デカダン・スタイル
でかだんすたいる
正式名称:アラビク・プレタポルテ
星団史上5番目に作られたファティマスーツのデザインであり、普段着としても使える「ライト・スーツ」というカテゴリーに属する。
戦闘用のスーツ「アシリア・セパレート(アイスダート・スタイル)」は、戦闘時は非常に優秀な性能を誇っているものの、特有のアレルギーを持つファティマの肌を保護するためにインナーを多く着込まねばならず、平常時には使用し辛い。また、こういった理由から、かつては戦闘時にも日常用の「カレント・スタイル」のまま出撃するファティマが多く存在した。
そこで、着易さとデザイン性を両立させた新しいスーツの開発が提案され、マイスターのシリーズ・シアン婦人によって生み出されたのが「デカダン・スタイル」である。星団暦2340年から現在も使われ続けている。
本作品の連載開始時から長い間使用され続けていたファッションの為、「ファティマスーツと言われればコレ」というファンも多いだろう。
素材は、流体金属生地や複合素材のラミネートによる装甲生地が使用されており、ヘリオス生地を使用しているアシリア・セパレートよりも軽くて動きやすくなっている。
スーツは顔と手以外の素肌を見せてはいけないものの、それ以外の規制は非常に緩くなっておりデザイン性が高い。服の様式は各騎士団ごとに異なるが、どのスーツも日常生活に支障がないように着易く作られている。
MH(GTM)の制御に必要な基本的な性能は備わっている。ただし、あくまで自騎の制御のみで、アシリア・セパレートのようなMH(GTM)の複数同時制御といった高度な制御は不可能になっている。
防御力に関しては、戦闘用のアシリア・セパレートよりは劣るものの、口径の小さな実弾やビーム程度なら防げる防御力を持つ。
後に、このデザイン性がフィードバックされ、アシリア・セパレートのデザインも優雅なものに変わっていった。(こうした後期のアシリア・セパレートは俗に「ビスケット・スタイル」と呼ばれる)
こうしてデカダン・スタイルは、ファティマ個人が所有できる(戦闘用のアシリア・セパレートは騎士団が所有するため、個人所有はできない決まりがある)、平時と戦闘時どちらにも使用できる万能スーツであり、使い易いという理由からどんどん普及していった。
しかし、段々と規制を無視した露出の高いスーツを着せる騎士や、ファッションを真似する一般市民が現れ始めたため再び規制強化の動きが強くなり、星団暦2992年より新デザインである「プラスチック・スタイル」の使用が決定されることとなった。