エーリッヒ・ツァンの音楽
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えーりっひつぁんのおんがく
ハワード・フィリップス・ラヴクラフトのホラー小説の一冊。
「エーリッヒ・ツァンの音楽(The Music of Erich Zann)」とは、H・P・ラヴクラフトが1921年に執筆した、1922年に「ナショナル・アマチュア」に連載した短編小説。
日本で初めて翻訳されたラヴクラフト小説であり、『宝石』にて1955年に掲載された。
貧乏学生の主人公は、オーゼイユ街という老人だらけの貧民街の安い下宿先に流れ着いた。
その下宿先にある高い屋根裏部屋に場末の劇場で演奏している言語障害を持つドイツ人の老人、エーリッヒ・ツァンが暮らしていた。主人公は夜ごとにエーリッヒが奏でるヴィオラの不気味で暗澹たる調べに魅了され、彼の部屋を訪ねて演奏を聴かせてもらう。しかし例の怪奇な音楽を奏でるよう所望すると、エーリッヒは激しく拒絶する。その時主人公は、彼がカーテンに遮られたままの窓の外を警戒していることに気付く。その後も主人公はエーリッヒの奏でる不気味な音楽を盗み聞きしていたが、旋律は日に日に激しいものに変わっていき、エーリッヒもやつれ始めていく。
ある夜、いつものように主人公が廊下で音楽を盗み聞きしていると、エーリッヒの演奏は急に荒々しい騒音と化し、続いて彼の悲鳴が響く。慌てて駆け付けた主人公が見たものは……
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