概要
作者の中沢啓治が戦時中に飼っていた子猫との思い出をもとにして描いた絵本。幼い子供達と子猫との心温まる交流、そして原爆により理不尽に小さな命が奪われる様を描くことで命の大切さと平和の大切さを訴えた、『はだしのゲン』番外編ともいうべき作品。
1990年には被爆45周年の企画作品としてアニメ映画化された。原作では主人公は作者をモデルにしたと思しき男の子だったが、アニメでは女の子になっている。また子猫は原作では真っ黒の黒猫だが、アニメでは黒主体に白が入る黒白の毛色である(恐らく真っ黒だとアニメでの動きや輪郭が描きにくいため)。作者がモデルのため原作では主人公の母を除く家族も原爆によって亡くなってしまっているが、アニメでは父が負傷したが家族は生存していた(実家が爆風で崩壊してしまったことで圧死や焼死した作者の家族と違い、本作の父と弟は被爆時に主人公同様に外出中で、母は防空壕内の掃除をしていたため助かったという展開になっている)。そのため子猫の死がより大きな主題になり「戦争で奪われるのは人間の命だけでなく、多くの生物の命、大切なものまでも奪われる」という事実を訴える内容になっている。