概要
ヴォーカの町を拠点に活動する薬師の老女。
ペットの手長猿ジェリコと共に暮らしている。
師を求めたレカンを受け入れて調薬と魔法を伝授し、危うげな弟子を「剛剣」になるように導いていく。
遠出や薬草採取の際は姿を変え、シーラの孫ニケと名乗っている。
正体はマハザール王国を滅ぼした魔女エルシーラ。
賢王の寵愛を受けた末に人体実験で不老不死の妖魔となり、カーラ・スーラ、マザーラ・ウェデパシャ、サンドラと名を変えながら各地を転々としている。年齢は350歳以上。
作中屈指の最強賢者にしてレカンが頭が上がらない唯一の人物。
弟子にはスカラベル、アリオスの祖父母ムドゥクとショーン、ジザの祖母エラなど大成した者もいるが破滅した者もいる。
人物と能力
人物
温和ながら飄々としており、冷酷さを併せ持つ。
弟子レカンを我が子同然のように接し、技術だけでなく精神的な部分でも教え導いている。ちなみにがめつく、人(主にレカン)によっては容赦がない。その一方でエダには甘く、彼女には試練を与えず好意的に受け入れ、魔法を教示した。ちなみにエダが純真なので負い目からニケの正体を隠している。
良くも悪くも我が道を進んでおり、レカンとは似た者同士である。
静かな暮らしを望んでおり、公で活動はしない。訳あって迷宮には二度と入らないと誓っている。
魔道具技師ヤックルベンド・トマトとは複雑な関係であり、彼女から拠点を貸し与えられている。
かつては各地の大迷宮を踏破しており、攻略数は未知数。
元は地方貴族の令嬢で、王太子の側室なるべく王宮に入ったが美貌と知性に惚れこんだ国王の目に留まり教育を受ける。賢者の才覚に目覚めたものの、国王の寵愛で不老不死の実験を受け妖魔化。更に暴走した国王と王子達の悲劇が重なり国は崩壊した。
その経緯は〈魔女エルシーラ〉の悪名として吟遊詩人により歪んだ形で世に語り継がれている。
生は人間だが、魔石による実験で種族は妖魔に当たる。
能力
メインウェポンは剣と杖。金級冒険者ニケでは〈彗星斬り〉を操る前衛型の剣士。
古代魔法や現代魔法全てを操り、無詠唱かつ無呼称で魔法を発動させる事ができる。
調薬だけでなく錬金術など多彩な技能を持ち、まさに賢者として相応しい実力を兼ね備えている。
しかし種族の特性上、〈浄化〉は致命的な弱点である。
容姿
書籍版挿絵とコミック版では異なる。
書籍版では白髪を一つに結い、灰色の瞳を持つ老女。ニケの姿は金髪で少し露出した格好をしている。
コミック版では両方の姿も側頭部に髪を二つに下ろし、後ろ髪を簪で結っている。
うら若き美しい姿の年齢は約18歳。
ネタバレ
かつての弟子〈薬聖〉スカラベルの来訪により、彼の善意から上級〈浄化〉を受ける。
妖魔族と化した肉体は〈浄化〉により弱体化し、若き姿に戻れなくなる。シーラは姿を消し、ジェリコをエダに託し、学士サンドラと名乗って新たな生活を送り始める。
レカンとの関係は途切れた訳ではなく、度々姿を現したり密かにヴォーカの拠点に戻ったりしている。
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更なるネタバレ
レカンのスキル〈生命感知〉〈魔力感知〉の色判別をヒントに観察装置と記録装置で異世界竜ヴルスの魔石を復活させる。
この差異が生じる瞬間に生命素子の螺旋模様を発見。膨大な魔石で種族を変化させる事がわかり、異世界竜ヴァリフォアの魔石で再び自らの肉体に実験を施し、人間として再誕した。
これにより本来の寿命に戻り、〈浄化〉での延命も可能となった。