ウェイクアップ…ダン!
概要
主人公夜明けのヴァンのヨロイであり、惑星エンドレス・イリュージョンの管理者オリジナル7に属する機体。
白い外装とG-ER流体が満ちた藍色のボディを持つ人型ヨロイ。
背面の左寄りに巨大な剣の刀身を背負っており、両肩前面には大きな装甲が取り付けられている。手足の先は人間のような五本指。
惑星EIにおいて最も初期に作られた7体のヨロイ『オリジナル7』の1機であり、オリジナル7の中でも最も古く、他の六機のベースにもなった。いうなればE・Iに存在するヨロイ達の始祖。
モチーフは「剣」で、対応する操作武器はヴァンが腰に巻いている流体金属製の蛮刀。ダン自体も待機形態では巨大な片刃の剣へと変形する。
ダンは普段この剣の姿でE・Iの衛星軌道にある人工衛星〈サテライトベース〉内に収納されており、ヴァンが蛮刀を大きくVの字に振るうのを合図に地上に射出され短時間で彼の下に現れる。
また、この時ヴァンは帽子のリングをつまんで向きを前後逆にするという行為を必ず挟む。(ダンで迎撃すべきかと思いきや敵が思ったよりもショボかったのでやっぱり召喚するまでもなかった、というシーンでは、わざわざ帽子の向きまで元に戻しており、どうやらこの行程はヴァンにとって重要な願掛けである模様)
そして戦闘が終われば自動で待機形態に戻りサテライトベースへと帰っていく。
あっさり描写されているが毎回毎回大気圏を行ったり来たりしていると考えると結構スゴイ技術力である。
ヴァンより以前の持ち主は不明。ヴァンがエレナに拾われテストパイロットになっていたことから既に死亡していたものと思われる。
“ダン”とはヘブライ語で『神は裁き』を意味する。
性能
オリジナル7故様々な面で並のレプリカヨロイを凌駕した能力を持つ。
G-ER流体制御システムによって完全な二足歩行が可能で膂力に優れ、運動性は極めて高い。
陸上行動能力に加えてボディの各部に配置されたスラスターによって大気圏内での単独飛行や水中潜航、果ては宇宙空間での活動能力まで有しており高い汎用性を秘めている。
ただし水中戦を行った回は、スラスターの多用を余儀なくされたために燃料の残りを気にしながらのギリギリの戦いになっていたため、燃費は少々悪いようだ。
武装は背面の刀身に収められた一振りの太刀のみ。
この太刀は一部を取り外して小太刀として使える他、腕に装着して肘打ちの要領で使用することもできる。ヴァンは太刀を回転させて盾代わりにする場面が多かった。
トドメの一撃をブチ込む際にはヴァンが「チェェェェストォォォォォッ!!」と叫ぶ(そして決着と共に帽子のリングが「チリンッ…」と鳴るカットインが入る)のが印象的。
また、ヴァンがコツを掴んでからは電磁シールドの発動が可能になり、ダリア戦では相手を真似て自身の流体を噴出させ対象を拘束する技も見せた。
ただし後者に関してはあくまで咄嗟の機転で使ったものであり、流体を多量に消耗してしまうため多用出来ない。
背面にある刀身は待機形態時に使われるものなので人型形態では半ば飾りである。
しかしヴァンは戦闘中に待機形態へと変形し剣の姿のまま空中を飛び回り相手に突撃するというとんでもない戦法でこの刀身を有効活用して見せた。
コクピットは胸部の球体。
操縦は他のオリジナル同様ヨロイインターフェイスインプラントシステムを用い、床に操縦者の持つ対応武器(ダンの場合は蛮刀)を突き刺し操作する。
ヴァンは操縦時蛮刀を変形させた右手の手甲を組み合わせており、片膝をついた姿勢をとっている。
また起動時に「ウェイクアップ…ダン」と言う。
カギ爪の組織による改良を受けていないため操縦者には従来のオリジナル同様の改造手術が必須(但しヴァンは改造以前にも僅かにだが動かせていた)。なのでヴァンも一定期間以上ダンに搭乗しなければ体調が悪化し最終的には死亡してしまう。
これに加えネオ・オリジナルのような光学兵器の追加なども無く、最も古いオリジナルということもあり「旧式」と呼ばれる場面が多い。
しかし潜在的なスペック自体は他のオリジナルに見劣りしているわけではないらしく、特にヴァンがオリジナルの扱いをマスターしてからは大幅なパワーアップを果たし、遂にはオリジナル最強のサウダーデすらも倒してしまっている。
戦闘で負った損傷の修復、流体や燃料の補給といった整備作業は全てサテライトベース内で自動で行われており、ベースに戻しある程度の時間を待てば完全な状態に戻る。
逆に地上にはオリジナル7を扱えるほどの設備はほとんど無いためロクに弄ることも出来ない。
ちなみにヴァン(というか現在のE・Iの住人の殆ど)は宇宙空間というものを理解していないため「空にある(らしい)倉庫に戻しときゃ勝手に直る」程度にしか思っていなかった。
ダンとサテライトベースに使われているロストテクノロジーはどんだけスゴいんだよ、とも言える。