選手をしたこともあったが、決勝で当時のライバルがわざと反則し、手首を骨折させられたことによって棄権せざるをえなくなった。
ディア・デ・ロス・ムエルトスで夫と共に幽霊となってエレナの前に現れる。
アバロー王国国王
前アバロー王国国王であり、エレナとイザベルの父。故人
妻と共に城に戻ったところをシュリキに襲われ、妻共々殺される。
癖のついた黒髪と、口髭を蓄えた長身の男性。
会議室に妻と共に描かれた絵画が飾られている。
妻同様、ディア・デ・ロス・ムエルトスで幽霊となってエレナの前に現れる。
エレナの仲間・友人達
マテオ
(CV高坂宙)
宮廷魔法使いアラカザールの孫。エレナの親友。16歳。
気弱で警戒心が強く、少々頼りないが、勘も強く、いざとなれば勇気を出して立ち向かう。
エレナがペンダントから出られたのは、マテオの協力のおかげである。
祖父の遺した魔法書を使い、独学で魔法を学ぶ見習い魔法使いだったが、のちに正式な宮廷魔法使いに就任する。
ナオミのクラスメイトだが、シュリキが魔法を禁じていたため、ナオミはシュリキ撃退後にマテオと会うまでマテオが魔法使いの血筋である事を知らなかった。
太鼓のような魔法具タンボリードで魔法を操るが、失敗することが多い。
精霊のズーゾを見ることができる数少ない人物。
因みにマテオの本来の精霊はナマケモノの姿をしている。
ナオミ
(CV富樫美鈴)
エレナがペンダントから出てからできた初めての親友であり、評議会のメンバーの金髪の少女。
大人っぽく、勝気な性格をしているがシリーズ開始時点では15歳(作中で誕生日を迎え、16歳になった)
父親が港で働いているため、ロープや網の扱いに長けており、勝気でモンスター相手にも物怖じしない性格。母のスカーレットは船の船長をしており、一緒に過ごす時間は父のほうが長い。
2歳のころから各国を転々としており、多種多様な国の文化にも寛容な価値観を持つことから評議会に選ばれる。
エステバンのことを快く思っていないが、嫌いという訳でもない。
前日譚『エレナとアバローの秘密』は、エレナがナオミにペンダントに封じ込まれてからアバローを取り戻すまでを語り始める事で始まる。
苦手な事はジャークインに乗る事。
普段は緑色の服を着る事が多い。
ゲイブ
※画像右
(CV中村章吾)
本名はガブリエル・ニュニェス。アバロー王国の衛兵を務める青年。アバロー王国を救ったエレナの勇姿に触発され、衛兵になった。階級は中尉。
正義感に溢れ、真面目で仕事熱心だが、その正義感が空回り、自体を悪化させることもしばしば。
又、非常に感情豊かで、ナオミが国を離れると決めた際には男性陣の中で一人涙を浮かべていた。
エレナに好意を寄せているが、エレナは全く気付いておらず、友人として接している。
衛兵というだけあって運動神経も良く、フェンシングをエレナに教えたり、幼い頃苦手だったオラボールも一日で技を駆使できるようになった。
実家はパン屋『ニュニェスと息子』を経営しており、父は元オラボール選手。
愛馬の名前はフリゴ。
魔法の動物・精霊
ズーゾ
狐の姿をした精霊。
マテオの魔法で呼ばれ、エレナを救う助言をした。
通常は魔法具で呼ばない限り普通の人間に見る事はできないが、エレナはペンダントの魔力のおかげもあり、無条件でその姿を見る事ができ、魔法に関する困った事があれば度々ズーゾを呼び助言を求める。
飄々とした性格をしており、軽快な軽口を叩きながらも、エレナや仲間たちに様々な助言や忠告を与える。光の杖の使い方の注意をエレナに教える。
マテオやエレナのところに現れる事が多いが、精霊の仕事をいくつか掛け持ちしている。
ジャークイン
コンゴウインコとジャガーの混血動物。魔法の力を持ち、人語を解する。
アバロー王国のシンボル的存在で、国旗にもその姿が描かれている。
山の頂上に巣を構え、鳥の巣のようなものを作る。
スカイラー
青い斑点を持つジャークインであり、ジャークインの王国・バレストリデの第一王子。
長い間アバローに住み、アバローを守っていたジャークインの一匹で、エレナが戻ってきた際に仲間と共にアバロー奪還を手伝う。
ひょうきんな性格で、度々ハメを外すことも多い。そのためナビゲーラー(初めて人間界に来るジャークインを案内・指導する役)に任命された時も任務を忘れて遊びほうけてしまう事もあった。
弟のニコとはよく悪戯をするほど仲が良く、その悪戯を使ったひらめきによって窮地を脱した事もある。
非常に友好的な性格なのもあり、エレナと友達になってからは度々旅に同行したり、エレナの移動手段の一つとして共に飛ぶことも多いが、エレナの我儘に振り回されて悩まされる事もある。
エレナとの行動も多いが、基本的に同じジャークインのミグズ、ルナと良くつるんで行動している。
ミグズ
スカイラー同様のジャークインであり、前ナビゲーラー。明るい黄色の毛並みにオレンジの斑点を持つ。
生真面目な性格で、ジャークイントリオの中でリーダー的存在。
仲間のスカイラーの軽薄さやルナのお転婆に頭を悩ませているが、基本的に仲は良い。
ルナ
ジャークイントリオの紅一点。赤みがかった毛色にピンクの斑点を持つ。
性格はお転婆で楽観的。
スカイラーとは気が合うようでいつもミグズを困らせている。
ヴィランズ
シュリキ
(CV朴璐美)
アバロー王国を突如襲撃し、41年間国を支配していた悪い魔女。前日譚『エレナとアバローの秘密』のヴィランズ。
黒いロングヘア―と真っ白な肌、真っ赤な口元には黒子が付き、刺々しい衿飾りのついた黒いドレスを着ている。
美に異常なまでに固執しており、楽しいことや音楽、魔法やスポーツなどの娯楽を全て禁じている。
傲慢かつ強欲で、同盟も自分の支配を広める為の手段としか思っていない。その為、来賓への対応などは協力者であるエステバンに任せきりな部分もある。
ガラス製の魔法の杖を使い、魔法を操るが、ソフィアの作戦とエステバンの裏切りによりエレナに杖を壊され、魔法で保っていた美貌が失われ、年老いた老婆の姿になり、橋から落ち、海に繋がる滝つぼへと消えて行った。
しかし実は生き延びており、海から這い上がった後の消息は不明である。
国を支配していた間は魔法生物・ノブリンを捕まえ、私利私欲の為に利用していた。
シュリキの支配による影響は、シリーズを通してアバローに色濃く残っており、それによる騒動や問題などをエレナは解決していくこととなる。
シュリキの名前の由来は日本語の「すべてを終わらせる力」の『終』『力』からつけられている。
ヴィクトル
エステバンの過去の仲間で、シュリキ襲撃を手伝った一人。本名はヴィクトル・デルガド。
エステバンとは幼い頃から悪事を働いており、かけっこではいつも2番だったエステバンを「エルセグンド(二番目)」と馬鹿にし見下している。
手癖が悪く、スリの名人(フランシスコは『悪戯』だと思っている)
シュリキ襲撃をエステバンと共に手伝うが、シュリキの支配後に自分だけアバローを追放され、以降エステバンを恨み続けている。
非常に頭が回り、宝物庫の宝石を手に入れるのが難しいと分かると防犯システムに詳しいエステバンを「エレナにお前が裏切った事をばらす」と脅し、宝石泥棒を手伝わせる。
父は元王室会計係。
娘のカーラも父であるヴィクトルの血を受け継ぎ、父に負けず劣らずのスリの技術を持つ。
何かを企てているようで、その計画の為にアバロー王国のティアラを盗もうとしているが、その計画が何なのかは不明。
オリザバ
(CV水野貴以)
影の世界に住む蛾の妖精。
昔、アバローを永遠の闇で覆い尽くそうと企んだが、マルーの魔法使いによって精霊の世界に封じられ、それ以来伝説として語り継がれていた。
252年ぶりにアバローに訪れた皆既日食により、再びアバローに舞い戻り、古代マルー人の持っていた魔法の宝石『真夜中の瞳』を利用して影に住む生き物たちを従える。
魔法を使う度に炎にも鱗粉にも似た紫色の靄を体から発する。
また僅かな光にも弱い体質で、光が当たると羽根は焼け焦げてしまう。
マリモンダ
闇の力を持つ草の魔女。
陽の光で育つもの以外が存在する事を許さず、そのためかつてアバローを破壊しようとした。
ジャークインたちにバリストリデの岩場に封印されたが、ヴィクトルによって封印が解かれ、再びアバロー破壊を企む。
移動や攻撃には巨大な蔓を操り、歩いた痕には植物が生える。
アバローを再び襲うが、エレナの作戦にハマり、キタモスに与えられた壺に封印される。
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