概要
ミサイル巡洋艦の艦級。
元は、ボルチモア級重巡洋艦として建造されたが、ミサイル巡洋艦として改修される際に上部構造物および兵装を全て撤去し、重量軽減のためアルミニウムを多用した構造物に交換された。
改修は大規模なものとなり、全艦が上部構造および兵装の全てを撤去され、船体部分まで改修された。「オールバニ」は、ボストン海軍造船所で1959年1月に改修が始められ、1962年11月3日に、1番艦として再就役した。
「シカゴ」の改修はサンフランシスコ海軍造船所で1959年7月に始まり、1964年5月2日に2番艦として再就役した。
「コロンバス」の改修はピュージェット・サウンド海軍造船所で1959年9月に始まり、1962年12月1日に3番艦として再就役した。
「ロチェスター」と「ブレマートン」は、それぞれ4、5番艦として改修される予定であったが、改修費用が高額に上ることと、新たなミサイル・フリゲートの能力が向上したことから改修されなかった。
武装
本級の兵装システムはMk 77火器管制システムが搭載され、4基の AN/SPG-49(ロシア語版)射撃統制レーダーおよび2基のMk 12連装ミサイルランチャーを艦の前後に装備、104発のタロス長距離艦対空ミサイルを運用可能であった。また、84発のターター短距離艦対空ミサイルを装備、これらは艦の中央構造物の両舷に装備された2基のMk 11連装ミサイルランチャーで発射可能であった。ターターはMk 74火器管制システムと4基のAN/SPG-51射撃統制レーダーで制御された。艦上にはポラリス弾道ミサイル8基を運用するためのスペースがあったものの、1959年中頃には本級で弾道ミサイルを運用するという考えは取り消された。
歴史
3隻とも60年代から70年代にかけて活動し、シカゴは太平洋において第3艦隊の旗艦任務を長期間務め、オールバニも地中海で第6艦隊旗艦を務めた。コロンバスはタロス運用のための改修が行われず、残る2隻は60年代後半に改修が行われた。そのためコロンバスは1976年に退役すると直ちにスクラップとして売却された。
オールバニとシカゴは現役任務に留まり、1979年に大規模改修のための予算案が計上されたが、予算は他の計画に転用され、2隻とも1980年に予備役となった。