概要
10~30代前半に多く発症することがあり、良く似た症状を持つ潰瘍性大腸炎と合わせてIBD(Inflammatory bowel disease:炎症性腸疾患)と呼ばれる。
病名のクローンとは、この病状を発見したアメリカの医師ブリル・バーナード・クローン氏の名前からつけられており、いわゆるクローンとは無関係。
病因・症状
先に記述した通り、現在も原因不明の難病。現時点では自己免疫疾患と考えられている。
日本においては若年層に多く、また欧米先進国での発症者が非常に多いことから食生活に起因するものかと思われてはいるが、直接的な原因と決まった訳ではない。
この病気を発症すると、消化器全般(潰瘍性大腸炎との違いはココ)に潰瘍性の炎症が発生し激しい腹痛や下痢を患う。
致死率は低いが、かなりの苦痛を伴う。また、稀に腸閉塞や敗血症などの重大な合併症を起こすことがある。
治療
現在、完治に至る薬剤こそ無いものの病状を緩和するのに有効とされる薬で症状を抑えながら(薬にもよるが個人差が著しい)の闘病生活となる。
症状の軽い状態ならば食生活にコレといった制限こそ無いものの、症状が重くなると低残滓性(腸に固形物を残さない、極めて消化の良い食べ物)の食事しかとれなくなる。
現状
概ね潰瘍性大腸炎と同じ。
つまり、健常者にとっては「ただの下痢」扱いされる事が多く、何かと誤解を受けやすい。現在でこそ幾らか理解は得られる様にはなったものの、広く認知されたとは言い難い。