諸元
名称 | BNC-3E バンシー |
---|---|
重量 | 95トン |
エンジン | GM380 |
歩行速度 | 43.2km/h(4MP) |
走行速度 | 64.8km/h(6MP) |
ジャンプ能力 | なし |
放熱器 | 16基 |
武装 | オートキャノン5x1 |
粒子ビーム砲x1 | |
小口径レーザーx1 | |
価格 | 953万0853 Cビル |
概要
初出は『テクニカルリードアウト3025』で、日本版のメックウォーリア―TRPGにもデータが掲載されている。
地球帝国期というメックが産声を上げた25世紀の終わりぐらいに量産が開始された機体なのだが下記の通り設計がいびつすぎて思ったほどの戦果を得られず、すぐに失敗作扱いされ僻地に払い下げられた後もなぜか細々と継承権戦争時代を生き延びてきたという経歴を持つ。
不遇の原因
なぜ現場から酷評されたかというと、やはり重量のあるメックに移動速度を求めるのは無理があるというメックの設計セオリーに逆らった結果である。(まぁそれでも強襲級に中量級クラスの移動速度を持たせようとした結果、積載重量が12.5トンだけになってしまい戦闘力評価値が中量級すら負けかねないチャージャーよりはマシではあるが・・・)
じつは時速43.2km(4MP)で重量効率が最も良いのは75トン・80トン・85トン級の42.5トンで、90トンからは逆に効率が下がり始める。90トンのサイクロプスは積載重量は41トンで上記の75トン~85トンと比べて1.5トン劣り(ウォーハンマー・アーチャー・グラスホッパーと同じ)、それより重いバンシーは37.5トンと65トン級の39トンに負けている。
以下の表が4MP級メックの重量の内訳である。出力が300を超えた場合はジャイロも4トンと重くなる。また、90トンになるとジャンプジェットの重量が2トンになり走破性も絶望的となる。
総重量 | 機体中枢 | エンジン | ジャイロ | 操縦席 | 積載可能重量 |
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100トン | 10トン | 52.5トン | 4トン | 3トン | 30.5トン |
95トン | 9.5トン | 41トン | 4トン | 3トン | 37.5トン |
90トン | 9トン | 33トン | 4トン | 3トン | 41トン |
85トン | 8.5トン | 27トン | 4トン | 3トン | 42.5トン |
80トン | 8トン | 22.5トン | 4トン | 3トン | 42.5トン |
75トン | 7.5トン | 19トン | 3トン | 3トン | 42.5トン |
70トン | 7トン | 16トン | 3トン | 3トン | 41トン |
65トン | 6.5トン | 13.5トン | 3トン | 3トン | 39トン |
60トン | 6トン | 11.5トン | 3トン | 3トン | 36.5トン |
装甲は95トンという重厚な骨格をもつ体躯に相応しい分厚さを誇りきわめて頑丈なのだが、如何せん速度と装甲のしわ寄せが武装に降りかかってしまい、火器は粒子ビーム砲とオートキャノン5と小口径レーザーが各々一問ずつという重量に比べて全く物足りない有様となってしまった。
一応これだけでも中量級が相手なら撃ち合いに負けることはなく装甲に物を言わせて押し切ることはできるが、火器が充実してくる重量級相手にはやや厳しい。しかも無駄にエンジンの所為でコストは950万CBと60トン級のライフルマンのほぼ倍で劣悪であり、新品を購入するのはまず割に合わない。
ただまぁ、上記の通り辺境で数百年物の骨董品が残っている&なぜかライラ共和国のヘスペラスIIというメック工場では今でも生産されているので、勝利してそれらの部品をかき集めてレストアできる機会はそれなりにあるかもしれない。
バリエーション
やはりどうにかしてモノにしようと試行錯誤したものの、ほとんどはどうにもならなかった。
自由世界同盟仕様その2
名称 | BNC-3M バンシー |
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重量 | 95トン |
エンジン | GM380 |
歩行速度 | 43.2km/h(4MP) |
走行速度 | 64.8km/h(6MP) |
ジャンプ能力 | なし |
放熱器 | 16基 |
武装 | 粒子ビーム砲x2 |
中口径レーザーx2 | |
小口径レーザーx1 | |
価格 | 982万4328 Cビル |
AC5をとっぱらって粒子ビームをもう一門追加し、余った2トンで中口径レーザーを搭載し近接戦闘能力を強化した機体。とりあえず中枢に喰らっても弾薬が爆発する心配はなくなったが・・・
自由世界同盟仕様その2
名称 | BNC-3Q バンシー |
---|---|
重量 | 95トン |
エンジン | GM380 |
歩行速度 | 43.2km/h(4MP) |
走行速度 | 64.8km/h(6MP) |
ジャンプ能力 | なし |
放熱器 | 12基 |
武装 | オートキャノン20x1 |
小口径レーザーx1 | |
価格 | 957万4728 Cビル |
近接火力が物足りないのでいっそのこと開き直りAC20を積んで一撃必殺を目指した仕様。
但し無駄にAC20の弾薬を積みすぎ(6トン、30発分)、遠距離戦は度外視というジャガーノートタイプ。90トンのサイクロプスの支援火力を取っ払って装甲に全振りした感じか。
ライラ共和国仕様
名称 | BNC-3S バンシー |
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重量 | 95トン |
エンジン | ピットバン285 |
歩行速度 | 32.4km/h(3MP) |
走行速度 | 54.0km/h(5MP) |
ジャンプ能力 | なし |
放熱器 | 21基 |
武装 | オートキャノン10x1 |
武装 | 粒子ビーム砲x1 |
武装 | 中口径レーザーx4 |
武装 | 6連装短距離ミサイルx1 |
小口径レーザーx1 | |
価格 | 957万4728 Cビル |
「95トンに巡航速度40キロ超えは流石に無理あるだろ」というごもっともなツッコミを参考に、エンジン出力を抑えて大幅に駆動系をコンパクトにしたおかげで原型機に比べて積載重量が63トンと原型機と比べて大幅上昇。それにより遠距離でも毎ターン20点ダメージの転倒判定ラインに到達し、距離を詰めたらAC10と近接火器で40点以上の火力であっという間に近づいた敵機を粉砕するだろう。無論その分戦場での進行速度は期待できなくなり、基本的に防衛用。
STEAM版
原型機のE型とビーム増設型のM型と(何故かライラでもレアなはずの)移動力調整版のS型が登場。
AC5が実用レベルになった一方で粒子ビームの熱コストが劣悪なのでこの中ではM型が一番相手にしやすい。Q型でないのは一安心。(もっともこちらでカスタマイズすることは可能)
本作では精神コマンドのようなもので部位狙いができるので、ここまで装甲が分厚いなら中枢や両脚を延々と撃ち続けるよりも、いっそのことラッキーヒット狙いで頭部を狙ったほうがいいかもしれない。
また、今作では地形効果も変わり森林(や火星系バイオームにおける砂嵐)が命中ペナルティーではなくダメージ軽減になった。ブルワークというメック戦士の耐久を上げれば所得できる特殊能力を手に入れれば森林との相乗効果で40%ぐらい軽減しながらこちらも砲撃できるので、S型以外は75~90トン級よりも相手にしやすい。
余談
…とまぁ、基本ルールブックに記載されている技術レベル1相当(継承権戦争当時の技術レベル。数世紀にわたる戦争での破壊の影響で星間連盟時代の先進技術より後退している。)のテクノロジーで構成した場合はエンジンを妥協して何とかモノになった3Sを除いては若干ポンコツ扱いされる本機だが、星間連盟時代相当の技術レベル2のノウハウを利用すれば話は変わってくる。
その中の一つにXLエンジンというものがあるのだが、これは高級であり若干左右胴にはみ出てしまうもののエンジンの重量が半分になり更にはエンジン内蔵放熱器が20に増加するという軽量化エンジンで、これを搭載した場合はエンジンがノーマルな場合の37トンにエンジンが軽くなって浮いた20.5トンが加わり58トンもの装備重量を維持しつつ重量級並みの足並みを持つことが可能になる。
これならば火器も申し分ないし、一発あたり10点のパンチが二発当たれば単機で20点ダメージを叩き出し相手に店頭反応を強いるという芸当もやりやすくなるだろう。(さらにいえば90トンクラスと違い頭部に当たればそれだけで普通のメックに致命的命中の可能性が出てうまくいけばコクピットを潰し一撃で仕留めることも可能。)
このモデルBNC-5Sはグレイデスメモリーという星間連盟時代の技術を網羅した記憶媒体が見出されて技術が復興したのちクラン戦争あたりで実用化された。