解説
型式番号RGM-88X(あるいはRGM-90)。アナハイム・エレクトロニクス社が開発した地球連邦軍の先行試作型モビルスーツ。
連邦軍はグリプス戦役終結時点で、ハイザックやマラサイと言ったティターンズにおいて多用された機体を主に使用しており、ジオン色の強いこれら2機に代わる機体を欲していた。しかし、戦役以前に開発されたジムⅡは技術的にも性能的にも前線運用には耐えられない上、エゥーゴが使用していたネモは装甲材にガンダリウム合金を採用した事によってコストパフォーマンスに難があり、そのまま連邦軍の主力機とする事ができなかった。
そのため連邦軍は、カラバが主体となって改修したジムⅢを当面の繋ぎとして投入しつつ、アナハイム社に戦役中に培われた技術を活用した新たなジム系モビルス-ツの開発を委託。
アナハイム社は従来のジム系やネモとの互換性を考慮しつつ、ガンダムMk-Ⅱに採用されたパーツや技術を多用する形で、要求水準を充分満たすだけの性能を持った本機を完成させた。
しかし、抗争終結後に連邦軍が再び軍縮を開始した事もあり、性能面は充分でもコスト面の問題でそのまま量産する事ができなくなったため、さらなる低コスト化を図り、かの傑作量産機『ジェガン』が誕生する事となった。
実機は6機製造されており、うち1機が試験中に大破、2機が予備パーツ確保のために解体され、残った3機は外郭部隊ロンド・ベルのクラップ級巡洋艦『ラー・ザイム』で実戦投入されており、かのアムロ・レイ大尉も専用に改修された3番機を運用したとされている。
武装
バルカン・ポッド・システム
オプション化された頭部バルカン砲。ジェガン同様、左側頭部に装備される。
ビームライフル
右側面にセンサーを装備したやや大型の主兵装。威力はガンダムMk-Ⅱが使用していたXBR-87Dと同等。
ビームサーベル
バックパックに2基を装備。ガンダムMk-Ⅱと同型のものとされるが、柄に動力ユニットが内蔵されているかは不明。
ハンドグレネード
両腰に装備された計6発の実弾火器。
グレネードランチャー
シールド
ガンダムMk-Ⅱが採用していたものの発展型。近接戦時のスライド機構を残しつつ、打突武器として積極的に使用できるようにややいびつな形状をしているのが特徴。
バリエーション
アムロ・レイ機
ラー・ギルス救援時の戦闘でリック・ディジェ改を失ったアムロ用に、ジェダの三番機を改造した機体。胸部には増加装甲を装着し、隊長機仕様として頭部右側にブレードアンテナが追加されている。
ジェダキャノン
ジェダをベースに中距離戦用に再設計を行なった機体で、ジム・キャノンⅡやジムⅢパワードFAなどの特性を受け継いでいる。
頭部には背部キャノンの放熱からセンサーを保護するマスク、胸部には増設装甲、前面スカートには装備バランス向上を目的としたスラスター内蔵型アーマーが追加されている。
武装面においては両肩の6連ミサイルポッドのほか、両腕にショートシールド一体型ダブルビーム・ライフルやハイパー・ビーム・サーベルを内蔵、背部にはビーム・キャノンが2門追加されており、対艦戦闘から中距離支援までこなせる機体となった。
ウバルド・モリーナ大尉は、自機のジムⅢパワードFAの愛称「ブルドック」に続き、ジェダキャノン・ブルドックを省略して「ジェダブル」と命名した。
小話
小説作品『機動戦士ガンダム~逆襲のシャア~ ハイ・ストリーマー』が初出。
模型雑誌『B-CLUB』で上記の設定が作られ、コミック作品『機動戦士MOONガンダム』で更に設定の微調整がされた。
この3作品全てでデザイナーが異なり、機体デザインも刷新されていった。
イラストにあるのは後新作の『機動戦士MOONガンダム』のもの。頭部にレドーム、腰部にアーマーと大型スラスターが付いてるなどコストが高くなった原因であろうパーツ群が盛られている。