概要
パペッティア人とは、ラリー・ニーヴンのSF小説『ノウンスペース』シリーズに登場する異星人。3本足の生えた胴体から、2本の口兼腕が生えているという奇妙な姿をしている。作中では「ピアスンのパペッティア人」とも呼ばれる。
プロフィール
登場する作品 | 『ソフト・ウェポン』、『中性子星』、『リングワールド』など |
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性別 | 2種類の男性と1種類の女性 を持つ |
出身地 | パペッティア星 |
身長 | 頭を上に伸ばせば人類の身長と同じくらい |
気質 | 慎重・臆病 |
好きなもの | 同族の匂い・草 |
嫌いなもの | 危険 |
身体的特徴
3本足の鹿や馬のような胴体(四つ足動物で言う肩の辺)から、蛇のような口兼腕(手の甲にあたるとこに眼ん玉が一個ずつ、掌の辺りに口)が2つ生えている。こぶ状になった唇と二股に分かれた舌で物を持つ。脳は胴体(鹿さんとかで言う、食道が入ってる辺り)に収納されている。胴体のこぶを覆うように生えているたてがみを編み込んだり装飾品を付けることで社会的地位を表す。恐怖や危険に直面すると脚と腕を折りたたんでボールのように丸くなる。
長い首を使うことで本来のオーケストラのような声から異種族の言葉まで幅広い声を出せる。パペッティア人の言葉は地球人には聞き取れないため地球人の前に現れるパペッティア人達は仮の名前を名乗っている。
気質
人類や他の種族と比べると非常に臆病な性格の種族。パペッティア人の社会では慎重こそが美徳とされ、勇気というものは蛮勇とされる。異種族の前に姿を現すことが殆どなく、殆どはロボットや代理人を介する。
稀に異種族の前に姿を表すパペッティア人もいるが、彼らの社会では重度の精神疾患や精神障害として見なされている。そのため本編に登場するパペッティア人は殆どが精神疾患者である。
生殖
2種類の男性と、1種類の女性がつがいあって繁殖する。精子を提供する男性と、卵子を提供する男性が、女性に子どもを植え付ける。この女性は本質的には別の種族であり、遺伝に関与しない。
このような生殖システムは寄生バチに似ていると作中で言及されている。
別の言い方をすれば男性、女性A、女性Bの3つの性を持つ種族だとも言える。
歴史
少なくとも50万年以上昔には文明を構築していたことが明らかになっている。
地球人ではピアスンという名の人物が初めて接触し、「パペッティア人」と呼んだため、「ピアスンのパペッティア人」と呼ばれるようになる。
ノウンスペースで商売をしていたが、ある時期を境に殆ど全てのパペッティア人が去ってしまった。
パペッティア人の登場人物
ネサス
パペッティア人がノウンスペースから姿を消した後も留まっている数少ないパペッティア人。背中のたてがみは編み込みもせずボサボサのままにしている。体重は240ポンド(108キロ)。
躁鬱症の傾向があり鬱期に入ると全身を丸めて動かなくなってしまう。逆に躁期に入ると本来のパペッティア人なら絶対にしないような命知らずなことまでしてしまう。
地球人のルイスとティーラ、クジン人の《獣の話し手》をスカウトしリングワールド調査隊の指揮を取る。
名前はケンタウロスのネッソスに由来する。
『ソフト・ウェポン』、『リングワールド』などに登場。
ゼネラル・プロダクツ支社長
パペッティア人の貿易会社であるゼネラル・プロダクツ社の支社長。
地球人のパイロットであるベーオウルフ・シェイファーに対して調査を依頼する。
『中性子星』、『銀河の核へ』に登場。
《至後者》(ハインドモースト)
パペッティア人社会における二大政党の一つ実験党の党首。社会的地位は高く背中のたてがみは複雑に編み込まれ宝石などで飾り立てられている。リングワールド調査計画の立案者。《至後者》とは後ろから指示する人という意味で、その名の通り人使いが荒い。
『リングワールド』、『リングワールドふたたび』などに登場。
ゼネラル・プロダクツ
可視光を除くあらゆるエネルギーを通さず、絶対に壊れないが売り文句の宇宙船用の船殻を販売しているパペッティア人の会社。
ゼネラル・プロダクツ社製船殻は用途に合わせていくつかの種類がある。
1号船殻:バスケットボールほどの大きさの球形。主に無人探査機などに使われる。
2号船殻:長さ90m、直径6mほどの円筒形。両端が尖り、船尾のほうに蜂の腰のようなくびれがある。
3号船殻:円筒形を横にして平たくし、前後を潰したような形。ガリガリくんのような棒アイスの形状に近い。
4号船殻:直径300mを越える透明な球形。
2号船殻
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なお弓月光の漫画、『トラブル急行』にも同名の異星人が登場する。(人間と宇宙に文明圏を作っているなど原典のとは若干異なる)