概要
シオン・サーレント・リザの各シナリオにたびたび登場し、これら主人公たちの目の前でしばしば宝を盗んでいくトレジャーハンター。世界中で宝探しや盗みを繰り返すが、それこそが自身の運命そのものにつながっているとは、考える由もなかった。
経緯
厳重な警備が敷かれた富豪のエレミア家から「聖杯」をまんまと盗むところから、彼の運命はいつのまにか始まっていた。他の主人公たちとは異なり、なにか使命を帯びて行動するわけでもなく、誰かに命じられて動くわけでもない、まさに自由人でありながら。
最初に見られる特徴は逃げ足の速さ、そして相棒のキッドと常に一緒に行動する点。主人公のダッシュより遥かに速い逃げ足は誰にも捕らえられたものではなく、屈強なシオンやソークをして「只者ではない」と言わしめる。
しかしその一方、宝しか目に入っていないわけではなく、リザが世界を浄化していることを知ると、手に入れた宝をリザのためにあっさり渡すなど、ただの盗人ではない一面も見せる。また、宝以外の目的で取引をした相手を裏切ることはなく、取引した相手にも利益になるよう取り計らう。
ただのドロボウだと思っていたけど、本当は違うんじゃないのか?
···そんなに甘くなかった。
彼は、FF6のロックよろしく、ドロボウと呼ばれる事を嫌うが、肩書きを見るとおおどろぼう。···確かに「ただのドロボウ」ではなかったが、世界中の宝を手に入れんとする「大ドロボウ」だった。
秘宝を手に入れし者
彼が、このように世界中の宝を狙っていることは、なんと太古の種族「ダナン神族」の予言書にすら「秘宝を手に入れし者」と予言されていた。
彼もジェイドに選ばれた人間の1人だったのである。その入手経緯もまた、彼らしいものであった。得体の知れない玉を持った石像を見つけた際、石像ではなく玉こそが宝だと見抜いて入手を試みる。そして、狙い通りに手に入れてしまう。···右手に埋まってしまう形で。それはまぎれもなく、4つあるジェイドのうちの「デスジェイド」だった。
ジェイド入手後も変わらずに宝探しの日々を送るが、今までと違っていたのは、不思議なことに他のジェイドを持つ者同士とよく出会うことだった。自身に埋まったジェイドの力に巻き込まれているのではないかと察知した彼は、その目に見えない鎖を断ち切る思いもあり、ルドラ10神宝と呼ばれる、ルドラにまつわる宝を全て集めようとする。それが、さらなる運命に巻き込まれるきっかけとも知らずに。
「太古に予言されていたドロボウ」だけあって、ジェイド入手前から宝の真贋を見抜く目はあったようで、見た目が金目のものとは程遠いものでも彼の目はごまかせない。
そして、狙ったものを手に入れるためなら、天空だろうと海底だろうと執念で乗り込む。本来はダナン神族の持ち物である空飛ぶ船「方舟」の主であるブラズニルにも認められており、ダナンではないにもかかわらず、デューンやキッドは操縦が許されている。
神宝に手を伸ばす彼は、やがて月からの謎の声を聞く。宝を全て集めるには月に行かなければならないこと、そしてそれはジェイドの宿命でもあった。そのために、全ての主人公を彼の元に終結させる必要があり、それまでサブキャラだった彼は一転して終章の主人公になる。