概要
『もんむす・くえすと! 』シリーズに登場する、全ての魔物を生み出したとされる伝説の邪神。初代アリスフィーズ。
基本的に会話中にのみ登場する存在であり、作中で姿を見せる事は無かった。
現行の魔王アリス曰く女神イリアスと同格の存在らしいのだが……
その正体は、イリアスと同時期に世界に生まれた存在。魔力や戦闘力はイリアスを凌駕しているらしい。
六祖と呼ばれる魔物を生み出し、イリアス率いる天使達と戦闘を起こしたが、女神と邪神が戦えば世界は壊れ自分達も消えるという事を、イリアスに脅しの材料とされ、六祖大呪縛にて封印された。
真相(ネタバレ注意)
続編に当たる「ぱらどっくすRPG」で平行世界の彼女が本格的に登場。
かつてのイリアスと違い、同族や眷属を慈しむ慈悲深い人物だが、かつては「弱肉強食」を掲げていた。
「魔界の審判」ではロリアスから、「天界の破壊者」では彼女の口から2人の本当の関係が語られる(都合のいい視点の主張ではなく、互いに「自分も間違っていた」と認めている内容である)。
女神イリアスと邪神アリスフィーズは創世の女神などではなく、この世界に生まれながら強大な力を持って現れた存在である。
光と闇、相入れないと思われたがむしろかつての関係は良好であり、「友人」「姉妹」とすら決別した現在も呼んでいる。
当時は古竜族やアルフ神族といった、現在の魔物たちの源流にもなる一族たちと争っており、時には互いに協力していたという。
しかし、ある出来事が原因で邪神アリスフィーズは覇気を無くしてしまい、さらには「自分たちは超越者などではない、地上を管理するなど烏滸がましい」と主張。
イリアスは「自分達は超越者である。だからこそ地上を管理し導いていく責任がある」と考えており、かつては邪神もそれに賛同していたため、友の変心には到底納得できなかった。
そうした意見のすれ違いが積み重なり、拗れに拗れ結果として起きたのが「聖魔大戦」と呼ばれる争いである。
変心の原因
何故邪神は突如として心変わりをしてしまったのか。それは自らの手で長女を殺めたため。
当時の邪神は「弱肉強食」こそが正しいと思っており、最初に生み出した娘・虚竜(コロン)には徹底的にそれを教え込み、虚竜は「強いものこそが正しい」と信じるようになる。
虚竜の後に沙蛇・魅凪・華音・禍撫・玉藻を生み出し、「妹たち」も「姉」の虚竜を慕い虚竜も妹たちを可愛がるなど平和な家族であった。…表面上は。
いつしか幼子すら平気で手にかけるほどの苛烈な思想に陥ってしまった虚竜を恐れ始めた邪神だったが、それでも我が娘を信じていた。
「妹たち、強くなれよ。もしも弱いままなら…俺が殺してやるからな」
…この決定的な一言を聞いた邪神は己の過ちを悟り、娘たちを守るためにも虚竜の抹殺を決意。
イリアスに事情を伏せた上で封印術を開発してもらい(イリアスは数年は動けない代物を作ったはずだったが、虚竜はわずか2秒で動けるようになった)、蓬莱山に「久々に稽古をつけてやる」と誘き出す。
愛する母との稽古に喜ぶ虚竜に奥義「虚竜斬」を見せてもらった隙に封印術を行使し、「これも稽古だな」と無邪気に喜ぶ我が子の心臓を抉り殺害した。
自らの誤った教育の結果むざむざ娘を死に追いやったことへの後悔、そして我が子の教育すらろくにできない自分は超越者などではないという考えから彼女は覇気を無くしてしまったのである。