概要
- エホバの証人(Jehovah's Witnesses)
1884年にアメリカの聖書研究家のチャールズ・テイズ・ラッセルにより設立した団体。
キリスト教の聖書を経典とし唯一神エホバより権力を戴く神権世界政府による統治を目標とした宗教組織である。神権世界政府というのはキリスト千年王国のことを指すとされる。
一方、キリスト教主流派が重要視する三位一体などの教義を否認していることから、カトリック・プロテスタント・正教会などから異教あるいは異端とされている。
深掘りすると問題点が数多く存在し、その実態はカルトと呼んで差し支えが無いが、信者候補向けの冊子が正論であったり、勧誘に来る信者が物腰柔らかであったりするため、素顔に気付かずコロッと騙される無辜の民も一定数存在する。勧誘の最初の入口を正論・正攻法で固めるのはカルト宗教の常套手段である。
この宗教のみに限った話ではないが、「熱心な信者である親が未成年の我が子に対して信仰を優先し虐待や生命の危機にかかわる判断をしたり、子供の希望を妨害する」といった事案が特に問題視されている。
問題点
児童虐待
子供の指導のためにムチ(ベルトやゴムホースなど)で尻を何十回と叩くことを教団として推奨しており、その体罰指導が抑圧された信者たちの道楽になっている面がある。現に王国会館では体罰テクニックの話題が盛り上がる。
教団側は過去の話だと主張しているが、2022年にエホバの証人の3世である人物が体罰を受けていた事を告白するなど、根深い問題である。(https://mainichi.jp/articles/20221107/k00/00m/040/126000c)
性犯罪
カリフォルニアのスペイン語会衆に交わる長老ゴンサロ・カンポスが長期に及ぶ児童への性的虐待を行っていたとして、被害児童から民事訴訟が起こされ、同長老がその事実を認めている。
また、この訴訟後全米で教団内の虐待訴訟が頻発した。この問題は同組織に限った事ではなく、世界中のキリスト教系宗教や他の宗教団体でも報告されていることである事から、大きな問題となっている。
指導者の金満体質
幹部が航空移動する際のファーストクラス(一回100万円以上)利用や高級腕時計、スポーツカー、リゾート滞在などの金満体質が問題視されている。源泉はすべて信者から「王国会館建造のため」として集められた寄付金である。
(教団側は、現在の寄付制度体制は窓口が一本化された総合寄付形式であるため、寄付金の個人使用は事実上不可能であると主張している。ただし、この場合でも信者から多くの寄付金を集めている事実には変わりないため、根本的な問題は解決されていない。)
輸血・献血拒否
レビ記17章の「いかなる生き物の血も、決して食べてはならない」を根拠として、輸血を拒否する教義を持つ。このために信者の親を持つ未成年の子供が大怪我や重病で輸血が必要となった際に医療機関とトラブルになる例がある。
日本では1985年に交通事故にあった当時小学生だった男児の親が輸血を拒否して息子を死亡させた事件が有名である。
2008年に「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」が定められ、子供の状態によっては児童相談所が虐待通告をして親権を一時停止する対応が可能になっている。