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クライマキナ

くらいまきな

我々が住む地球ではない、どこかの惑星での話。 二〇二八年、離心病と呼ばれる不治の病による人口減少、それに伴う社会混乱、資源枯渇を発端とした世界大戦によって人類は滅亡した。人類史末期に打ち上げられたロケット・播種構造体エデンでは、滅んだ人類に代わって機械が人類再生に向けた研究開発を行っており、八体の自己進化能力を持つ機械・神機がその中枢を担っていた。

『クライマキナ/CRYMACHINA』は、アクリアが開発し2023年7月26日にフリューより発売されたアクションRPG

概要


人類滅亡から二千年後、機械だけが存在する宇宙船・播種構造体エデンにおいて、本物の人間になるために戦う機械少女たちの生き抜く物語が描かれる。


作品のコンセプトは「生き抜くカタルシス」で、物語のテーマは「機械と人間」「殺生と愛」とされる。


タイトルのクライマキナは造語であり、叫ぶという意味のクライ(cry)にラテン語で機械を意味するマキナ(machina)を合わせている。


開発には『CRYSTAR -クライスタ-』(2018年)を手掛けたスタッフが参加しており、プロデューサーの林風肖は関連性について『完全な続編ではないが、不条理な世界で活躍する女性を描くという点では精神的系譜作に当たる』としている。


開発


『モナーク』の開発中に立案、企画が始まった。綺麗な形で終わったクライスタを流用するのではなく、新しい世界を作って機械の少女が活躍するものにしたいとの考えから、クライスタとは別の世界観が設定された。キャラクターデザインは当初、クライスタのデザイン担当だったリウイチに依頼されたが、当人からSFやメカの世界観により精通したデザイナーを選ぶことを提案され、ろるあが起用された。


物語のテーマである「機械と人間」「殺生と愛」にはレッテル差別に対する否定が込められており、人間だから尊いという無条件のレッテル貼りを避けるため、主人公達は機械と設定された。また愛を描くにあたり、男女だからという理由を避けるため、主要人物は全員女性に設定された。

登場人物


エノアが選定したE×P(人間性)に適性を持つ少女の総称。E×Pを高めてアントロポスの人間定義を満たすと、そのE.V.E.はエデンにおいて人間と認められるとされる。 作中において、全ての機械はロボット三原則に基づき、より人間に近いものに対しては「反逆抑制機構」によって敵対行動の阻害が発生するようになっており、機械の義体に人格データをダウンロードすることにより相対的に戦闘能力が高くなる。 しかし、実際は開発者アダムがアントロポスに仕込んだ時限ウィルスによって人間性定義が「どれだけ娘リリーに似ているか」に改竄された挙句、元となる母星の情報も異星人のものと混ざり合って分離不可能な状況となっており、正常な形での人間再生を成すためには一旦システムを丸ごと再起動させるしかなくなってしまっている。 本来、エデンに記録があるはずの「人類」の姿は4本腕・3つ目の姿をしており、彼女たちの外見は異星人である「地球人」を元にしたものである。


レーベン・ディステル

声 - 紡木吏佐

主人公。エノアによって再生された人格データ。17歳の時、離心病で死亡した。存命時は不幸だらけの世の中にうんざりしており、特に人間を嫌っていた。唯一、妹のユリにだけは心を許していたが、そのユリも自分より先に離心病で亡くなってしまった。機械とクジラが好き。

その正体は、第一神機プロパトールが愛してくれない人間の代わりに機械に愛を注ぐためにE.V.Eにコンバートした姿。しかしその影響で、記憶と第一神機としてのイデアコードを失ってしまう。しかし、もしもの為に第二神機エクレシアにバックアップとして記憶と第一神機としてのイデアコードを預けている。

性能はアミとミコトの中間ともいえるオールラウンダー。

千菊ミコト

声 - 青木瑠璃子

エノアによって再生された人格データ。18歳の少女。趣味は映画鑑賞。苦楽を共にした者は家族であり、家族とはお互いの帰るべき場所という価値観を持つ。また物事を主張する際に英文を引用したり、自身の行動をカッコいいと表現とする等、独特の美学と義侠心を備えている。

E×Pへの適性が高かったため、リリーのターゲットとなる。結果、義体の首を切断されて持ち去られ、人格データを回収するまで戦線離脱する。

性能は機動力・攻撃速度が高めで、自分よりレベルの低い相手へのダメージアドバンテージを得る「否定性」のステータスが高め。

柴藤アミ

声 - 髙橋ミナミ

エノアによって再生された人格データ。18歳の少女。存命時は両親から歪んだ愛情を向けられ、人形のように愛される娘を演じていた。後に自分が不倫によって生まれた子供だと判明すると、それまでの愛情が嘘のように父親からは暴力を受け、母親からも見捨てられる。こうした過去から見返りを求めない愛こそが本物だとしており、愛されるために愛するという行為を嫌悪している。実は、ミコトとは当初は「来世でもわかり合えない」とまで言うほど仲が悪かった。

当初はE×Pへの拒絶反応により義体を動かせなくなっており、戦闘には参加しない。ミコトが戦線離脱した際、E×Pの問題を取り除いた「EXP」への返還によって義体が使用可能になり、ミコトと入れ替わりで参戦する。

性能はミコトとは逆の鈍足パワータイプ。振りが遅く攻撃の度に隙を晒してしまうが、自分よりレベルの高い相手からのダメージディスアドバンテージを減らす「安定性」が高いため、高レベルの敵との戦闘ではかなり頼りになる。

ハヤト

声 - 井上ほの花

ゾーエーがエノアから盗んだ人格データ。18歳の少女。自分と共に盗み出されたヴィダ、ジャン、ハイムの四人でチーム・トリニティを結成する。トリニティのリーダーとして振る舞うが言葉の誤用やドジが多く、威厳を保てずにいる。チーム名を考案したのは彼女で、名前を考える際にチーム人数に自分を含めなかったため「三位一体」を意味するトリニティを採用した。

義体製作を担当するゾーエー配下であるため、そのボディは一般的なものに比べて性能が高い。ただし、E×Pが低く抑えられているため、人間性の差で後れを取ってしまっている。

ヴィダ

声 - 小岩井ことり

トリニティの一員。18歳の少女。常に気怠げでトートロジーな物言いを好む。

ジャン

声 - 近藤玲奈

トリニティの一員。18歳の少女。ハヤトの補佐役で、事実上のまとめ役。

ハイム

声 - 関根明良

トリニティの一員。18歳の少女。物静かで薄幸体質。

リリー

声 - 木野日菜

エデンにおける最初の人間。しかし、プロパトールたちの前に出されたそれは人間性定義を盾にして暴虐の限りを尽くす暴君で、プロパトールは人間という存在に絶望することになる。彼女の目的はただ一つ、愛する姉イブの再生であり、E.V.E.計画はその為だけに発足された。

人格データによると本来のリリーは愚かながらも純朴で善良な少女であり、離心病による死の恐怖と、アントロポスがリリー候補のE.V.E.へ選別と称した殺し合いを強いた事で人格が著しく変貌してしまった。

イブ・ノイマン

声 - 豊口めぐみ

エデンプロジェクト最高責任者でリリーの姉。血のつながらない妹と愛してくれない両親という複雑な家庭環境で育った天才児。ミコトに近い性格だった様子。

実はコールドスリープ状態でエデンに搭載されており、異常発生時に復活して最高権限によってエデンを再生させる役割を持つ。頭部からは脳が取り除かれて胴体に改造を加えた上で埋め込まれており、E.V.Eをまがい物として冷徹に抹消しようとする。

当時忌避されていたデザイナーベビーであり、多くの人間から化け物と蔑まれて生きていた。それゆえ、「人間になりたい」という強い渇望を抱えている。一応恋人(女性)もいたが、それでも彼女の劣等感は埋められず、最終的には己の魂の尊厳すら手放し人類意志の傀儡になる道を選んだ。しかし、資料によるとエデンには「9匹の実験動物が搭載された(後述するように実験動物としての猫は8匹しかいない)」と記されており、ここまでしてなお彼女は人間扱いされていなかったことが伺える。

リリーは彼女の復活を試みたが、「オリジナル」が存在しているがために模倣イブ(E×Pを大量に与えたミコト)は覚醒することがなかった。

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