ツェーブラ
つぇーぶら
開発はザクセン連邦の兵器メーカー・ベンノ社。
現在のところ38型、39型、41型、48C型(PS4版:A1型、A2型、A4型、アインス型)、ベンノ型の5種が存在する。機体の分類としては標準型に属する。
またツェーブラとはドイツ語でシマウマ(独:Zebra)のこと。
ゲーム中では最初に登場した射撃戦特化機体であり、兵器開発の老舗であるベンノの技術が発揮されている。
ボーダーブレイク稼働初期に登場した機体であり、クーガー、シュライク、ヘヴィガードに続く4機種目のブラスト・ランナー。
標準型(中量型)の機体としては2機種目になる。
当時は旧式型で総合性能の低いクーガーの他は極端に軽いか重い機体ばかりだったため、
○標準程度の装甲を維持しつつ射撃補正を高めた頭部
○武器変更と引き替えに各射撃武器に合わせた性能へ特化している腕部
○そこそこのダッシュ速度とクーガー以上の積載容量を両立した脚部
といった性能を備えるツェーブラはハイバランスな最新鋭機として持て囃され、多くの傭兵に運用された。
「とりあえずフルツェーブラで組めばOK」と言われるほどであった。
が、後続の新型機が続々と登場するに連れて旧式化が進行。
機動性と装甲の水準が引き上げられた結果、「ハイバランス」は「水準以下の器用貧乏」にシフトしてしまった。
特に一度は蹴落とした競合機種・クーガーに優秀な新型が登場したのが大きく、ダッシュと積載の両立という面では完全に引き離されてしまう。
最速のリロードで面目を保っていた39型腕部も、それ以上のリロード速度に加え、39腕の欠点である武器変更速度をも備えた腕パーツが続々と登場、ニッチに追いやられた。
パーツを同一機種で組むことによるセットボーナスが索敵能力値であることも災いした。
索敵能力値は目視索敵に影響する能力値だが、視線が遮蔽物に遮られてしまうため、必要以上に高くても持て余しやすく、結果として軽視されがちである。
そもそもツェーブラのセットボーナスによる上昇値が低い(わずか15m)のも難点であった。
(一方クーガーのフルセットボーナスは積載容量上昇であり、旧式では元の積載容量が低いため無意味だったが、新型の登場で真価を発揮していた)
そんな中、次世代型として48C型のリリースが発表。
クーガーNX型に次ぐふたつ目の「四段階目」機種として注目を浴びたのは勿論、低迷したツェーブラシリーズのブレイクスルーとして愛用者達の期待を集めた。
が。
起死回生であったはずの48C型は、何故か
「使用者が期待していたツボをことごとく外す」
という迷走そのものの性能を披露。
期待を集めただけに、愛用者達の落胆はひとしおのものがあった。
ベンノ社危うし?
後続機に後れを取る性能、どこか力の入れどころがズレた48C型、とうとう無料支給が始まった39型――
といったツェーブラの迷走、そして他機種も似たような状態に陥っている開発元・ベンノ社の経営を危ぶむ声は多い。
プレイヤーアバターの一つ「お嬢様タイプ」の公式設定はベンノ社の幹部令嬢というものであるため、傭兵の間では売上不振で危地に陥った父の会社のために奔走するお嬢という妄想が定番ネタになっていたりする。
とか言ってたら公式展開でも経営不振に言及されてしまった上、悪役組織エイジェンとの繋がりが噂されるナクシャトラ社と取引を交わしてしまう始末。
なお取引の内容は装甲材の開発に難航する新型機「ヤーデ」についての技術供与となっており、この供与により開発、販売ともに大成功を収めた。
一方でナクシャトラがノウハウを持たないホバー機構を盛り込んだ機体「バズ」をリリースしたため、対価として技術の交換を行ったのではと推測されている。
当初はホバー技術提供の代価がナクシャトラの旧式ブースターではないかと勘ぐられていたが、これは「購入」したものと発表された。
頭部パーツ
全機種を通じて射撃補正能力に優れている。
39型
索敵能力強化タイプ。ただその代償としてロックオン能力は最低クラスに。額から伸びるツノ(アンテナ?)がかわいい。
ロックオン可能な距離があまりに短いため近接戦闘での使い勝手が悪いが、装甲の割にチップスロット数が高いので特殊機能を充実させたい場合に採用されやすい。
41型
ハイエンドモデル。索敵能力がやや抑えられたものの、38,39型にくらべロックオン能力が大きく改善され、なおかつ射撃補正能力がさらに高まった。汎用性の高さから頭部パーツでこれを愛用する人は多い。
後続の新型に押され気味だったが、近代化改修後はハイエンドパーツの座に返り咲いた。
48C型
次世代モデル。39型の強化発展型。大半のツェーブラユーザーが41型の発展系を期待していたのを覆し、まさかの39型派生であった。
非常に高い索敵能力を誇る――――が、射撃補正は38、39と同等。本ゲームのマップは遮蔽物が多く、また敵機の探知には支援兵装の索敵装備が優秀なため、高すぎる索敵能力は敬遠されがちであり、しかも索敵能力を生かせるアウトレンジからの攻撃をするには射撃補正が物足りないという、どこか間違った発展を遂げたパーツとなってしまった。
胴体パーツ
4種とも全く特徴が異なる。
38型
初期型。ブースター容量が低い代わりに特別装備へのエネルギー供給がやや高く、装甲の割に軽量。
近代化改修後は装甲の割に恐ろしく軽量な胴体パーツとなり、重量対装甲で言えばほぼ全ての軽量型胴体パーツを食ってしまった。が、ブースター容量と拠点間ワープの性能では劣る。
39型
ブースター容量特化型。特別装備へのエネルギー供給はやや低いが実用範囲に留まり、それを補うだけのブースター容量があるので使い勝手は良好(スラスターを連続して吹かすことができる回数・時間に直結するため、近距離機動戦闘での回避能力や食らいつきに影響する)。
近代化改修後は使いやすい性能と優れた重量対装甲比により、軽量型脚部と組み合わせて使う胴体パーツとして注目されている。
48C型
次世代モデル。38型と39型の中間のような性能。ブースター能力、SP供給率ともに平均以上で汎用性が高い。
しかし同重量帯には装甲の厚いクーガーS型、似たような性能傾向では軽量なエンフォーサーⅠ型がいるため最新型にもかかわらず影が薄い。
近代化改修後は軽量かつすべての性能が優れた高性能汎用パーツに変貌した。
腕部パーツ
胴体パーツと同じく型式ごとに特徴が異なる。ただ、総じて武器変更スピードが最低クラスであることは共通事項である。
39型
38型とくらべリロード速度がさらに上がったが、反動吸収率が平均以下に。装甲もやや薄い。やっぱり武器変更スピードが遅い。
リロードA帯の腕パーツでは装甲が最も高く、武器変更と重量で最も劣る。腕パーツはゲーム処理上の被弾面積が狭い(腕と胴体が重なってる部位の命中は胴体優先)ために装甲が軽視されやすく、かつては不遇を託っていた。
現在はリロードA帯でぶっちぎりのチップ容量が与えられ、重量も軽減されたのでニッチな立ち位置を確保している。
41型
今度は反動吸収率が強化されたタイプ。リロード速度は平均。装甲もややある。またしても武器変更スピードが遅い。
反動吸収型の腕パーツが氾濫した結果、悪くないが良くもないリロードと武器変更の遅さが際だってしまい、需要を失ってしまった。
近代化改修されてもなお省みられない不遇のパーツ。
48C型
次世代モデル。多くのユーザーがリロード速度に優れる39型からの発展を期待していたが実際には41型の発展型。
シリーズ全体の欠点であった武器変更スピードを大幅に改善しつつ41型の特徴である反動吸収率とリロード速度のバランスの良さが継承されている。
だが似たような性能傾向の腕部パーツは多く競争率が高いうえ、こちらは購入条件(41型までのツェーブラシリーズすべて購入)が厳しいため敬遠されがち。
後には購入条件が緩和され、性能据え置きで重量を軽減される修正を受けて、反動吸収型の腕パーツとしては総合バランスに優れた性能となった。
脚部パーツ
かつてはバランスに優れた脚部パーツだったが、現在は旧式化して省みられなくなっている。
愛好家がフルセット用で採用するか、高めのチップ容量を見込んでまれに採用されることがある程度。
脚部のダッシュパラメータは特に重視される能力値であるため、これが低いのは非常に痛い。
近代化改修で重量が軽減されても、元々のダッシュ速度が低いため大した意味がなくなってしまっている。
38型
ダッシュ速度が低めな代わりに、歩行速度がやや高い。初期装備のわりには積載猶予が大きい。
しかし積載猶予が高くても元々のダッシュ速度が低いと意味がないので、初心者用脚部パーツとしての立ち位置はエンフォーサーI型に持って行かれている。
48C型
41型から足回りが強化され装甲と歩行が上昇。加えてブースターも換装されダッシュ速度も向上しており全体的に高い位置でバランスが取れている。が、その後やはり後発にシェアを奪われてしまう。
なお換装されたブースターは上述のナクシャトラ製の旧型ブースター。それでもダッシュ速度を上げてくるあたり老舗の意地を見せ付けたというところか。
自社技術だけで性能向上できるだけの技術力があるなら自社開発すれば済む話であり、旧型でありながら何らかの得るものはあったということだろう。