概要
ソーニャは日本の高等学校に通う外国人の少女であるが、裏の顔は所属する組織から指令を受けてターゲットの抹殺を行う暗殺者である。
彼女は学校などの公の場で一般人と必要以上に関わることを好まず、恐らく周囲の人間もソーニャの醸し出すそんな空気を感じ取っているためか作品内でソーニャが一般人と深く関わる様子は描写されていない。
が、ソーニャが殺し屋であることを唯一知ったクラスメイト且つ一般生徒の折部やすなは「私はソーニャちゃんを更生させる使命がある」と言い、自ら進んでソーニャと関わりたがるのである。
しかしやすなのすることといえば通販で買ったヌンチャクや雑誌の懸賞で当たった藁人形などを学校に持ってきてソーニャに見せる程度のことであり、やすな本人もその意図を説明することは無いので更生させる使命があるという建前のもとソーニャとおもちゃでただ遊びたいようにしか見えない。
しかもやすなはソーニャとの会話の際に逐一煽りを挟む癖があり、更生させる使命を果たすどころか逆にそれがソーニャに余計な怒りを与える原因となっている。
ましてや最近はソーニャを挑発するようなやすなの言動が顕著(ソーニャ曰く「お前最近強気だな」)であり、そんな存在にストレスを感じているソーニャはやすなへのツッコミの際に打撃や関節技や凶器を頻繁に用いる。
キュートなキャラクターデザインとは対照的であるバイオレンスなやり取りがソニャやすの特徴である。
嫌い? 大好き?
そもそもソーニャは、やすなと関わることはメリットよりもデメリットが多い。
会話をすればこちらを煽るような発言をされ、クレープを食べに行こうと言うので付き合ってやれば一緒に熊に襲われ、仕事に向かおうとすれば妨害をされる。
そして、殺し屋である自分と関わることで一般人であるやすなが刺客に目をつけられる可能性が生まれる。
強硬手段を用いればやすなを自分から遠ざけることは容易なはずである。
それでもソーニャが今日もやすなの戯れに付き合い、爆弾の爆発に巻き込まれて髪がアフロになったとしてもやすなと一緒に下校しているのは「ほっとけないよ!」と言って不器用なりにこちらの心配をしてくれるやすなに対して他者には無い特別な感情を抱いたからであると読み取ることができる。
つりつちのこしわすれえだ
ソニャやすを語る上で欠かせないのがアニメ9話である。
中盤に対抗組織の刺客『ツチノコ』が二人の前に突然現れた際、ソーニャは咄嗟に『ツチノコ』からやすなを庇う形で前に出て『ツチノコ』と対峙した。
それが意識的な行動なのか無意識な行動なのかは定かではないが、どちらにせよこのワンシーンは私と一緒にいることであいつに危険が及ぶのなら、その時は私がなんとかしてやるというソーニャの秘匿された決意を読み取ることができてしまう重大な場面なのである。
これは『やすなと一緒にいることも悪くはない』と思えるようになってくると今度は『私が傍にいることでやすなの生活に本来あるはずのない危険が及ぶ』というジレンマに陥るソーニャが、やすなとの繋がりを自分自身の力で維持しながら人生を歩んでいくことを選んだことをほぼ表明しているようなものである。
これはソニャやす(ソニャ→やす)の根幹をなす部分である。
きるがみーしてべいべする
アニメ最終回13話のトリとなるエピソードにおいて放課後、仕事に向かうことを匂わせたソーニャを止めるためにやすなはお好み焼きを食べに行こうと誘ったり、ジュースで服を汚そうとしたりしてソーニャが仕事に行くのをやめざるを得なくなるように仕掛ける。
が、逆に自分が優に深さ3mはある落とし穴に嵌められ、ソーニャを止めることが不可能になってしまう。
「ソーニャちゃーん!行っちゃだめだよ!」
やすなは今までに聞かせたことのない悲痛な声で叫んだ。
去ろうとしていたソーニャの足が止まる。
やすなはソーニャと一緒に過ごす時間を本当に幸せなものだと感じている。
やすなは、ソーニャが自分のしている仕事が悪いことだと認識していないことを知っている。
だからやすなは、ソーニャに暗殺業よりも楽しい時間が存在することを教えれば仕事を辞めてくれるのではないかと彼女なりに考え、ソーニャが興味を持つ可能性を信じて色々な文化を紹介したり、様々な景色を見せたりしていたのだ。
ソーニャを更生させる使命を誓った、その時から。
やすなは最後に「行かないで、ソーニャちゃん」と言って涙を流す。
これで駄目なら仕方ない、ではなく、それは大切な唯一の友達を救ってあげることができない自らの非力さを嘆くような声だった。
しかし落とし穴にロープが垂らされる。
ソーニャはやすなを落とし穴から解放し、その後「今日(の約束)は変更になった」と伝えた。
自分のしていることは本当に正しいことなのか、ソーニャはまだわからない。
だが、自分が原因であのやすながこんなにも悲しんでいること、
なんでもお構いなしに口にする人物像とは裏腹に本音を抱え込み、こんな状況になるまで打ち明けられない弱さがあることを理解した。
ソーニャは組織のために任務を遂行することよりも、やすなの笑顔を取り戻すことを選んだ。
総括
つまりソニャやすというのは、ソーニャのためになることを足りない頭なりに考えて行動する根は献身的なやすなと、裏の世界で生きる身でありながらやすなのそんな気持ちに応えてやりたくなったソーニャ互いの、相手を想う気持ちなのである。
組織から与えられる任務だけをこなして機械的に生きてきたソーニャにこのような感情が芽生えたこと、二人が出逢った舞台が殺し屋に縁のない学校という場所であったことが運命を感じさせる要因に一役買っている。
どれも等しく
上では理屈的なソニャやすの解説をしたが、ソーニャとやすながなんの前置きもなしにハグをしたり、手を繋いだり、相手に対して恋愛感情を抱いていたり、同棲をしていたり、キスをしたり、それ以上の行為に挑戦している関係も紛うことなきソニャやすである。
やすなはソーニャの中性的な整った顔立ちや、なんだかんだでお誘いに付き合ってくれる性格の優しさ、鍛えられた肉体や精神の強さに惹かれ、ソーニャはやすなの太陽のように明るい笑顔や、小動物的な可愛らしさ、過剰なスキンシップにノックアウトされているのがスタンダードなソニャやすであると言われる。
そしてソニャやすはカップルが成立すると纏う空気の糖度が一気に上昇する傾向がある。
なぜならソーニャが自分の意思でやすなと今以上に深い関係を持つことを選択するということは、他の何よりも仕事を優先していたソーニャの天秤がやすなの方へと傾いている状況になっているということであるからだ。
更には、今までは干渉される立場だったソーニャがやすなとの関係が進展したことで吹っ切れ、逆にソーニャ側からアプローチを仕掛けてやすなをタジタジにしてしまうことも。
つまり、お互いに遠慮しない者同士の絡みへと昇華するのである。
相性抜群?
既に役割分担は完璧
アニメ10話でやすなは土鍋を用いてお米を炊いた。
土鍋でご飯を炊くことは加減が難しいが、その出来栄えはソーニャが「お米が立ってる……!?」と驚愕するほどに綺麗なものであり、この一場面からやすなが相当な料理上手であることがわかる。
仕事をするソーニャ、ご飯を美味しく作ることができるやすな……つまり、そういうことなのである。
おいしくできたらいただきます。
ドSと誘い受け
原作6巻p76、夏風邪で声が出ないソーニャはナイフで壁に『ころす』と刻んで今まで調子に乗っていたやすなを脅した後に『ごめんなさいってちゃんと言えたら許してやる』とチョークで黒板に書いた。
その時やすなは口内炎の痛みで上手く喋ることができず、痛みに耐えながら一生懸命に声を出したがソーニャを納得させるような謝罪を述べることはできなかった。
するとソーニャは過去にないほどに感情を顔に出して悪魔のようにニヤァァ……と笑うとやすなに関節技を極めるのであった。
この鬼の所業のような一連の流れはやすなに対するソーニャのサディスティックな一面を充分すぎるほどに描いていた。
ソーニャに不用意に近づいて手首を外されたりと毎日のように痛い目を見ているやすな。
学習能力が無いと言えばそこまでだが、ナイフを突きつけられたりスタンガンを押し当てられたりと「さすがに自らの軽率な行いを反省してもおかしくないのでは?」とこちらが感じさせられるケースも少なくない。
結果、やすなはソーニャが手を上げてくるほど怒るように仕向けているのではないかという説が浮上した。
つまり誘い受けである。
……ソーニャとやすなの関係は今以上に危険なモノへと発展するのかもしれない。
きららファンタジアにおけるソニャやす
きららファンタジア初となるイベント【エトワリアのサンタクロース】でソーニャが初登場。
その次々々回の【マッシュルームベイベー】でやすなが初登場し、このイベントがきららファンタジアにおけるソーニャとやすなの初絡みとなる。
以降一つのイベントを除いて、どちらかが登場するイベントストーリーには必ずもう片方も登場している。(2020年6月現在)
唯一、2018年夏の一連のイベントである【エトワリア夏の一幕】と【海の底の玉手箱】にはやすなだけがストーリーに登場したが、上記のストーリーの中で「ソーニャちゃん」と合計9回発言した。
シングルシナリオ、メモリアルシナリオ、クリエイトコミュも他の追随を許さぬ勢いでの「やすな」「ソーニャちゃん」率であり、きららファンタジア全体ではなく二人の絡みだけに興味があるユーザーであってもアプリをダウンロードして損は無いと思える。(個人の感想です)
余談ではあるがソーニャがやすなを無慈悲にコテンパンにする描写が多く、その点においてもソニャやすユーザー向きであると言える。