概要
ガーデンバースとは、普通の人間の他に稀に生まれてくる、「花生み」と「花食み」という特殊体質を持つ者たちのことを指す。
花を生み出す「花生み」と、その「花生み」が生み出した花を食す「花食み」が存在する。
この両者は互いの特性上、相利共生の関係となっている。
※原案者の意思により、本記事に掲載している設定以外の追加設定は創作者に委ねられており、一次創作、二次創作、BL、HL、GL問わず、使用可能となっている。
また、花食み×花生み、花生み×花食みの組み合わせ以外にも、花生み同士、花食み同士、花生みと一般人、花食みと一般人などといった組み合わせでのCP創作も可能。
その場合のブートニエールの結び方がどうなるかといった詳細も創作者側に委ねられる。
※なお、実在する特定個人や組織への誹謗中傷、政治的活動、宗教的活動を目的とした作品での使用は禁止とする。
他、質問・意見等には作者がこちらで答えている。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14912246
人種設定
花生み(はなうみ)
その名の通り、花を生み出す者。
髪の毛先に咲く者もいれば、涙が花に変じる者、肌から花が咲く者など、花の生み方は花生み個人で違う。
花を生み出すタイミングは完全にコントロールはできず、花を生み出す際には苦痛を感じる花生みもいる。花生みによっては、この体質のせいで体が弱い者もいる。
花を生み出す際にはエネルギーを消費する為、ほとんどの花生みはよく食べる傾向にあり、中には日光浴を好み、日光を自らの栄養素へと変換できる者もいる。
しかし花生みにとっての一番の栄養は「花食みの体液」である。
ブートニエール(恋人、夫婦関係にあること)である花食みの体液であれば、花生みにとって更なる活力をもたらす。
また、ブートニエールの関係にある花食みに愛されているという自覚があるほど、花生みが花を生み出す際の苦痛を軽減する効果を持つ。
ブートニエールの関係にある者や、体液を提供してくれる花食みが近くにいない花生みの為の栄養剤も存在する。
花生みは花食みの体液がなくても普通に生活が可能ではあるが、体調不良での食欲不振などの状況で栄養不足による著しい体力低下に陥ると、最悪倒れてしまうなどの可能性もあり、栄養剤を携帯・摂取する花生みは多い。
花食み(はなはみ)
その名の通り、花を食う者。
花生みの生み出す花を食し、自身の糧とする。
花食みは何らかの能力に秀でている者が多いが、その反面、性格面・精神面に不安定なものを抱えている者が多い。
花生み同様、普通の人間の食事も可能ではあるが、花生みが生み出した花は花食みにとって栄養価が高く、花を食するという行為は花食みの能力を維持したり、高めたりと、花食みにとって非常に有益な効果をもたらす。
花生みが生み出す花であればどんな花でも食せるが、相性のいい相手、特にブートニエールの関係になった花生みの生み出す花や体液は、花食みに最も美味しいと感じさせ、得られる効果も高まる。
この為、ブートニエールの関係に至った花生みへの愛情は特別深く、依存度・独占欲が強い傾向にある。
ブートニエールの関係にある花生みは、存在そのものが花食みにとっての精神安定剤となる為、花生みが生み出した花を栞やドライフラワーにするなどして、食する以外でも何らかの形で持ち運ぶことも効果的とされる。
設定解説
ブートニエール
花食みと花生みが恋人・夫婦関係になること、また、なっている状態のことを指す。
オメガバースで言う、番関係に近い。
ブートニエールになるには、花食みから花生みへブートニエールの申し出を行い、花生みがそれを迎え入れると心より決めた際に、花生みから蔦薔薇が生じる。
この蔦薔薇の棘により傷つくことを厭わず、花食みが薔薇を取り除くことでブートニエールが成立する。
和名呼称は「花結」(はなゆい、はなむすび)、「連理の花枝」(れんりのはなえだ)
以下はブートニエールの副設定。
こちらの使用は自由であり、使うか否かは使用者に委ねられている。
ブートニア
ブートニエールが成立している状態の花生みを指す。
花食みたちが花生みに対し、「恋人持ち」「人妻」「ブートニア」だと言った意味で使用することもある。
和名呼称は「花番」(はなつがい)、「対花」(ついのはな)
ラペル
ブートニエールが成立している状態の花食みを指す。
花生み自身が「恋人(伴侶)」「ラペル」がいると言った意味で使用することもある。
和名呼称は「花見鳥」(はなみどり)、「鶯」(うぐいす)
ブーケ
花食みが自身とブートニエールの関係にある花生みを指して使う。
花生みに対して甘えるときや、いちゃつくとき、他者に対して惚気るときに使用し、自身の花生みに近づく者に対しての牽制に使うこともある。
「花束」、「瑞花」(ずいか)
ルイン
一度ブートニエールになりながらも、死別や離別で関係を失った者を指す。
未亡人を指して使うこともある。
和名呼称は「没花」(ぼっか)、「一本花」(いっぽんばな)
箱庭・温室
花食みが花生みを囲う為の部屋、空間を指す。
花食みはその性格上、花生みを囲いたがる者が多く、ブートニエールの関係になった花生みの為に快適な環境に整えた部屋や空間を用意し、そこに愛する花生みを住まわせたがる。
また、独占欲が強い花食みに至っては、監禁に近い状態で花生みを囲ってしまう傾向にある。
ガーデニング
ブートニエールの関係にある花生みは、愛する花食みとの触れ合い(口付けや性行為)を長らく行えずにいると、花を過剰に生んでしまい、急激に体力を消耗する状態に陥り弱ってしまう。
花食みの好物である花を多量に生み出すことにより、どうにか愛する花食みを誘い、愛し合おうとする本能的行動であり、一番の抑止効果は性行為である。
普段からしっかりと愛し合っているブートニエールならば発生しうることのない現象の為、「ガーデニング」に至るまで花生みを放置することは花食みにとって最も恥ずべき行為とされる。
和名呼称は「狂い咲き」、「帰花」(かえりばな)。
その他の副設定
上記以外に存在する細かい設定。
こちらも同様に、使用するかは使用者の判断に委ねられている。
花体質
花食み、花生み、両方を纏めて指す呼称。
タッピング
花食みが花生みに体液を与える行為を指す。「水やり」という俗称もある。
この際花生みは体液を享受、吸収しやすくする為、脱力し花食みに身を委ねる態勢になる。
「蛇口(Tap)」と「(合図として)相手をとんとんと叩く」をかけた呼び名。
トライフル
花生みが花食みに花を与える行為を指す。
「花遊び」「花埋み(はなうずみ)」という俗称もある。
タッピングとは逆に花生み側が優位に立ち、花食み側が脱力し享受の態勢を取るのが特徴。
常にタッピングかトライフルか固定されているブートニエールもいるが、互いのその時点での精神状態(どちらが優位状態か、片方はそれを受け入れられる状態であるか)から、分け与え合う行為がタッピングになるか、トライフルになるかが変わるブートニエールもある。
「弄ぶ」(trifle)と「甘ったるいデザートの名前」からつけられた呼称。
ブーケトス
ブートニエール直後で幸福感が極まっている花生みは、花の甘い香りを強く濃く漂わせることがある。蝶を引きつけやすい香りであり、近くに蝶が飛んでいた場合は高確率でこの状態の花生みの周囲をふわふわと舞い続ける形になる。人間がこの匂いを嗅いだ場合、花生みも花食みも一般人も一様に多幸感をうっすら得る効果がある。
この状態・現象を「ブーケトス」と言う。別名「幸せのお裾分け」。
数日経過すると自然と解除される。
しかし、花生みの体質によっては幸福感が高まるたびにこの状態になりやすい者もいる。
和名呼称は「幸せのお裾分け」、「常初花配り」(とこはつはなくばり)
(常初花配り、がまどろっこしく感じる場合は「幸花配り」(さちばなくばり)とかでも良いかも…?)
アジサイ
花食みは食した花の量が飽和状態となり、かつ幸福感が高まっていると、花生みのように花が体外へ放出される事がまれにある。
元は花生みの花であるとは言え、この花は花食みに取り込まれていたものであり体液を含んでいるため、花生みがこれを食すと美味に感じられる。
放出方法は花食みによって様々だが、相手の花生みとよく似た放出方法になる事が多い。
花の放出時間は食べた花の量に比例するが、長くても一時間程度で収まる。
「幸福感が高まっている事」という条件上、深い愛情を抱き合うブートニエール関係にある花生みの前でしか生じないものである。
愛する者がいる環境下においてのみ体質が逆転したかと錯覚するようなこの現象を引き起こすため、「土壌によって花の色を変える性質」になぞらえ『アジサイ』と呼ぶ。
ようは『ブーケトス』の花食み版。
ただしブーケトスが「幸せのおすそ分け」と呼ばれ、周囲の人間に淡い多幸感を配り与えるのに対し、アジサイは『愛するブートニアと二人きりの時にしか発生しない』という性質がある。
独占欲が強いとされる花食みらしい現象であるとも言えるだろう。
※注記──
こちらリバのように受け取れる設定にも見えますが、特にリバを推奨する設定ではありませんし、かと言って否定するものでもありません。
どのように扱うかはあくまで各作者様次第です。
かつ「攻めが必ず花食み体質でなければならないと言うわけではなく、受けが花食み体質でもいいのですよ」というある種の提示でもあります。
ヤドリギ
ブートニエールの関係ではないが、定期的に体液と花を交換・供給する仲にある花生み・花食みを指す。
ヒヨドリ
ブートニエールになっている・なっていないに関わらず、複数の花生みを自分の為に抱えている花食みを指す。
ヒヨドリが様々な花や木の実を食い散らかす様、それが浮気性な姿にも見えるところからついた呼称。
ネペンテス
ブートニエールになっている・なっていないに関わらず、複数の花食みを自分の為に抱えている花生みを指す。
つまりヒヨドリの逆。
ウツボカズラ(ネペンテス)の甘い香りを用いた食虫植物としての活動、他植物に寄りかかり生育し水やりが細やかに必要な生態、他動物を捕食・あるいは互恵関係となれる点からついた呼称。
俗称として「葛(カズラ)」と呼ばれることも多い。
エデン
完璧に調和の取れている、完成したブートニエールの箱庭。
完全な二人の世界が出来上がっている、究極型とも言える。
和名呼称は「翡翠園」、「楽園」
バースレス
花食みから与えられる言葉や態度といった何かしらにより精神的ショックを強く受け、花生みが花を生めなくなった状態を指す。
花の放出のしすぎでも衰弱を起こすが、その逆もまた然りで、毎日放出していたものが一切出なくなる為、早々に体調不良を起こす。
むくみから始まり鈍い頭痛や腹痛、全身に痛みが走る、吐き気と個々人によって症状は変わるが、花の生成が長期に渡り止まり続けると意識喪失・植物状態にまで至る。
俗称として「花詰まり」「根詰まり」という呼び名もある。
解決・回復方法はその花食みと花生みの関係によって様々である。
ヴィジテーション
花生みがバースレス状態で放置され続け、意識を失い植物状態が続くと、稀ではあるが体内に溜め込んだ花に蝕まれ、肉体が植物そのものと化す現象が引き起こされることを指す。
花食み含む多くの関係者が涙をのんできたとされ、ここから花生みを元の姿形へと引き戻すのは非常に困難であるとされるが、完全に不可能というわけではない。
バースレス状態からの回復方法と同じく、花食み次第であるとも言える。
また、結びつきが深く強い状態になっているブートニエールにおいて、花食みが先立った際、花生みがヴィジテーションを起こし植物と化す事例も稀に見られる。
「愛するラペルの墓に寄り添い、そのまま大きな樹木と化したブートニア」といった伝説等が密やかに残されている。
和名呼称は「花蝕」(かしょく)
アレンジメント
花生みでも花食みでもない一般人が、花生みや花食みと結びつき深く愛し合う関係になると、大変まれではあるが花生み・花食み、どちらかの体質に後天的に変異する事がある。
花にまつわる体質であり、愛情の有無により様々なものが左右される体質でもある者の体液を、愛情と共に長い時間かけ与えられ続け、それが無理なくゆっくりと体に染み込んでいき肉体が順応していった結果、と言われる。
「移し花(うつしばな)」と言う俗称もある。
また、花生み同士、花食み同士で愛し合う仲である場合でも、ごく稀に「片方が逆の体質に変化する」事がある(すなわち、花生み同士の恋人の片方が花食みに変じたり、花食み同士の恋人の片方が花生みに変化する)。
こちらもまた体液や花を口にし合う中、長い時間をかけ、ゆっくり肉体・体質を変化させていった結果である。
ただし変異する側はまっさらな一般人とは違い元々既に花体質であるために、愛情と時間だけでなく「互いの強い願い、互いの同意、変化する意思」がなければ成しえない。
こちらの俗称は「変花(へんか)」と言う。