「そろそろ思いっきり暴力を振るいたい気分だ」
プロフィール
概要
元第五聖騎士団の団長で、女神を殺した罪により勇者刑に処された悪名高い《女神殺し》。勇者刑に処すの主人公であり、本編は主に彼の視点で描かれている。
人物
かなり怒りっぽい性格。簡単に手が出るところがあり、ドッタやベネティムからは暴力の化身と思われている。実際に作中ではドッタの全身の骨を折って修理場送りにしており、ドッタがしたことを思えばやりすぎとも言い切れないが、暴力の化身という評価も妥当なところ。
舐められるのが我慢ならないという理由で無謀な作戦に全力で取り組んだり献身的な活動をしてしまう難儀な性格をしている。女神の自己犠牲的な在り方に反発を覚え、はじめテオリッタと衝突した。民間人を守ろうとするなど、他の勇者たちと比べればかなりまともな倫理観の持ち主である。
女性からの好意に疎く、フレンシィやパトーシェからの好意にまるで気づいていない。勇者の恋愛の機微がわかる順では不明のタツヤを除けば下から二番目であり、ライノーよりわかっていないことが判明している。趣味は読書で、詩集を好む。実は自分でも詩を書いている。
経歴
元はフォルバーツ家という貴族の生まれだったが魔王現象に巻き込まれ両親を亡くし、天涯孤独の身となる。数年間マスティボルト家で育てられており、家の存続のためフレンシィと婚約した。その後聖騎士団に入団し、第五聖騎士団の聖騎士団長に就任。《女神》セネルヴァと契約し、聖騎士団でもトップタイの魔王討伐数を誇っていた。しかしある時、予定されていた援軍が来なかったことにより部隊を全滅させてしまう。この時魔王現象に侵食されかけていたセネルヴァの願いを受け彼女を殺害したことで前代未聞の《女神殺し》となり、勇者刑に処された。数奇な運命によりテオリッタと契約を結んだことになってからは、魔王『オード・ゴギー』・ゼワン=ガン坑道の魔王・魔王『イブリス』を立て続けに撃破し、空飛ぶ稲妻・魔王狩り・雷鳴の鷹といった名で再び英雄視されつつある。
能力
作中では主に「ザッテ・フィンデ」と「飛翔印サカラ」の二つの聖印を使用して戦う。ザッテ・フィンデには祝福を物体に浸透させて破壊兵器に変える能力が、飛翔印サカラにはごく短時間ではあるが飛行に近い跳躍を可能とする能力がある。特にザッテ・フィンデは剣を召喚するテオリッタと非常に相性が良い。
体中に刻んだ聖印は空中戦をコンセプトにして設計された「ベルクー種雷撃印群」と呼ばれるもので、全盛期は十種以上搭載されていた。勇者になってからは上記二つの聖印を除いて機能を停止させられている。現在停止された聖印として音響により索敵ができる探査印ローアッド、最大射程と破壊範囲がザッテ・フィンデより大きいカルジッサ、城壁すら貫通するヤーク・リイドといった聖印が回想されており、聖騎士時代は今以上に暴力の化身であっただろうことが窺える。
余談
原作は基本的にザイロの一人称で書かれている。そのおかげで一部のキャラクターの外見がほとんどわからない、ザイロ視点の人物評が当てにならないといったことがあった。二巻では実際にパトーシェに「この男の人間観察能力はあまりにも低すぎる」と言われてしまっている。