解説
「魔術士オーフェン」シリーズに登場する、ドラゴン種族の一つ。
「フェンリル」「深淵の森狼(もりおおかみ)」「静寂の獣」の名でも呼ばれる。
非常に強力な戦闘能力を持ち、ドラゴン種族の「戦士」とも言われる。
普段は「フェンリルの森」で、聖域に近づくものを容赦なく排除する防衛を担っている。
ドラゴン種族共通の緑眼に、分泌される皮脂でしっとりと濡れた黒い毛皮の狼の姿を持つ。
成体は身の丈数メートルにも達する巨体になる。
その巨体のため、普段は「フェンリルの森」の湖の水中で暮らしているという。
「静寂の獣」と呼ばれる通り、一切の音を発さず(流石にアニメ版では演出上物音が立っている)、それどころか呼吸さえも行なわない。
食事も生殖も不要で、誰か一匹が死したら、魔術によってその内臓を新たな個体に生まれ変わらせる。
そのため、個体数が変化しない。
扱う魔術は、視線を媒体とした「暗黒魔術」。
目の届く範囲であれば、いかなるものをも破壊でき、生物であれば精神支配・破壊もたやすい。
生態的な能力として、自らの質量・体積をも自在に操り、それを発展させた疑似空間転移も可能。
女神の呪いによって言葉を奪われたため、種族全体の意識を融合させることで、種族の意志をまとめあげている。だが、それゆえに「個」というものが存在しない。
それでも種族を統率するものが選ばれており、「アスラリエル」の称号を与えられる。
次代のアスラリエルが成体になれば、旧きアスラリエルは滅ぼされる運命にある。
オーフェンがアイルマンカー結界を外した折、現出した女神をアイルマンカー結界解除で生じたエネルギーを用いて全個体で押しのけた為、女神ともども全ての個体がキエサルヒマ大陸の外に飛び出した。ただし、1匹だけ幼体が取り残され、その個体が新たにレキから分離したクリーオウにより二代目のレキとして育てられた。