概要
都市は、ProjectMoonが制作するゲームシリーズの舞台である。世界の人間の大多数が暮らしており、区域による経済格差、監視、日常的な犯罪行為など、人の命が紙切れ同然であるディストピア社会。
その一方倫理観を捨てた研究によって技術力は凄まじい発展を遂げており、「空間転移」「全身義体施術」「クローン人間の製造」などが存在する。中でもより強力な技術は「特異点」と呼ばれており、これらは主に「翼」などの大企業が所有している。
「頭」と呼ばれる組織が支配しており、都市に住む人々は頭が定めた規則を守らなければならない。もし破ってしまった場合、処罰として即刻処刑されてしまうだろう。
地理としては都市の内部は26の区域が存在し、1区であるA社を中心に順番に右回りで分けられている。都市の周囲には列車が走っており、それが都市の外側「外郭」との隔たりを成している。
翼
都市の区域を治める26の大企業。翼は26の区域をそれぞれ1つずつ治めている。全ての翼がそれぞれ固有の特異点を所持しており、それらで都市の安寧と生活の質を高めている。
正式名称は存在するが、基本的には「A社」「B社」と頭文字で呼ばれることが多い。また翼に勤務する職員は「羽」と呼ばれる。
翼にはそれぞれ固有の規則があり、これを破ると「禁忌の狩人(タブーハンター)」と呼ばれる者に始末される。
これほどの大企業でも、特異点の喪失などで事業が成り立たなくなると跡形もなく崩れ去る。都市の住民達はこの出来事を「翼が折れる」と称している。空席となった区域には、そのうち別の企業が特異点と共に新たに翼の座に着く。
巣
都市の内部、翼が直接管理している場所。主に翼に勤務する者やその親族、一部の金持ちが暮らしている。巣の住民達は安心安全な生活を送ることができ、高いステータスとなる。そのため、裏路地の住民達は巣に入るために様々な方法を模索している。
しかしひとたび巣の中で事件が発生すれば、それは裏路地の比ではない大事となる。さらには翼が折れるといった事態が発生するなら、住民達は何の後ろ盾もない非力な存在へと成り下がる。
裏路地
都市の内部でも、都市の辺縁部、巣と巣の間、または外郭でも都市に近い区画。都市の住民の大多数はここに属している。
巣と比べると圧倒的に治安が悪く、殺人は日常茶飯事。また生活も非常に劣悪である。
「五本指」と呼ばれる裏組織が支配している。
外殻
都市の外部に存在する世界。翼の加護を一切受けない場所であるため裏路地よりも危険度は高く、生きていくことは非常に困難。
頭が「不純物」に指定したものが放逐される場所であるため、様々な怪物が周囲を彷徨っている。また、各地には正体不明の遺跡が存在する。
住民は一定数おり、中でも怪物退治を専門とした「狩人」と呼ばれる人がいる。
大湖
外郭から都市の南部に接する巨大な湖。正確には色とりどりの水たまりの集まり。
一定時間動かないものを襲う「波」、人間を襲う「鯨」「人魚」と呼ばれる生物が生息している。「鯨」の中でも特に危険な五匹は「五大災害」と呼ばれる。
翼一覧
A社 1区
「頭」と呼ばれる組織が直接管理している企業。都市の造幣や特許管理、翼の権限付与など、都市を生き永らえさせるための要素を全て握っている。
様々な特異点を扱う「調律者」が所属し、翼や世界の秘密に関わろうとする者を排除し都市の均衡を保っている。
B社 2区
頭と同種の集団によって直接管理されている企業。「目」たる凝視者が所属している。
都市全域の監視が主な役割であり、都市の住民達を絶えず見張っている。
C社 3区
頭と同種の集団によって直接管理されている企業。「爪」たる処刑者が所属している。
都市の一般的な治安維持を超える事態が発生した場合、調律者と共に派遣される。
D社 4区
背が高い針葉樹に囲まれた区域。特色フィクサー「黄緑の乙女」の出身地。
E社 5区
詳細不明。過去に煙戦争に関わっていたらしい。
F社 6区
「妖精」という特異点を持つ企業。妖精はすべての閉じられているものを開け放つことができる力を持ち、人体を紙のように切り裂くことが出来る。
煙戦争に参加していたが、こちらは現在も活動している。
G社 7区
現在2つの企業が確認されている。
- 現G社
「球」という特異点を持つ企業。球は埋め込んだ物体の重力を操作することが出来る。パンチの威力が増すグローブなど武器にも利用されている。
- 旧G社
人体の一部を虫に変化させる特異点を持った企業。この技術により無数の軍隊を成していた。煙戦争に参加していたが、その後何らかの理由で没落した。
H社 8区
詳細不明。旧H社は調律者によって没落した。
I社 9区
かつて煙戦争に参加していた企業。裏路地は「音楽の路地」として栄えていた。
J社 10区
「開かれている」「貫かれている」といった概念を持つ全てのものを閉じ込める特異点を持つ企業。単純な施錠だけでなく、「記憶」や「運」といったものも閉じ込めることも可能。F社の妖精と衝突すると品質が高い方が勝利する。
10区は巣から裏路地にかけてギャンブルが流行している「博打の巣」として有名。
K社 11区
高度なナノテクノロジーを持つと言われる企業で、生体を瞬く間に治癒する「HPアンプル」が特産品。食糧生産や生物の治療が主な産業。
巣の雰囲気はサイバーパンク風で、他の巣に比べて治安は良いらしい。毎年特定の月の夜に雨が降るらしく、住民は傘を差さずに雨を浴びる文化がある。これはK社のおとぎ話から生まれたものだそう。
L社 12区
現在の状態は不明だが、2つの企業が確認されている。
- L社・旧L社
正式名称は「Lobotomy Corporation」。心を物理的に抽出する特異点を持つ。
あり得ないほど格安でエネルギーを提供する会社として有名な企業であり、都市の各地で支部が建てられていた。
ある日突然、本社から光が吹き上がった「白夜・黒昼」事件により崩壊した。
- 煙L社
Lobotomy Corporationの前に収まっていた翼。煙を利用した特異点を持った企業。
こちらもエネルギーを提供していたが、こちらは高額で、排出される煙も有害なものであった。煙を吸った者は「急に誰かの幸せを願いはじめる」、「1日中その場に立ち尽くす」などの被害を受けていた。
後に「煙戦争」によって没落した。
M社 13区
正式名称は「MDM Enterprise」。「月光石」と呼ばれる特異点を持つ。月光石は見聞きするものにノイズを挟むことによって直視を避け、精神汚染を防ぐ効果を持つ。
N社 14区
正式名称は「Nagel und Hammer」。特異点は不明だが、主力事業は「自殺自販機」で、その他には「経験缶詰」を提供する。
N社の巣の建物は純白をしている。
14区には「録画の禁止」という規則がある。N社の管理区内にて録画行為が発覚した場合、タブーハンターにより視聴した者も含め、理由を問わず拉致または処分される。
O社 15区
詳細不明。
P社 16区
「どこでも安全な居場所を作る」がモットーの会社であり、巣だけでなく裏路地にも特異点を使用している。特異点が利用された建造物は伸縮性が高く、その中にいれば大抵のことで崩れたり沈んだりすることはないとのこと。
巣は近未来風なデザインをしている。
Q社 17区
詳細不明。
R社 18区
傭兵部隊の派遣を生業とする企業。特異点であるとは明言されていないものの完全な同一人物のクローンを産み出す技術を保有しており、T社の特異点と併用することで時間が加速した環境でクローン同士を殺し合わせ、短期間で熟練の兵士を生産している。
18区は要塞となっており、非常に硬くて頑丈らしい。
翼の内部での武力鎮圧業務や遺跡の調査などの仕事も行っているが、部隊の半数以上の死人が出ることも稀にあるらしい。
S社 19区
正式名称は「살피뼈 농축산(サルピッピョ農畜産業)」。特異点は不明。
T社 20区
正式名称は「TimeTrack」。時間を操る特異点を持つ。
T社の巣の住民のほとんどは「色」を持たず、モノクロの世界で暮らしている。一方特権階級の住民は特殊な道具で色を持つことが出来る。
時間をお金の代わりとして使うことができ、人によって一日の時間が異なる。平均的なT社市民は一日が20から28時間くらいだが、金持ちなら一日が40~50時間程にもなり、一日が100時間の大富豪もいる。逆に貧乏だと一日が10時間程度となってしまう。
T社には「1日4時間保障制度」なるものがある。これはどれだけ貧乏でも最低4時間は保証してもらえるというもの。
また、T社の巣で開発された技術は必ずT社による許可が必要になっており、それに違反して技術を隠し持っていると徴収職によって技術が没収される。
U社 21区
現状保存の技術を持つ翼。大湖の上に浮かべてある船に巣が存在する。
V社 22区
詳細不明。
W社 23区
空間転移の特異点を持つと言われている企業。特異点を応用したどんな場所でも10秒で到着する「Warp列車」が主な産業。
X社 24区
特異点は不明。特殊な合金を採掘し、商品として使用している。
X社の採掘地域は魔窟と呼ばれている危険な場所らしい。
Y社 25区
都市の最北端に位置する区域。
Z社 ?区
詳細不明。ただZの区域は地図には存在しないが…?