メック
めっく
バトルテック世界の人型兵器で、もとはといえば作業用の大型機械だったものに武装やら装甲やらをつけて戦闘用に改造したものである。そのため戦闘用のものは産業用のと区別するために”バトルメック”とも呼ばれる。
全身が装甲に覆われている上に内部構造がシンプルなため、同じ重量の”装甲車両”と呼ばれる戦車よりも防御力や火力で優り、高低差のある地形の走破性にも優れる。
この世界では”継承権戦争”と呼ばれる宇宙規模の戦争で荒廃し文明が後退してしまっている為、西暦3025年現在では新しいメックは戦火を免れた一部の工場や研究所で細々と製造するのがやっとな貴重品となっている。また、大規模な戦争が起こる前の星間連盟時代の遺物の方が今現在生産される技術よりも高度で洗練されているという現象も起こっている。そのためバトルテック世界では”遺物探し”を生業とする者もいる。
そんな情勢なのでメックは先祖代々受け継がれる貴重品となり、それを駆るパイロットは”メック戦士”と呼ばれメックを操縦して戦争に参加する義務への見返りとして地位や領地を与えられるという特権階級となる。(但し戦争での引き際を見誤ったり不幸な一撃でメックを失うと”失機者”となり権利剥奪どころか底辺の人間として扱われるようになってしまう。)
エンジンは核融合炉で胴体中央に存在する。このエンジンは一般的に出力を上げると重量も増える為、機動力を確保しようとするとその分他の装備が貧弱になる。一応大破しても爆発が起きて当たり数キロが消滅ということはない。
金属製の疑似骨格と呼ばれるフレームに”マイアマ―”と呼ばれる電流を流すことによって伸縮する特殊ポリマー繊維を取り付けてそれの筋肉的な作用で動作している。これによりメックは”歩く””走る””武器の角度を調整する”といった軽度の動作が可能になる。これに重量バランスをとり姿勢を維持するジャイロやパイロットを様々な環境から防護するための生命維持装置を付けたコックピット、骨格を覆う装甲や多種多様な火器及びその弾薬を搭載したのが”バトルメック”となる。
一部メックはジャンプジェットと呼ばれるブースターを装備することにより数十メートルぐらいのジャンプが可能。
バトルテックを語る上で欠かせないのがなんといっても熱管理システム。
上記のマイアマ―伸縮駆動は歩くだけでも熱を発する上に、ジャンプしたり光学兵器をバカスカ撃ちまくるとそれはもう膨大な量の熱が出る。一応エンジンに予め取り付けられたリ各部位に追加できる放熱器で排熱することができるが、最大距離をジャンプして更に全武器を発射して発生した熱を同じターンに全部捌ききれるメックは極めてまれで、そういう機体は大抵同重量のメックよりも瞬発火力が貧弱になりがち。
一刻も早く敵を蹴散らそうとビームを撃ちまくると熱がどんどんたまっていき、軽い障害でも移動制限や標準の不都合、下手をすると熱暴走で弾薬が爆発したり核融合エンジンが停止したりする。
そらもう冗談抜きで熱くて死ぬ。拡張ルールのシティテックの冊子には熱管理を怠ったせいで折角のメックを弾薬爆発で失った間抜けな新兵の話すら載せられているぐらいである
ここに記す武装は装甲車両にも搭載可能。一方でハチェットや高速振動剣といった接近戦武器はメックにしか搭載できない
マシンガン
対歩兵用の近接火器。メックの装甲にもダメージを与えることができ熱も全く発生しないが、撃っても撃っても弾薬がなくならないので戦闘後半になると装甲がはげ骨格ごと剥き出しとなり誘爆の危険が伴い冷や汗ものの火器。
一方、弾薬は共有化できるため発熱しないと言うマシンガンの特性を活かし大量に搭載して敵に張り付きひたすら攻撃すると言うアセンブリも有り、これは終盤になるほど内部機関破壊の可能性が高まる(のと判定の時間が無闇に長引く)ため恐れられるのと同時に嫌われる傾向にある。
逆に1門だけ搭載するならば、下記に有る小口径レーザー+追加放熱器の組み合わせの方がダメージや熱管理の面で有利である。
ビーム兵器
光学兵器で、小口径レーザー(SL)・中口径レーザー(ML)・大口径レーザー(LL)・粒子ビーム(PPC)が該当。射撃ごとに熱が出るもの弾薬がいらないので、弾切れを起こさないし誘爆の危険もない。大口径と粒子ビームはダメージと射程が大きい代わりに出る熱も半端なく(粒子ビームは追加放熱器なしだと1ターンに1門しか撃てない)それなりに重い。中口径は射程がやや短くなる代わりに熱が少なくダメージのわりに軽いので大抵のメックに1門は搭載される汎用兵器。
小口径レーザーは軽いのはイイが隣接マスでないと当てづらく最大射程も短いので有効な使いどころが限られてしまう。
ミサイル
ロケットランチャー方式の実弾兵器で、短距離ミサイル(二連・四連・六連)と長距離ミサイル(五連・十連・十五連・二十連)がある。
短距離ミサイルは中口径レーザーと同じ射程で一か所に集中するバージョンとバラバラに当たるバージョンがあるが、ダメージ効率は中口径レーザーに劣る。ただしダメージ集中型の六連装短距離ミサイルは頭部に全弾命中すると一撃でメックを無力化できるというロマンが存在する。
一方の長距離ミサイルは近づきすぎると逆に命中させにくくなるというデメリットはあるものの、重量に対するダメージ効率の良さと発熱の程よさで支援系メック必須火器といえる。
オートキャノン
砲弾式の実弾兵器で2口径・5口径・10口径・20口径がある。命中の度に口径に合わせたダメージが与えられる。
熱がほとんど出ないので他の武器と併用しやすいという利点はあるものの、火器そのものの重量が重いため(それぞれ6t・8t・12t・14t)、ボードゲーム版では当たり所が悪ければ一撃必殺の威力がある20口径とACの中では割とバランスのいい10以外は不人気。
流石にそれはまずいと思ったのかSTEAM版のシミュレーション型バトルテックでは弾数を見直したうえでダメージがそれぞれ(5・9・12・20)となり、AC5は見違えるほど強くなった。
軽量級(20t~35t)
要求されるエンジン出力が比較的軽めというのもアリ価格は安く(とはいっても装甲車両よりは高い)機動力が高めなのが多いが、如何せん装備重量に難がある。そのため粒子ビームのような一撃のある火器を搭載するのは適さず、下手をすると重火器の一撃でその部位の装甲持っていかれるどころか中枢まで撃ち抜かれるなんてこともザラ。
中量級(40t~55t)
積載重量に余裕が出てきたことにより、軽量級に追随できる速度を誇り粒子ビーム1発ぐらいならなんとか耐えられる高機動タイプや、逆にエンジンを安物にして速力を犠牲にしてかわりに火器や装甲を充実させた火力支援機タイプなどプレイヤーの好みに合わせた機体が並ぶ。バトルテック初心者にお勧めのクラス。
重量級(60t~75t)
ここら辺になるとエンジンや重量級用のジャンプジェットの重量の都合上機動力を確保するのが厳しくなってくる。重量の許す限りの火器と装甲を積んで敵の攻撃に耐えつつ砲撃する所謂タンク役が多くなる。
強襲級(80t~100t)
85tまでは重量級と似たコンセプトの装備が出来るが、90t以上になると更に機動力の確保が難しくなる。尤も、その分回された装甲と武装の豊富さは圧倒的。
例:バトルマスター・マッキー・アトラス
初期デザインは全て日本アニメ(正確には日本のアニメをライセンス契約して再編成したロボテック・シリーズ)からの無断借用であり、例えばシャドウホークはダグラム、ライフルマンはデストロイド・ディフェンダーだったりする。
さらにワスプ(バルキリー)やフェニックスホーク(スーパーバルキリー)等は「ランド・エア・メック(陸空メック=変形メック)」と呼ばれるバリエーションも存在する。
日本での評価は、「簡単に壊れるけど、壊すのは大変」、「凄いのか、凄くないのかよく判らない」と微妙なモノとなっている。
ゾイド・・・こっちは動物型の兵器だが、“基本的に陸戦主体”、“四肢以外に搭載された火器も普通に使用する”、“どちらもダグラムに影響を受けたキャノピー顔”、“模型のスケールが1/72(当初のバトルテックは、日本からアメリカへ輸出されたプラモデルをコマに使っていた)”、など意外と似ている点が多い。
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