ヌリアジュク
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ぬりあじゅく
イヌイットのネツィリック族に伝わる女神。
海中に地上と全く変わらない家を建て、そこに恐ろしい精霊たちに囲まれて暮らしているとされている。
同じく海を司る女神セドナと非常によく似ており、人間たちがタブーを破らないかを見張る存在で、人間たちがどんな些細なタブーでも犯そうものなら全ての動物たちを隠してしまうといわれており、もしその様な事態に陥ってしまった場合はシャーマンの力を借りなければ、再び動物たちの姿を見ることは出来なくなってしまうとされている。
なお元々は人間の少女だったといわれており、次のような話が伝わっている。
遥か昔、ネツィリック族が現在の居留地を捨て新しい狩場を見付けようとしていた時の事である。
彼らはカヤックと呼ばれる小舟を繋いでイカダを作ったが人数が多すぎて全員乗る事ができない状態であった。
その為、少年たちは孤児であったヌリアジュクを海の中へと投げ込み、助かろうとイカダの縁を掴もうとしていた手も切り落とし、彼女は海の底へと沈んでいった。
その後、切り落とされた指はアザラシとなり、彼女自身は海の精霊へと生まれ変わると、全ての海獣たち、ひいては陸の生き物の母となり、かつて自身が人間のエゴの為に情け容赦なく切り捨てられたという経緯から、人間たちのどんな些細な裏切り行為も見逃さず、彼らがタブーを犯さないかを見張るようになったという。
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