概要
Disney社の映画「ラテンアメリカの旅」「三人の騎士」に登場するJosé・carioca(ホセ・キャリオカ)の、ブラジルでコミカライズされた作品のタイトル及びコミックの主人公の名前。
日本のファンからの愛称は「ゼカリ」。
※ZéとはブラジルでのJoséの愛称。
Joséの「ホセ」呼びはスペイン語、現地ブラジルではポルトガル語の「ジョゼ」呼び、またアメリカの初期のコミックやオランダのコミックではJoe(ジョー)と呼ばれている。
プロフィール
ブラジルのディズニーコミック「Zé carioca(ゼ・カリオカ)」の主人公のパパガイオ(ブラジルの鸚鵡の一種)。本名は映画と同じJosé・carioca。ぐうたらな性格で寝てばかりいる、午後1時は彼にとって早朝。女好きで金に汚く借金取りに追われている。悪知恵と手先の器用さに恵まれ、幼い頃から周りの友人に助けられている。天性の愛されキャラで、ブラジルでは国民的キャラらしい。
※苗字の「carioca」はポルトガル語で「リオデジャネイロ生まれの人」という意味。
家族構成
甥っ子(姉の子どもと言われているが、作中姉が出てきたことは無い)の小学生の双子、Zico e Zeca(ジーコ&ゼカ)と、ペットの犬のSoneca(ソネッカ)、ワニのCrocante(クロカンチ)とリオデジャネイロの家に暮らしている。
また、作中ではブラジルの各州の特徴にちなんだ従兄弟達(全員名前はZé)などの親戚が登場する。
成り立ち
● Zé cariocaの成り立ち
【①1942年〜アメリカ「Silly Symphony」】
映画「ラテンアメリカの旅」公開の1942年からアメリカの新聞の日曜版に連載された、ディズニーコミック「Silly Symphony(シリーシンフォニー)」の「José(Joe)・carioca」および「Panchito」が大元になっており、現在のゼ・カリオカに登場するNestor(ネストル)、Rosinha Vaz(ホゥズィーニャ・ヴァス、アメリカ版だとMaria(マリア))、などが登場している。「シリーシンフォニー」シリーズのホセ(ジョー)・キャリオカは、女性にだらしなく、金に困り、地面に落ちている葉巻を拾って吸い、公園の噴水でシャワーを浴びるなどかなり自堕落な生活を送っており、映画版の陽気で洒落たイメージとは少し異なる。
【②1950年〜2018年Abril社時代】
ブラジルのAbril社より1950年雑誌「Pato Donald」(ポルトガル語のドナルド・ダック)が発刊。同紙内にてゼ・カリオカが主役の「Zé carioca」が掲載された。その後、1961年「Zé carioca」が雑誌として独立、以降「Pato Donald」と交互に隔週連載形式、その後「Pato Donald」が終了し週間連載となった。
雑誌では、様々なアーティスト・イラストレーターが「Zé carioca」を執筆する形式のため、各巻各話で異なる設定や見た目絵柄を愉しむことが出来る。Abril社では雑誌以外にゼ・カリオカやディズニーの仲間とサッカーのやり方を学ぶ絵本(「manual do Zé carioca」)なども発行、またテレビ番組でパペットとして喋ったりと人気の高さが窺える。
長らく連載は続いたが、2018年にAbril社がディズニー社の雑誌の発行を終了することを発表。惜しまれつつも雑誌「Zé carioca」 の68年の歴史が終了した。
【③2020年〜Culturama社時代(2022年現在)】
その後ブラジルでのディズニーコミックの出版を始めたCulturama社がAbril社時代の当時のアーティスト・イラストレーターを再集結させ、2020年9月雑誌「Aventuras Disney ed.18」にて「Zé carioca」を掲載。復活を果たした。当初同年12月までの予定であったが、2022年現在でも雑誌「Aventuras Disney 」や同社「Historiascurtas」(ed.20にてホゥズィーニャが主役の話を掲載)不定期で掲載は続いている(2022年3月現在)。また同社はゼ・カリオカと文学について学ぶ「VIAGENS FANTÁSTICAS」や、塗り絵本なども発行しており、今後も「Zé carioca」の展開が期待出来る。
関連キャラクター
Zico e Zeca(ジーコ&ゼカ)
ゼ・カリオカの甥っ子(姉の息子らしいが、姉が登場したことは無い)
小学生。双子でどちらがジーコかゼカかは誰にも分からない。悪戯好きで活発で、叔父さん譲りでかなりちゃっかりしている。
Soneca(ソネッカ)
ゼが飼っているペットの犬。
Crocante(クロカンチ)
ゼが飼っているペットのワニ。サッカーが好きでゴールキーパーになるのが夢。
シュルピタ民(※シュルピタ→ゼ・カリオカが住んでいるリオデジャネイロ市の架空の地区)
Nestor(ネストル)
ゼの一番の親友にして幼馴染の黒コンドル。見た目はアメリカ版、オランダ版(Manuel)とやや異なるがゼカリ最古参のキャラ。ドレッドヘアーのような頭部と白い手袋が特徴的。ゼに振り回される比較的常識人だが、シュルピタ民らしく結構逞しい。
Pedrao(ペドロ)
ゼの親友にして幼馴染の黒い犬。大きな身体と髭が特徴的。フェイジョアーダ(ブラジルの伝統的な煮込み料理)が得意。ジャックフルーツを家の庭で大切に育てているが、度々ゼやネストルに狙われて激しい攻防をしたりしている。
Afonsinho(アフォンシーニョ)
ゼの親友の白い家鴨。太い眉毛と髪?が特徴的。曲者揃いのシュルピタ民の中でも一番の常識人。フルネームはAfonso Patoso。カタツムリが好き。時々乗り物や薬など画期的な発明をして事件を起こす。
ヴァス家
Rosinha Vaz(ホゥズィーニャ・ヴァス)
ゼのガールフレンドのカナリアの女の子。アメリカ版ではMaria。見た目、髪型、服装はその時代ごとの流行りに合わせているお洒落な子。ゼのことを本気で愛しており、ゼにまともな職について欲しいと思っている。
Rocha Vaz(ホシャ・ヴァス)
リオデジャネイロでも有数のお金持ちで、ホゥズィーニャの父親。可愛い娘・ホゥズィーニャとゼの交際を快く思っていない。ゼのライバルの1人。仕事中毒でノイローゼになったことがある。
ゼの従兄弟達
(※全員名前はゼ(ジョゼ)、苗字がブラジルの州の名前
都市の特徴を元にした性格となっている)
Zé Paulista(ゼ・パウリスタ)
サンパウロ州出身のゼの従兄弟。オールバックが特徴の都会のサラリーマン。従兄弟の中では比較的常識人だが社畜。昔はサーカス団員で猛獣使いだった過去がある。
Zé Baiano(ゼ・バイアーノ)
バイーア州出身のゼの従兄弟。ドレッドヘアーが特徴的。バイーアは映画「三人の騎士」でホセが歌ってドナルドを誘っていた場所(サルヴァドール)。かなりののんびり屋で寝てばかりいる。
Zé Pantaneiro(ゼ・パンタネイロ)
マットグロッソ州出身のゼの従兄弟。ゼにそっくり。パンタナールという湿地に住んでいる。
Zé Jandaia(ゼ・ジャンダイア)
セアラー州出身のゼの従兄弟。長めの髪と軍帽が特徴的な漁師。喧嘩っ早い性格ですぐ銃やナイフを向けてくる。
Zé Pampeiro(ゼ・パンペイロ)
リオグランデドスル州出身のゼの従兄弟。外はねのヘアーが特徴的なガウチョ(南米のカウボーイ)。
Zé Queijinho(ゼ・ケイジーニョ)
ミナスジェライス州出身のゼの従兄弟。眉毛と髭が特徴的な農夫。山羊のガブリエラを連れていることが多い。
ゼのライバル達
ANACOZECA(アナコゼカ)
正式名称「Associação NAcional dos CObradores do ZÉ」、ゼ借金取り
立て国際組織。ゼの莫大な借金を取り立てるため、日々頑張っており、最近では割と権力を持つ巨大な組織となっている。構成員は同じ見た目に見えるがArlindo、Asdrúbal、Arnaldo、Tadeu という名前がある。
Zé Galo(ゼ・ガロ)
本名はGaldino José Chaves(ガルディーノ・ジョゼ・シャヴァス)。
ゼのライバルの金持ちの白い雄鶏。ホゥズィーニャの学友で彼女のことを虎視眈々と狙い、ゼに嫌がらせを仕掛ける。無駄にハイスペックでバイク、車、簡易飛行機の運転や、ボーイスカウトなどの技術もある。
関連タグ
映画及びアニメ、アメリカ版のコミックの姿。ファンの間では別人として解釈される場合もある。
友人。コミックにも度々登場する。