ネタバレ注意!!
"私、自分が進まないといけない道が怖くなった時にするおまじないがあるの。"
"そうね…一種の光合成みたいなものよ。"
"あまり緊張しないで。ただ目を閉じるの。そう、それでいいわ。"
"出来るだけ楽な姿勢にしててね。そうした方が心も安定するからね。"
"くすぐったい? もう! 我慢して。"
"そうしたら…"
"自分を消していくの。"
概要
カルメンは、ProjectMoon制作のゲーム「LobotomyCorporation」の登場人物で、作中の出来事を引き起こした全ての元凶とも言える人物。そしてLobotomy社(以下L社と表記)の秘書AIであるアンジェラの元となった人間でもある。
ストーリー
LobotomyCorporation
- 発足
作中の舞台である「都市」は、「特異点」と呼ばれる高度に発展した技術が存在している。しかしこのような技術が存在してもなお人々はどこか貧しい暮らしをしていた。カルメンはこの状況を「都市の人々は皆「心の病」を患っている」と考え、病の根源と魂の治療法を探し求めた。
目的のために彼女は都市の外側に位置する「外郭」に研究所を発足。そして都市で病について演説を行った。そして彼女の外交的で前向きな性格に惹かれ、エリヤ、ガブリエル、ミシェル、ジェバンニ、カーリー、ダニエルといった様々な人達が研究に参加していった。そしてそこには後にL社を発足させた人物「A」と弟子の「B」も含まれていた。
彼らの協力の末、人々の潜在意識「井戸」から希望という概念が実体化したもの「コギト」を抽出することに成功。研究の第一歩となった。
- 停滞
しかし当時研究所はコギトを安定して十分に抽出する装置「釣瓶」がなかったため、コギトを用いた実験は停滞していた。そんな時、研究所に所属していた便利屋が外郭からエノクとリサという名前の二人の子供を保護。カルメンは二人を研究所に迎え入れた。
あるとき、エノクは釣瓶の実験への参加を希望した。しかし釣瓶を作り出すには被検体が必要であり、その役目はカルメンが一番適していた。実験を最後まで見届けたい。しかし幼い子供を犠牲にしたくない。カルメンは幾つもの夜を悩み抜き、決断を下す。
それは、エノクの要求を呑むことだった。
結果、実験は失敗し少年は帰らぬ人となった。そしてもう一人の子供リサは泣きながらカルメンを責め立てた。
「あんたが死ぬべきじゃないの!」
この言葉をきっかけに、カルメンは精神を病んでいった。皮肉にも、都市の病を治そうとした人物が病むことになったといえる。(Aはカルメンの精神状態について薄々勘づいていた)
- 最期
自分の選択への後悔、進まない実験、他研究メンバーからの期待の眼差しは徐々に彼女を蝕んでいった。そして最終的にカルメンは浴槽で手首を切って自殺を図った。その後Aは彼女の遺体を使って釣瓶を作成。無尽蔵にコギトを抽出することに成功する。そしてAはカルメンの意思を受け継ぎ、現在のL社に繋がっていくことになる。つまり、LobotomyCorporationの物語はカルメンが始めたといっても過言ではないのである。
Library of Ruina
L社の続きの物語である図書館ではアンジェラやセフィラ達から言及されるくらいではっきりと登場していない。そもそも作中時点では既に故人であるためまず姿を現すことはあり得ないのだが…
「本当にこのまま全てを手放しても大丈夫なの?」
ストーリー終盤、アンジェラが自身の目的の為に「光の種」を再会した際まさかの対面。総記の階完全解放戦の相手として降臨する。
この「光の種」は図書館開始時点では不安定な状態であり、また光の種に必要なエネルギーはカルメンの遺体を利用した釣瓶で集められた。なので、カルメンは作中全てのE.G.O発現・ねじれ現象に関与している。正確には何らかの理由で精神が追い詰められた人間の元に「声」が聞こえ、その声の導くままに全てを放棄すればねじれに、状況に立ち向かう決意を抱けばE.G.Oの発現となる。
さらに本人は「都市の人々が自分から目を背けずに愛することが出来るようになるまで止まらない」との発言をしている。このことから、一部のファンからは「全ての元凶」「死んでからクソ野郎になった」「クソリプおばさん」といった罵倒が出ることも。