ハイネ(サマータイムレンダ)
さまーたいむれんだのはいね
CV:久野美咲
本作の主人公である網代慎平と同じくタイムリープが可能である。これは、慎平の右目が元々ハイネから分裂したものであるため。ただし観測者が2人いることになるので、ハイネか慎平かどちらか最後に生き残った方が見る世界が事実となる。
また、ハイネは3周目のループから慎平を追いかけ、4周目に慎平の右腕に刻印(手形)をつけたので、以降は慎平がどの世界へ行こうがすぐに見つけることができるうえ、刻印で慎平の居場所までわかる。この刻印は慎平の存在そのものにつけた印なので、手形を消すことはできない。ただし泥と呼ばれる影の中なら存在を遮断することはできる。
さらに、通常の影であればコドモの代で1回のみ、マゴの代であれば分娩能力がないが、影たちの母であるハイネであれば何回でも分娩することが可能。ただし現在のハイネは衰弱しているため何回でも分娩できるといっても簡単ではないとのこと。
ここから先はネタバレです。未見の方は注意!
ハイネの正体は影たちの母であり、日都ヶ島で神ヒルコノミコトとして祀られていた存在。「ハイネ」の姿はヒルコが最初にコピーした人間「雁切波稲(かりきり はいね)」であり、彼女自身はその名で呼ばれることを好む。
本編から約300年前、日都ヶ島の万年青浜に巨大な鯨が流れ着いたが、それは鯨ではなく鯨に変身したヒルコだったという。
鯨を見に集まったある漁師の娘(波稲)が鯨に近づくと眩い光を放ち(スキャン)、娘をコピーしてから食らった。これが影の病の始まりである。
一部始終を見ていた島民は恐れ慄き、祟りを恐れその娘の姿をしたもの(ハイネ)を、現人神ヒルコ様として祀り上げた。
島民は島の地下にある洞窟に居室を作り、ヒルコ様を住まわせたという(これがヒルコ洞)。
ヒルコ様は人の姿になったことで人の舌を得て、人の肉の味を好むようになり、度々贄として人を要求したが、その見返りに豊漁をもたらしたといわれる。
これが島に伝わるヒルコ伝承である。
ヒルコ伝承以降の彼女に関する情報は断片的にしか描かれてはいないが、菱形医院の初代院長である菱形紙垂彦と結婚し子供を儲けていることは明らかになっている。
その後は徐々に衰弱していっているようで、南方ひづるがハイネと出会った際にも空腹であることや過去の飢餓について口にするなど衰弱の傾向が見られ、本編の時間軸では歩くことも困難な状態となっている。
そのため現在は小早川しおりの影という入れ物を遠隔で使って出歩くことが主。
しおりの影を使って暗躍し、目的を果たそうとしている。
ヒルコの目的とは「常世」と呼ばれる世界へ行くこと。
常世とはヒルコの故郷であり、本来は影だけしか行くことができない現世とは異なる世界。
そこで家族として選んだ影を連れて行き、衰弱状態から回復して永遠に暮らすことを目指している。
彼女の介添えであるシデもそれに賛同しているようではあったが…?
なお、ヒルコのスキャンも他の影たちと同様に記憶や人格などを読み取るため、波稲としての人格も混在してる。
そのため口調(方言)は波稲同様に和歌山弁で話し、また衰弱した状態では波稲としての人格が表に出るのか言動が幼くなり、先のように飢餓に見舞われた時の事を口にする場面もある。