コウナズ
こうなず
不登校で不眠症の中学2年生・夜守コウはある夜に、誰にも言わず1人で外に出た。夜に出会った不思議な少女・七草ナズナは吸血鬼で、コウの血を吸ったところから2人の関係は始まる。人間が吸血鬼になる方法は、吸血鬼に恋をすること。夜と、夜を楽しむナズナに魅せられて、吸血鬼になりたいと思ったコウは、ナズナに恋をするため一緒に過ごすようになる。
未だ恋をしたこともなく、恋とは、人を好きになるとは何か分からないコウ。そんなコウを小悪魔のように誘ったり、からかったりするナズナだが、本人も恋愛経験がなく、下ネタは好きだが恋愛話にはめっぽう弱い。加えて照れ屋で、からかうつもりが、何気ないコウの一言にカウンターを食らってよく赤面している。また、ナズナは特殊な出生ゆえに人との関わり方や貞操観念が普通と少しズレている面がある。そのため、『友達』のコウと添い寝したり、手を繋いだり、キスをしたりと、ナズナとの日々はコウにとってやや刺激的なものになったと思われるが、コウ本人はまんざらでもない様子。
お互いの呼び方は『ナズナちゃん』『コウ君』。まずは友達から始めるため、距離を縮めるためにコウが『ちゃん』付けで呼ぶことにして以来、対抗してナズナも『コウ君』と呼んでいる。
眷属になることが目標のコウはナズナを好きになるため奮闘する。しかし、『友達』として関係が始まった2人は、夜に起こる様々な出来事を経験していくにつれ、徐々に惹かれあっていく。
「コウ君が惚れるような吸血鬼になるから」
物語序盤は『需要と供給』と称し、ナズナはコウの美味い血を吸うが積極的には眷属にしない関係だった。夜に散歩したり、ゲームをしたりしてよふかしをして『友達』としての関係を続けていた2人。
しかし、『吸血鬼のことをよく知る人間は生かしておけない』という理由で他の吸血鬼から命を狙われる局面になった際、ナズナはコウを自分に惚れさせ、眷属にする決意をする。(原作5巻)
「この感情が恋じゃないなら」
恋とは何か、人を好きになるということが何か分からないコウ。定期的にナズナに吸血はしてもらうが、眷属にはなれず、未だコウはその答えに辿り着けないでいた。
この際コウは、「きっと生まれて初めて自分以外の誰かを大切だと思った」「こんなにいつも一緒にいるのに、またすぐに会いたくなる」「この感情が恋じゃないなら、じゃあなんなんだよ」とナズナへの想いをモノローグで語っている。(原作6巻)
「僕はただ、ナズナちゃんのことをもっと知りたい」
人間時代に思い入れのあった品が吸血鬼の弱点と判明し、記憶がないナズナの過去を調べることになった2人。少ない手がかりを元にナズナの生い立ちを知ったコウは、自分が好きになる予定のヒトがまだ恋をしたことがない事実に内心ホッとしていた。同時に、ナズナのことをもっと知りたいと思うようになり、自分探しによりいっそう協力するようになる。想っているヒトのことを知りたいと思うのは、ごく自然なことなのではないだろうか。(原作7巻)
「んちゅ」
探偵こと鶯餡子との決着後。腹を撃たれて入院中のコウの元へナズナが来る。ナズナと餡子の因縁にコウが力になってくれたことに、ナズナは「あたしがどうにかしなきゃいけなかったのに、なんにもできなくてごめん」と謝罪をするが、一方コウは「そんな顔しないでよ」と伝える。ここでナズナからの不意打ちのキス。掛け声は「んちゅ」。感謝の気持ちを伝え、2人の距離はまたひとつ縮まったようだった。(原作10巻)
「半吸血鬼化」
痛みと流血で一時的に吸血鬼になる『半吸血鬼化』の力に目覚めたコウ。その不安的な能力を制御できるようになるために、ナズナと半吸血鬼化の訓練をすることになる。
暴走したコウと対峙するナズナ。殴り合っているうちに、決裂したマヒルへの怒りを「絶対謝らせてやる」とようやく言葉にできたコウは、一本化された意思により半吸血鬼化の力を御せるようになる。
以降、ナズナに守られるばかりだった関係が形を変え、コウも吸血鬼同士の争いに介入するようになる。(原作11巻)
「このあたしの眷属になる男だろ。」
マヒルを追ってやってきたのは修学旅行先の北海道。遠い地で出会った七草ハルの眷属・ハルカに、情報を話す条件としてナズナと一回デートすることを提案される。
「バーーーーカ!!!」「んだとてめえこのクソゴミクズ野郎…!!」とハルカに対する怒りを露わにするコウ。嫉妬心の強いコウに対してナズナは、デートを受け入れることについて「お前の目的のためだろ」と一括入れると同時に、「堂々としてろよお前は、このあたしの眷属になる男だろ。」と伝える。自分の目的のために嫌なことでも受け入れようとし、将来の眷属として認めてくれているナズナにどきりと胸を鳴らすコウだった。(原作15巻)
「マジ…?」
マヒルとキク、2人が選んだ道を見届けて、北海道から帰ってきた一行。北海道で約束していたハルカとのデートに嫌々ながらも付き合うナズナだったが、気取ってばかりかと思いきやカラオケやゲーム、居酒屋といった気の置けないデートに楽しさを感じていた。ハルの眷属であるハルカを『キョーダイ』『兄貴』と例え、楽しい時間を過ごす一方、親友の死に思うところ多いコウとどう関われば良いのか悩んでいるナズナ。
直後久しぶりに会ったコウに「久しぶり」「元気?」「散歩とかしない?」と話しかけられ、同じ異性でもハルカとは違った一線を画す想いを抱えていることに気付き、ナズナは己の恋心を自覚してしまう。(原作17巻)
5回
2回目:第68夜
ナズナが思い出した、『好きな場所』こと夜の展望台に行った2人。夜景を眺めながら手を繋ぐ。そこでコウは「どーせ長生きするんだし、いろんな場所に行こう、好きな場所をもっと増やそう」とナズナに約束する。
3回目:第135夜
マヒルを追うため、修学旅行に参加することになったコウ。いざ久しぶりに昼の学校に登校する。帰り道に会ったナズナに「なんかナズナちゃんに会いたくなったよ」と言うと、どちらともなく手を繋いで歩き出した。
6回
1回目:第8夜
幼馴染の朝井アキラと再会し、定期的に会っていたコウ。アキラに「一緒に学校に行こう」と誘われ、言い淀んだコウに不満を露わにするナズナ。初めてした喧嘩(といっても一方的に怒ってるだけ)の後に和解した際、転んで血の出たコウの口元に、ナズナがキスをした。これがお互いのファーストキス。
2回目:第22夜
『眷属になるつもりがない人間を生かしてはおけない』という理由から、桔梗セリを始めとした吸血鬼達に連れ去られたコウ。誤解が解けたところで迎えにきたナズナが、去り際に「あ、そうだコウ君忘れてた」と大胆にも全員の前でコウにキスをする。以前仕事を手伝うことを条件に、ご褒美のキスをすると約束していたのだ。
3回目:第46夜
吸血鬼になることへの躊躇いを感じていたコウを想い、ニコの元へ行ってコウを見逃してほしい旨を直談判しに行ったナズナ。当然反感は買うが、一年以内にコウを自分に惚れさせることを条件に一時的に見逃してもらうことになった。「退屈なんてさせない、俺といよう」と言ってくれたコウにキスをして、ナズナはコウが惚れるような吸血鬼になることを誓った。眷属を作らず、長いこと1人で生きてきたナズナにとって、コウとの日々はかけがえのないものになっていた。
5回目:第94夜
探偵こと鶯餡子との決着後。腹を撃たれて入院中のコウの元へナズナが来る。ナズナと餡子の因縁にコウが力になってくれたことに、ナズナは「なんにもできなくてごめん」と謝罪をするが、一方コウは「そんな顔しないでよ」と伝える。ナズナからの不意打ちのキスをし、感謝の気持ちを伝えた。
第169夜にナズナがコウヘの恋心を自覚して以来、『吸血鬼が好きになった人間の血を吸うと死んでしまう』という事実から、ナズナはコウから一切血を吸わなくなってしまった。ナズナがコウを好きである以上、眷属にすることはできなくなったため、いずれはコウの前からナズナは消えなければならなかった。『今だけ、もう少し、浸っていよう。どうせ終わりは近いのだから』とコウとの時間を惜しみながら、自分の想いを殺して過ごすナズナ。
しかし、コウは徐々に血を吸ってくれないナズナの異変に気付き始める。「自覚していないだけで、本当はもう好きになってるってこともあるのかな…」と悩みながら、コウは自分のナズナに対する感情と向き合い始める。
そして訪れた187夜。
コウと口論をした末、ナズナが「あたしはね、君のこと好きになっちゃったんだ。だからもう吸えないんだ。」とようやく想いを吐露する。
自分に告白するナズナを見て『ただ本当に綺麗だと思っただけ。月に照らされた君が、今までで1番』とモノローグ中で語るコウ。告白直後に腰を抜かし、「両想いかぁ〜…、マジかぁ〜〜…」とようやくここで己の恋心を自覚した。
おめでとう。想いが通じ合って本当に良かった。コウナズ万歳結婚しろ。
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