概要
惑星EIにおいて最も初期に作られた7体のヨロイ、あるいはその操縦者を指す。単に「オリジナル」とも言われる。7体の名前にはそれぞれ曜日が当てられている。
元々は囚人惑星であった惑星EIにおいて、囚人を監視し、暴動を鎮圧する目的で開発された(ただし、作中では既に母星が滅びているので、その事実を知る者は少ない)。その構造やシステムには、惑星EIの他のヨロイ「レプリカ」とは一線を隔する数々のオーバーテクノロジーが使用されている。
なお、「レプリカ」とは惑星EIの住人がオリジナル7のヨロイに触発されて作った文字通りの模造品であり、戦闘力や技術力はほとんどがオリジナルに劣る他、二足歩行できないにもかかわらず二本足のデザインが多い(足元にローラー等を付けて走る)のが特徴。ヨロイという概念自体まともに理解されていない場合もあり、改造車をヨロイだと信じて疑わない人間もいた。
主人公ヴァンの搭乗機であるダン・オブ・サーズデイ以外は全てカギ爪の男の手に堕ちており、ネオ・オリジナルと呼ばれる新たな操縦者たちの手に渡っている。
元々の操縦者であったオリジナル7(旧オリジナル7)は物語の発端となるヴァンとエレナの結婚式に全員出席しており、カギ爪の男によって既に同志になっていたガドヴェド以外は殺害されてしまったため、本編には登場せず詳細不明。
ヨロイインターフェイスシステム
ヨロイインターフェイスインプラントシステムとも言われている。
縦者の脳神経に流れる電気信号を感知することでその思考を読み取り、極めて遅延の少ない機動性が得られる。操縦者が持っている流体金属製の武器をコックピットの床につきたてることで操縦を行うことができる。この際、「ウェイクアップ、○○(ヨロイの名前)」ということで起動する。操縦者はほとんど同じような態勢で動くことはない(ファサリナは別)。操縦時のコックピットはG-ER流体と同じ青黒い空間だが、操縦者の精神が高ぶる等してヨロイと一体感が生まれると白く輝く。
G-ER流体制御システム
オリジナル7のヨロイは電流を通すことで固まったり液体に戻したり出来る青黒い色をした「G-ER流体」を駆動系に用いている。これにより形成される強靭な筋肉群がオリジナルの直立二足歩行や召喚時の変形機構を実現している。オリジナルとレプリカの決定的違いはここにある(エルドラソウルなどの例外も一部存在)。流体で動かしているため、内部まで貫くダメージを受けると流体が噴き出してしまうが、噴き出すと同時に硬化させることで敵を捕捉することも可能。
なお、オリジナルの機体に見られる赤い動力パイプのようなものはG-ER流体を循環させるためのものであり、硬化した際の強度は通常の装甲や青い流体部分を上回る(赤はより純度が高い)。作中ではこれを利用して、「一見弱点のように見えるパイプ部分で攻撃を受け止める」という離れ業を披露している。ヴァンは、この硬化した流体を剣のように振るったこともある
サテライトベースシステム
それぞれのヨロイには惑星E.I.衛星軌道上に一定間隔で設置された人工衛星〈サテライトベース〉が用意されており、普段はそこに収納されている。機体のダメージを自動修復する機能がある他、操縦者の状態を常に把握し、居場所を追跡する機能も付いており、オリジナル7は惑星E.I.の何処でも即座に万全の状態でヨロイを召喚できる。ちなみに音声認識システムで、オリジナル7の各ヨロイには互換性があるので別のベースを使用することも可能。
スーパーロボット大戦Kでは、ダンと味方入りした後のダリアはどこでも行けるので、たぶん他のオリジナルも異世界にでも行けると思われる。
オリジナル
オリジナル7用ヨロイは他のあらゆるヨロイを凌駕する性能を誇るが、その代償として搭乗者に身体に神経電気の増幅を目的とした改造手術(ヨロイインターフェイスの移植・各種調整)を施さなければならない。人間の脳神経に流れる電流は微弱であり、未改造状態では操縦者の思考を充分に読み取れず、ヨロイの性能を引き出す事はおろか、まともに作動させることすらできなかったためである。本作ではこの手術を受けた者を "オリジナル" と呼称する。現在のオリジナル7でこの改造手術を施されている者は、先代からのメンバーであるガドヴェド、ダンの操縦者になった欠員メンバー・ヴァンの2人のみである。
改造された人間は基本的に不死身になっており、新陳代謝はG-ER流体が血液のように体中に流れ細胞を活性化する事で行う。しかしG-ER流体の入れ替えは自らのヨロイに乗る事でしか行えないので、ヨロイが破壊されたり長期間乗らないままだと死ぬことになる。これは操縦者も囚人から選抜していた関係上、反乱を起こされないように施した、意図的な欠陥である(囚人惑星として機能していた頃は管理者側から操縦者とベースの接続を切ることができた)。
ネオ・オリジナル
現在のオリジナル7用ヨロイはカギ爪の男が各地から集めたヨロイ研究者・技術者たち組織によって追加武装を含め数々の改良が施されている。カギ爪の男によって失われたオリジナル7のメンバーを補填する際、未改造者でも専用ヨロイに搭乗できる技術の開発が急ぎ求められたためである。その結果、組織は遂に通常人の微量な神経電気でも乗り手の思考を感知でき、改造手術を不要にする技術をカギ爪の男の集団の技術力で完成させた。とは言っても、通常以上の電流が流れる特異体質の人間に限られる。
メンバーはミハエル・ギャレット、ファサリナ、ウィリアム・ウィル・ウー、カロッサ、メリッサ。メンバーはカギ爪の男自らが見つけ出し、スカウトした者である。実はヴァンもこの体質であった為、前述の改造手術も受けていた彼は二つの能力を兼ね備えた存在である。オーバーフロウが発生した原理はこれのため。
デザイン
7体のヨロイに共通するデザインとして、それぞれが武器をモチーフとしており、その形態に変形可能である(召喚の大気圏突入・離脱時がこの形態)。また操縦者もヨロイと同じ武器を所有している。この武器はG-ER流体とヨロイインターフェースシステムにより、金属でありながら自在に形を変え、ムチのように扱う事も可能な他、サテライトベースからヨロイを呼び出す際のツール及び操縦桿にも使用される。
また、オリジナル7のヨロイはロボットアニメ等では珍しい「裸足」が基本デザインとなっているが、これは元々の操縦者が囚人である事からデザインされたものだと思われる。それに対して、カギ爪の男の集団の元で改造されたネオオリジナルのヨロイは「靴」を履いている。
ロボットでありながら極めて自然な動き、収縮する筋肉のような流体、裸足、貫かれると流体が血のように噴き出す等、オリジナル7のヨロイはまさに人間が鎧を着たようなデザインがコンセプトに盛り込まれていると思われる。それに対しレプリカは従来のロボットアニメを模倣したようなデザインが多い。