概要
CV.川島零士
「観察者」の手によって「世界を保存するため」に投げ込まれた「球」。
「感じた刺激を元にあらゆる存在へと姿を変化させる能力」と「何度死んでも代償なしに蘇ることができる能力(不死性)」を持つ。
生まれた当初は手のひらくらいの大きさをした球体であり「球」や「それ」と呼ばれていたが、のちに生物としての意識や感情、「フシ」という名を与えられ、徐々に自我を確立していく。
最初に写し取った人である「少年」の姿をベースに過ごしているが、その場に応じて獲得した「器」を使い分けることも可能。
また、上記の模倣能力だけでなく、刺激として感じた食べ物や傷の原因となった武器なども生成することができる。
人物
物語が始まった当初は獣としての意識しか持たなかったが、初めて出会った人間や母代わりになった少女とその姉、兄弟になった少年、生きる術を教えてくれた老婆らとの出会いを通じて人間らしさを獲得していく。
言葉を身につけて直ぐの一人称は「ぼく」で、タクナハ編以降は「おれ」。物語の進行に応じて言葉遣いも変化している。
基本的に不器用ながら思いやりのある人格。但し「球」としての情報収集能力から周囲の痛みや不快感を敏感に感じ取ってしまい、周りの人間を巻き込んでしまう自身の特性からも、ナイーブで自罰的。
また、同様の理由から、死生観や感覚がズレている面も見られる。
能力
刺激を元にあらゆる存在へと姿を変化させる
何らかの刺激(感情や苦痛、味など)で対象を覚えて姿を変える・物を生成できる。
球→ぶつかった小石(苔を複写)→上で死んだ狼→眼の前で死亡した少年…の順に姿を獲得していった。それ以降は自身が出会った者(嫌悪しているハヤセ以外)が死亡した場合にたとえ死の現場に立ち会っていなくてもその者の姿をとれるようになる。ただし無生物や死んだ者に姿を変えると意志の無い状態も再現するため自力で動けなくなる。
人の器に変化すると必ず金眼になる(少年の時は稀に紫目になる事がある)。そしてその者の特技や運動神経を扱えるようになる。デフォルトの少年はごく普通の体なので戦闘や困った時に器を使い分けている。また、今まで得た姿の持ち主の感性が多少精神に反映されている。
物の生成に関しては、食べ物(毒が入った状態で食べれば毒入りになる)、武器、貨幣、生物(生きていない器だけ)、その後の経験で鉄や形のない熱そのものを創り出せるようになった。
生物に関しては、フシは当初知らなかったが生きている姿を確認できた者であれば器に魂が入って五体満足で蘇生することができる。(逆に言えば死んだ後しか見ていないと死体しか創れない)
何度死んでも代償なしに蘇る
いわゆる不死身。
体が潰れたり斬られたり焼き尽くされてもすぐに再生できる。蘇生は最初は長時間かかっていたが、何度も死ぬ度に蘇る時間が短縮されていった。鉄などで隙間なく閉じ込められたりすると死と再生を連続で繰り返すことになるが、数分ごとに死んでいたのが数秒ごとに短縮している。